捕らわれた小夏

枝浬菰

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第2幕

小汚いペット

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やばっ痛すぎて意識が朦朧としてきた。
日本人が珍しいのか俺は人気があるみたいだ。

それに他の子と違い、あまり泣かないため痛めつけようがあるのか変態どもに襲われる。


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「なんで?」
「錦様、いかがされましたか?」

「錦様も小汚いペットにご興味がおありですか?」

会場の高台、もっとも高貴なものしか出入りが許されない場所に錦はいた。


「錦様には美しい、ペットをご用意いたしますよ」

「渡部、あれは小夏か?」
「そのように見えますが」
「お前が呼んだのか?」
「いえ」


「私ですよ」
と隣にいた瀬尾が申し出た。

「瀬尾さん、あんたなんでこんなこと」

「面白そうだと思ったからですよ、最近錦の周りをうろつく躾のなっていないペットがいると情報が入りましてね」

「ぐっ……」
「どうされます? 助けに行かれますか?」

瀬尾に目をつけられては小夏の運命は死だろう。
俺が日本から離れたから小夏がこんな目に……。

でも今俺が行ったところで、どうにもできない。
自分の……身分を下げるだけ……。

でも、助けたい。

「これは驚いた醜いペットを助けようと出向かれるとは」
「錦様! なりません、これは瀬尾様が用意した罠です、あなた様のご身分を利用しようとしているだけです」

「でも、小夏はあの子は救えなかった飛鳥に似てるから……」


渡部の言葉を無視し、下の階に移動し、小夏の前に現れると
小夏と目が合い。

「あ……錦……助けっ……」
と震える手を伸ばしてきた。

だが俺のせいで小夏はさらに酷い目にあう。

「おい、ふざけるな、錦様を侮辱しただと」
「これは許されない」
「このビッチめ!!!」

小夏が殺される。

呼吸が苦しい。
ダメだ、早く小夏を助けないと

「見物だの」

「瀬尾さん、なにが目的だ」

「ふふっ彼は素晴らしい名器だったよ、私も味見して多くの男を虜にしている、みなさい」
瀬尾が小夏に指をさす。


「失神してもなお、その名器に触れたいからこそ、男どもは群がる」
「小夏……」

「彼はもう表の世界では生きられないよ、このニューヨークで薬漬けにされるか、変態に解剖されるかのどちらかだ」
にやっとこちらを見る瀬尾は悪魔な表情をしていた。


「錦様」と渡部が来たので、上階に戻った。

「錦様もあのような小汚いペットにご興味があるのですね」

「……小夏は……」
「ダメです、抑えてください」

「くそっ」


ペットとの交流は終わり、清掃のため違う部屋へと移動した。

横たわるペットたち。

小夏もまた血だまりにいた。
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