捕らわれた小夏

枝浬菰

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第2幕

抜け殻な日々

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目を覚ますと知っている風景だった。
性接待を行って契約人数を増やす場所、通称「屋敷」に戻ってきていた。

この感覚、錦に激しくされた後の感覚だ。
思い出すだけで錦との熱いセック○を感じた。

これは足腰立たないんだろうな。

起き上がり立とうとしたがやはりがくりと床に座り込んだ。

最後に聞こえた。

さよなら小夏……。

「バカ、バカ……」と言いながら泣き出す。


きっともう会えない、錦には……。
初めから俺たちの関係はだったから……。


なのにあんな優しくして俺のことを大事そうに抱いてくれた。
「ふん、ぐすん」涙が溢れてきた。

扉が開き、柳が入ってきた。

「小夏様お辛いですか?」

柳は全部知ってこちらの様子を見ている。

そりゃ柳の仕事は俺を見張ること、それと身の回りのお世話とかだったけ?
主のいうことは絶対。

……。

「小夏様」といい抱き寄せてくれた。
「ごめん、柳さん」といい俺は柳の胸元で声を出し泣いた。

「うわぁぁぁああああ」
なにも言わず優しくぽんぽんと背中を撫でてくれた。

俺の気持ちは錦に向いていた。
そして錦も俺の気持ちに答えようとした、お互いに求めあっていたのに
不釣り合い、または規則によって俺と錦の中が引き裂かれてしまった。


それから数日俺は抜け殻のように日々を過ごしていた。

「柳さん、小夏様は?」
清水が様子を見に来た。


「抜け殻みたいだよ、錦様も恋をするんですね」
「まぁな、昔のことがあったからもうしないと思っていたのですが我々の考えが少し甘かったようです」

「昔のことって赤嶺の話ですよね」
「ああ、それはもう酷かったからな、主もそれからは誰よりも厳しくペットとの扱いは壁を作り過ごしてきたというのに……」


「そういえば面影が少し似てますよね飛鳥あすか様に」
「そうだな、黒短髪で笑うと笑顔が素敵で軽い身のこなしで契約もほいほいとられて、私たちも仕事が大変でしたからね」

「ああ……。同じ過ちは繰り返さないように、一層気を付けましょう」
「はい」


清水は柳と話したあとその場を後にした。

柳の電話がなり
「小夏様、ご気分いかがですか? この後昼から1件性接待が入りましたので準備をお願いします」

「わかった」
といい風呂場に向かった。


体を洗って男を満足させて契約いっぱいとったらまた錦に会えるのかな……。
そんな考えをするようになった。



昼になり食事を済ませたのか性接待室に入ってきた。
「おお! これが噂の名器」
そう、俺は体が名器と呼ばれるようになりこうして錦の傘下に入る輩も増えてきた。


「それでは」

怖い……。男の手がこちらに伸びてくる。
それでも錦とまた出会えるとするのであれば俺は……。
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