捕らわれた小夏

枝浬菰

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最終章

お迎え

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上にあがると
ヘリコプターが止まっていた。

そして暗闇の夜にスポットライトがあたり照らし出されるあの人……。

「に……錦?」

背広を着た、俺が知ってる錦だ。
駆け寄り抱き着いた。

「錦……にしき」
と子供のように愛しい人に呼び掛ける。

「ああ、小夏無事でなによりだ」

頭を撫でられやっと安心できたのかもしれない。
俺はずるりと体が下に落ちるのを感じた。

そして遠くで俺を呼ぶ声が聞こえる。
でも答えられない……。


「錦……」
せっかく錦に会えたというのに俺はなんであそこで気絶してしまったんだよ。
バカだろ。

でもなんだろ、なんかずっと近くに暖かいのがある感じ。
俺は幸せなのかもしれない。


---------------
少し前
パラパラと響き渡るヘリコプター音に顔をあげるピエロ
「ぶち落とすぞ」

ロケットランチャーを構えていた。
「ボスそれだと破片が船にあたり、こちらも沈没するかと」
と指摘を受けロケットランチャーをひっこめた。


ヘリコプターから降りてきたのは
「へぇー錦、お出迎えが早いね」

「すまない、うちの者がきていると聞いて」
「うちの者? 愛しい愛しい小夏ちゃんだろ、なんで濁すんだ?」

「いろいろ事情があってな」
「公式発表していないからだろ、国王様」

「花咲さんといいそっちの繋がりがあると少し面倒だな」
「面倒もなにも、国王になった時点で腹をくくっていたと思ってたけど違うのかな?」


「そうだ、俺は国王の称号をいただいた時から決めていた」
「なら答えは簡単だよな」

「……小夏を妻にする」

「ぶふっ言っちゃったよこの人」
ゲラゲラと笑い出すピエロ。
そして後ろで待機していた渡部が耳を手で覆っていた。
私は聞いてませんと見える。

「まぁジョン王子といい、っていう決まりはないんだけどね」
「ジョン王子ともお知り合いなのか」

「ああ、まぁ花咲の関係なら知っておいて損はないからね」
とニヤリと笑う。

「まぁいい小夏はどこだ?」
「小夏くんは温泉に浸かってるはずだよ、俺がさっき中出ししちゃったからね、お腹壊さないうちに洗っておかないと」

「柳、頼めるか?」
「御意」
柳はピエロの部下と共に小夏の元に向かった。

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