セーラーキャプチャー

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…著作権的な問題で…

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 『セーラーキャプチャー』の外回り組が帰って来た。
  三回目の遠征からの帰還。各地での成果はこの小規模地方都市にも届いて来るまでに有名になっている。それこそ、今、街中央の噴水付き公園で奏でられている吟遊詩人の詩にもなっている。一応、彼女達の活躍とやらを予習する意味も込めて聞きに来たが、何か、人がそれなりに集まってる。人気演目らしいな。ちょっと、恥ずかしい…
 …え~…そのテーマソングは何ですか?…彼女達が歌っていると…。
 …アニメの挿入歌だな。結構、昔のヤツ。サン〇イズのロボットアニメ…
 『ダ〇ラム』の『西だ、東だ』のヤツ‼題名知らない‼
 あいつら、どこの惑星で独立解放ゲリラ活動に参戦してるんだ⁈
 …でもまぁ、中味は良くある英雄譚…寒村を襲うゴブリンの集落の討伐を謳っている…何でも、他にオークやリザードマンとかの集落討伐のパターンもあるとか…隣で聞いていた聴衆の一人が教えてくれた…詩の中に、寒村の村娘が冒険者ギルドの受付で門前払いされたとか、外回り組のピンチに領主の助勢があったとあるけど…多分、この吟遊詩人、国や領主のパトロンなんだろうな…面立ちや歌声に何か品がある…あ、歌の中に魅了系の魔法が掛かってる…これって禁止されてなかった?国威掲揚的内容だから構わない?その辺はスルーか…聴衆の何人かはサクラで、ワザと人の同線を塞ぐ位置に立ち止まっていると…ついでに、旅の吟遊詩人の何割かは領主の不正や謀反を探る密偵って…第二王子⁈
「…しー…」
 いつも着ている派手な装束ではなく、生成り色で上下セットアップされていない古着に継ぎ接ぎのハンチング帽を被った第二王子が居た。はっきり言うと、解説してくれた聴衆の一人が第二王子だった。え?お忍び?
「そんな所だね」
 ええい、イケメンめ‼いたずら笑顔でウィンクなんてキュン‼とするだろ⁈
 外回り組の詩は十分程で終わり、吟遊詩人は聴衆に次の曲をリクエストしている…お代は最初に集まった段階で払っている…途中から聞いた人は石畳に置かれた楽器ケースに入れると…最初の聴衆料で充分儲かっているらしいけど、国の密偵だったら料金取らないとか、逆に領主様から料金貰って国内外の情報をある程度、流すみたい…ああ、自国や自領が良い場所だって自国民や領民に言い触らしたいのか…
「…あ~…あの領のゴブ退治ね」
 あ、『コマンダー』さん‼お帰りなさい‼
 声を掛けて来たのは『コマンダー』さん。外回り組の総責任者で、戦闘指揮が主な役割だけど、生活態度方面も面倒見てる肝っ玉系世話好きおかん。
『家政婦』さんと一緒に買い出しですか?
「ああ…あいつは本部で『会計』に絞られてる」
 無駄遣いしたんですか?
「いや、各所で寄付したり報奨金があったりで…」
 …お金の出入りが激しかったと…
「それでも収支は、とんとんだったよ‼」
 『会計』さん、お金の管理には厳しいからね~。
「…こっちの世界、よっぽどの高額じゃなければ領収書なんてないから…」
 …で、何で町中に?
「え?あたしらに依頼があるんでしょ?だから迎えに来たんだけど…」
 …あ‼そうだった‼
 …と言う訳で、あたし達二人は新しい拠点である『工房』に向かう…

 …工房前に結構大型のゴーレムが座り込んでいた…いや、ゴーレムか?土色のオブジェっぽくて朽ちている感じ…いや、疲れ切った感じに見えるな…頭部は四角っぽくて、上腕、前腕に装甲付いてて、背嚢的なモノに長めの筒が…
 って、『ダ〇ラム』やないかい‼なんで、こんな所にじば…
「ストップ‼ネタバレ禁止‼」
 今更、ネタバレもあるかぁ‼
「どうだ‼この造形‼完璧だろう‼」
 おい‼『ゴーレムマスター』‼何だ⁈この『ダ〇ラム』‼
「あ、これ、頭部が操縦席だから…」
 操縦席?これ乗り込んで動かす系?
「『ガンナー』ちゃんが頑張ってるよ」
 この型にした意味は?
「え?カッコ良くない?」
 造形だけかい‼
「そんな事ない‼二重太陽、Xネ〇ラ対応の…」
 この世界のこの星系に太陽二つないし、Xネ〇ラなんて、ミ〇フスキー粒子的なレーダー攪乱粒子は存在しないし…
「備えあれば憂いなし‼」
 余計な備えは無駄って言うんだよ‼
「そうだ‼そんなモノは認めない‼」
 あ、『鍛冶師』と『錬金術師』ちゃんが声を揃えて割り込んだ。
「この世界なら、こっちだろう‼」
 と、馬に引かれた台車がこちらに向かって、ゆっくりと歩き出す…
 その台車の上に載っていたのは…
 …え~と…ダ〇バイン…?
「違う‼バ〇ンバランの秘宝だ‼」
 あ、良く見りゃ、頭部に金の紋章が…
 …って、ここは、海と陸との間にある人の魂の故郷じゃねぇぞ‼
「どっちだって、この際、問題ありません‼」
「ファンタジー世界ならこっちの造形でしょう?」
 …いや、最近のファンタジーロボット作品は結構、機械的な…
「近年の作品は参考にするな‼」
「富〇由悠季監督作品を愚弄しないで下さい‼」
 あ、いや、あたしは結構、リスペクトしてるよ?
「…嘘八百のリアリティに溺れやがって…」
 『ゴーレムマスター』さん、ちょっと黙って‼あの『サー〇イン』の素材の出所、聞き出したいんで‼無駄遣いしてるなら引き締めたいんで‼
「あ、いや…廃材やら、切れ端やらからコツコツ造ったんだけど…」
「在庫からじゃなくて、ごみ箱から使えそうなの漁ったんですよ?」
 …純廃棄物産?
「…ちょっとは、自費で…」
「でも、重量的にも体積的にも金額的にも、全体の一パーセントも使ってませんけどね」
 …で、どれだけ時間かかったの?
「え?どういう意味?」
 攻略に使えるなら、人件費としての賃金は払わなきゃ…
「そういう事?だったら…え~と…二時間くらいを一か月くらい…?」
「さすがに、休憩時間中の皆の趣味だったので細かくは…」
 あーも~‼この職人バカ共‼これ程のモン、趣味で作るな‼あんたらの事だから、ちゃんと動かせるんでしょ⁈
「そりゃ、原作通り、空も飛べりゃ、バリアも張れる‼」
「ただ、さすがにオーラじゃなくて、マナで動きますけど」
 …それだけのモノを廃材で造ったと?
「我々の腕を甘く見てもらっては困る‼」
 …息を併せて、互いの腕をクロスに組む『鍛冶師』&『錬金術師』ちゃん…あかん…混ぜたら危険な組み合わせだったのか…
「でも、何でそんなに詳しく聞くの?」
「『ゴーレムマスター』さんにはそこまで突っ込まなかったのに?」
 彼女達、『外回り組』は独立採算制を導入してるの。
「ならば、我々も、『生産組』と『攻略組』で…」
 それでも帰還したら、色々と報告しなきゃいけないんだよ?それこそ、勤怠状況から収支経緯、購入品・在庫品の使用頻度や残数管理、武具の損耗状況、各々の健康管理の経緯、新装備に関する報告、もちろん、出向先の地名、人の住んでいる場所の集落・村・街・都市名と物価・税の種類・税率・気候・天気・気温・湿度・マナ濃度、出現する魔物魔獣の分布、盗賊・山賊の出現状況や討伐依頼の有無、自警団・騎士団の戦力状況…
「分かった‼分かったから‼」
「『工房』で造ったモノの状況は、ちゃんと日報に記載します‼」
 よろしい‼
「…まぁ、私的には、あまりよろしくないんですけど…?」
 …あ、『会計』さん…見つかっちゃいけない人に見つかった…
「え?私に見つかるのが何か?」
 いえいえ‼存分にご検分下さい‼
「じゃあ、遠慮なく…」
 …そう言って、『会計』さんは、サー〇インの脚周り、背面の飛行機関、指先、頭部や操縦席に至るまで見て回り…
「このサー〇イン、稼働させた際のコストは?」
 操縦席に着座して、操縦レバーを握りつつ、『鍛冶師』&『錬金術師』ちゃんに質問。
「え?」
「いや、まだ本格的な稼働もしていないので、各パーツの消耗率は…」
 …しどろもどろな二人…
「まぁ、いいわ。これを戦線に投入する事を認めます」
 え?いいの?
「しばらくは起動実験を続けて。問題点や不具合のある個所は…まぁ、私が言わなくとも分かっていますね?それと、量産が可能かどうか、外部に発注して同等の品質を出せるかも報告してね。」
 …うわぁ。テキパキと指示を出すなぁ…
 実質、『会計』さんが『セーラーキャプチャー』の総指揮官だからなぁ。財布握っている者は強い‼
 その指示を受けて、『鍛冶師』&『錬金術師』ちゃんが『工房』に駆け出す。
「ああ、もう一つ‼」
 …と、二人の背に声を掛ける『会計』さん。
「何ですー!」
 立ち止まって、その場で答える二人。
「ビ〇バインは製作可能ですかー?」
 おい。
「…ん~…出来ない事はないですー‼」
 『鍛冶師』造れんのかよ?
「塗装は決戦バージョンでお願いできますか~?」
「『ダ〇ラム』と配色パターンが被るんで勘弁して下さ~い‼」
 そんな理由で拒否るんかい‼
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