上 下
36 / 50
ロック王国物語編

Episode.13

しおりを挟む
誰だろう、さすがにオスカル侯爵じゃないよね?

扉の前にたち
「どなたでしょうか?」
と声をかける。ユーリに知らない人に簡単にドアは開けてはならないよと言われていたので
ドア越しで相手を確認する。


「こちらにユーリ・モントレーという者はいらっしゃるかな?」
「ユーリはこちらの主ですが、どのようなご用でしょうか」


「私オスカル侯爵殿の従者をしております、ユーリ殿に少し我が家にお招きしたく足を運びました」


……。 オスカル侯爵……。どうしよ。

「申し訳ないのですが、ユーリは現在不在中につき……」
ガチャっとドアが開いた。

「え?」

「眉目秀麗……おっと、失礼。あなたはここのなんですか?」
「……あの、なぜ勝手に開けられたのですか?」
従者と言っていた男の後ろにはもう1人男がいた。


「質問に答えなさい」
ビリっとなにかが体の外側を走った。

これはαの圧だ。


「わた……私……僕は」
唇を噛みどうにか圧に耐える。

「ここの専業主夫をしています」
さすがの従者ともう1人の男は目を見開き驚いた様子だった。

「そうか、そうか、いい顔だ」
ゾクッとなにか悪寒を感じだ。
喋ったのは後ろにいた男だ。

「少しあなたにはついてきてもらいます」
「……なぜ……ですか?」


この悪寒は奴隷としていた時の冷たい縛りだ。
怖い、ユーリ。


「ついてこられないのであれば力尽くであなたを誘拐しますよ」と言ってきた。

「ああ、それともこちらのほうが効果的かな」
「?」

耳元で囁かれる
「鑑賞用Ωのネリ様」
ドックンと心臓が跳ねた。

「……まさか……僕を探しに……」
後ずさり男を家にあげてしまう。


「ええ、まぁそれもありますが」
「あの、マロン様?」

!?
男に腕を捕られながら振り向き

ダメだ、ここで出てきては
「お、お客様がいらっしゃるからヨハンたちはここにいなさい、少し出てくるから」
「わ、分かりました」


「あの者達はΩですね、まわしてもいいのですよ」
「やめてください、用があるのは私だけなのでしょ?」
キッっと睨み付ける。
「ほぉー強気ですね」

馬車に乗せられた。


その間も男に服の上から体を触られたが意識しないようにした。


馬車は大きな屋敷についた。
「こちらにお着替えください」
「私は言いなりに来たのではありません」

「そうですか、では戻ってあの汚いΩを賊にでも襲わせましょうか」
!?

「先ほども申したが用があるのは私なのでしょ?」

「はい、では言うこと聞けますよね?」


……。
人質にヨハンたちがいるってことか、僕が言うことを聞けば。
「はい」


服を脱ぎ、白く薄い布を羽織った。
これは鑑賞用Ω用の服だ。

僕を捕まえに来たのであればこんなことをしなくてもいい気がするのだが。

「ああ、これは美しい、まるで天使ですね」

入ってきたのは馬車で隣にいた、男だった。
つまりこいつがオスカル侯爵だ。


こちらにきて大きな手が顔を撫でそのまま上半身を触り下半身に手が伸び
布の上から優しく性器を触る。

……感じたら終わりだ。


「おやおや、無反応ですか、可愛いくないですね」

「探していたわりに報告はしなくてもよいのですか?」
「ああ、バッハウ様ですか」
久しぶりに聞いた、元主の名前。


「それよりも私は君を味わいたい、それだけだよ」

……。僕だけだったらこんなやつ殴って蹴り飛ばして逃げれるんだけどユーリが家にいないなか、あの子達が襲われるのは許せない。


「さてベッドに行こうか」
と誘われ仰向けで寝ると布の上から再度触り直し突起した乳首にむしゃぶりついてきた。
無反応……無反応……無……無。


しかし男の手にはドロッとしたものがつけられ嫌でも呼吸が苦しくなる。

「ふっふっ……」

3年ぶりに男に乗っかられている。
こんな想いも嫌だし、今まで自由にしてきてた分が返ってきたのかもしれない。


Ωは奴隷の価値しかない。

その中でもモアΩや僕のような鑑賞用Ωはαに特別扱いを受けてきた。

だがすることは奴隷とさほど変わらない。

モアΩなら子を作らせるために妊娠させ、鑑賞用Ωはその名の通り囲われる運命なのだ。


だがら僕はバッハウの屋敷から逃げ出した。
雪の中転げ落ちるように必死に逃げた、でも途中で倒れて気がついたらすでに牢屋だった。
バッハウの元に帰らなかっただけでよかったけど、でも結局奴隷として男たちに弄ばれた。

特に顔が整っていて綺麗ということもあり見世物として豪華なパーティーの飾り付けだった。


そんな生活はもうしたくない。

売られた先はユーリの元で今後βとして生きなさいと言われた時は嬉しかった。
僕がここで生活してもいいことを認められた気がして。


だから、ここで諦めない。
僕は僕の自由を手に入れる。


「薬効いてきたようだな」
やはりこれ……力入らない。

ぐたっとしていると目の前にはオスカルの性器があり咥えるように命令された。


毛むくじゃらで顔が埋まり喉奥を突かれてはゆっくり動きの繰り返しをされた。


後ろの蕾みに指が入れられ中を拡げられるが
「なんだ、新しい主とはそういうことをしていないのか?」

僕は答えなかった。

「つまり処女穴だな」
にやりと奇妙な笑みを浮かべている男がいた。

ひっ……。


「ゆっくりじっくりしようと思ったが処女穴か、珍しいな」
オスカルは性器を取り出すと後ろに座り手で拡げた。
「かはっ……ゴホゴホ……」

「あうっ……」ダメだ反応したら。


親指で押し開くように中を見ていた。
「美しい、ピンクの穴だ、まさかここまで回復するなんて思わないよ」
ユーリに触られなかった3年間がまさかこんなことになるなんて僕は思いもしなかった。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

真っ白ウサギの公爵令息はイケメン狼王子の溺愛する許嫁です

BL / 完結 24h.ポイント:2,250pt お気に入り:5,064

美形に溺愛されて波乱万丈な人生を送ることになる平凡の話

BL / 連載中 24h.ポイント:2,158pt お気に入り:1,046

最愛の人がいるのでさようなら

恋愛 / 完結 24h.ポイント:64,602pt お気に入り:650

【完】眼鏡の中の秘密

BL / 完結 24h.ポイント:1,308pt お気に入り:43

悪役令息だが、愛されたいとは言っていない!【書籍化決定】

BL / 連載中 24h.ポイント:5,157pt お気に入り:1,092

あなたにはもう何も奪わせない

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:48,453pt お気に入り:2,734

あみだくじで決める運命【オメガバース】

BL / 完結 24h.ポイント:497pt お気に入り:163

王妃となったアンゼリカ

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:164,863pt お気に入り:7,953

処理中です...