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ロック王国物語編

Episode.4

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「むにゃむにゃ……」
と枕を抱えて寝ていた。
これが無防備なΩということか

ヒスイを買う時にΩを見せてもらった。
牢屋に繋がれたくさんのαやβに性暴力をされていた、可哀想なΩ。

私は吐き気がした。
こんなにも差別があるのかとモアΩは大切に育てられたΩで一番高値はIQの数値がα並みだ。
しかもこんなにも美しい。

ベッドに腰掛け無防備の唇の淵をなぞった。

それは柔らかく弾力があり、目をつぶっていれば女と間違えるのではないか。
きっとここも美味なのだろう。



下半身に手がのび男の物をズボンの上から撫でた。
「んっ」


なにかを感じたのか寝返りをうとうした。


だが私は男の物を撫でた瞬間にこう思った。
やはり男だ。
見た目は男なのだ。

中身も男だとは思うがΩといえど男の体だ。
私がヒスイを抱く日がくるのだろうか。


「あっ……陛下」と枕で顔を隠していた。

「ああ、すまない、起こしてしまった」
ヒスイのほうを見ると手首に青い痣があった。

「どうしたのだ?」
と手を引いた。

「……えっと、これは」
目をそらし、なにか言い訳を考えている、私に隠すつもりか。

「あ! ペンキです、塗装しているところにお邪魔してしまって」
と言い訳をしてきた。明らかに嘘だ。

なにか隠さないといけない事情があるのか。
そういえば昼間作戦会議室でヒスイが無断に立ち寄ったと聞いた、もしやあの衛兵共が私のヒスイになにかをしたのではないか?


「ほぉ、ペンキかなら拭ってやろう」
持っていたタオルで手首を押さえ込むと少し苦しい顔をしていた。
Ωはきっと素直ではないのだろう。

「ペンキならとれると思ったが思った以上に濃く出ているようだ、なにかで打ったとか?」
「……つ、強く引っ張られただけです」
「それでこんなに腫れるのか?」

「……みたいです」
なかなか強情だ。


「失礼します、陛下晩酌の準備ができましたので」とザスールがきた。

「ああ、ザスール良いところに、こちらに」
と言われザスールが中に入ってきた。


「なんですか?」
「このヒスイの打撲の件をお主は知っておるか?」
「ありゃまぁ痛そうですね、いいえ、でも衛兵が鞭を振り下ろしていたのをみたのでその時にではないでしょうか」
「ほぉ、我が姫候補に鞭か、でその者は?」
「さきほど、陛下が罰していた者達ですよ」


「なるほど、死刑だな」
すくっと立ち上がったが私はマントを引かれた。

「お待ちください……」と引いたのはヒスイだった。

「なんだ?」
「お……お許しください……私なんかのために衛兵に処罰を与えないでください」
と言ってきたのだ。

ヒスイと目を合わせた。
「私は私の大切にしているものを守りたいのだ、まだここに来て1日も経っていないから分からないかもしれないがヒスイは私の物だ、誰かがヒスイを貶めたり、危害を加えることには容赦はしない、だからヒスイも誰とも関わるなは難しいかもしれないが立場を弁えてくれると助かる」
「……はい、分かりました」
「良い子だ、それにヒスイの戦略のお陰で兵たちは救われた、もしよければ今後も作戦会議には出席をしてくれないか?」

「陛下」
ザスールが止めようとしたが
「役に立つのであれば」
「役に立っているよ」
おでこにキスをした。

かぁああっと赤くなるヒスイがなんだか可愛く見えた。

「では夜の食事にしよう、お腹空いただろ」と手を出した。
「治療もしないといけませんしね」


夜はマーガレットを抱いた。
だがあの時見たヒスイの顔がちらついた。
少しのことでも顔を赤くするヒスイは私の心をくすぐった。

「ああ/// 急に大きく……」
「なぁマーガレット、私のことを楽しませてくれぬか?」

「!? 珍しいですね陛下がそのようなことを」
「たまにはいいだろう」

私は妄想した女の体で
もしこれがヒスイだったら。
どんな声で鳴くのだろうか、高く鳴くのか、低く鳴くのか。
夜の食事ではあまり元気がなかった。
私の顔を見るなり照れていた。
おでこにキス、そんなに変だったのだろうか。

マーガレットは喜んでキスを返してくれたが……。
ああ、ヒスイを抱く日はいつくるのか。


「ああ// もう陛下私に集中してください」
「バレたか」
苦笑して夜の営みを終えた。

資料整理に執務室にいるとザスールがきた。
「どうした?」

「陛下少しお休みになられてはいかがですか?」
「それはザスールもだろ」

「私は陛下が眠るまでお側にお仕えします」
「ハハっなぁいつヒスイを抱く日は来るのだろうな」


「そうですね、モアΩ研究施設からはモアが発動するには愛する者が傍にいるときと伺っています、今はまだ……ヒスイ様との戯れはないと思いますし、もしモアになったとしてαである、あなたの体が持つか心配です」
「私は100人殺しの男だが」

「関係ありません、本にはΩによってα本来の能力が目覚め、番にするまで暴走してしまうとあります」
「暴走か……それほどまでにいい匂いになるのだろうな」
「そうだと思われます、今も少し匂いますよね」
「ザスールもか、私もだ甘い採れたての果実の匂いがした、でもモアになればその匂いは100倍、いや1000倍かもしれない」
「はい、番になる際はどこか違うところでのほうがいいかもしれません」


「うん」
「それと陛下は男の体は初めてなのですよね?」
「そうだ」

「よろしいのですか?」
「なにがだ?」
「迷われていたじゃないですか」
「あーうん、まぁでもヒスイなら抱けるかなって今日確信した」
「なら襲ってみます?」
「モアになってなくてもいいのか?」
「問題ないと思いますよ、むしろ馴れさせておいたほうがよいかと」
「そうとなれば体力温存して、寝るか」と話をつけ私は寝室に入った。


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