捨てられΩはどう生きる?

枝浬菰

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妊娠編

璃亜武と瑠衣

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綾瀬大学 バース学科


「璃亜武くん」

「瑠衣か」

たくさんの人に囲まれた背の高い一際男らしいαがいた。
正直Ωとして声をかけるのは気が引ける。


周りの連れになにかされても困るからだ。
でもこのバース学科はそういうのをしたくない、させたくない人が集まった学科なためαだったとしてもΩに対してはとても優しい、むしろ番ができてもおかしくない環境だった。


でも僕の首にはまだカラーがはめられていた。
僕はΩだ。

一昔のΩが存在するなと言われる世の中は残酷でΩが生きにくい世界だった。
それが10年もすればΩでも大学入学、就職率は高まったのだ。


だからこの大学に入ることができこうしてαと一緒に勉強をすることができるようになった。


「瑠衣、こっち」と後をついていく。


ガーデンテラスで椅子に座った。

学校の噂では僕と璃亜武くんは付き合っていることになっていた。
それは違う、僕がこのαを好きにはできないし彼には昔から気になってしょうがない人がいる。
それが僕たちの共通点の琉架くんだ。

彼は明るい性格で時々大怪我してくることもあったがみんなに優しく愛されていた。
僕も彼のことは大好きだ、それに高校生の時一度繋がったし、璃亜武くんには内緒にしてるけど
実をいうと僕が一歩リードしてるんだよな。


「ドヤ顔でどうした?」


「いや、別に」


おっと、いけないついつい璃亜武くんにドヤ顔を向けてしまった。


「話があると思ったけど違うのか?」
「ああ、あるよ、琉架くんの最新情報」
とデバイスを向けた。


「琉架……」
悲しそうなそんな表情を彼は向けていた。
αでも手に入らなかった琉架くんは今どうしているのか気になっていた。


僕の父親が経営しているセキュリティ会社で秘密裏に琉架くんの痕跡を集めていた。
彼は生きているし今は安全なところにいる、それは分かっている。


「琉架くん、元気そうだよね良かったんじゃないの?」
「うん、そうだな、琉架が無事なら俺は……」
「俺はそれでいいと思ってないんだね、告げるの彼に君の思いを?」


「ああ、俺にはすでに番がいる、そしてその番とは離れられないけど」
「運命の番だからでしょ、僕にはまだいない」

「運命の番はいいぞ」
「なんかむかつく」


「いいけど、でも俺には琉架も必要なんだ」

「……傲慢だね」
「それでもいい、琉架は俺だけのものだ」

「……本当に傲慢、じゃぁ僕は行くけど、ここの付近に琉架くんはいるみたい、探しに行くんなら平然と行くべきだね」

「ああ、瑠衣ありがとう」
「き……気持ち悪いな」

といい璃亜武の傍から離れた。


運命の番……そんな人に会ってみたいもんだ。

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