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異世界における、趣味と『魔法少女』の扱い
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我々、『セーラーキャプチャー』内の小会議では、発言内容をメモする存在がいる。
物静かで、目立たない…いつも『会計』さんの影にいる『書記』ちゃんだ。
「ちょっと、良いですか?」
その『書記』ちゃんが『会計』さんの影から外れて、あたし『マネージャー』に語り掛けて来た。こんな時は、大抵、会議内容の確認と『作家』への符丁箇所の指示…もしくは『会計』さんに聞かれたくない内緒話なのだが…過去の事例からそうだった…特に、『会計』さんに対する惚気混じり相談は聞いてる方の精神をガリガリ削って来る…
「今回の『第一王妃』訪問の件、どこまで正直に報告します?」
良かった。『会計』さん惚気じゃなかった。
ん~…『第一王妃』の訪問は急遽だったけど、公式だったからなぁ…
「…では、『第一王妃』訪問を見た…いや、来訪の噂を聞いた程度で…」
手元のメモに『書記』ちゃんが書き足していく。
「創作パターンは、どうします?」
そこは…前回はこの辺の魔物の分布状況だっけ?
「その前は、街のグルメ情報で…その前は雑貨情報でしたね」
う~ん…符丁として使う文面はテキトーで良いって事になってるけど、あまりに突飛な内容だと、側近達に弾かれるからなぁ…
「あ~…だから、『作家』さんに釘刺しているんですね?」
いくら、文章書くのが上手くても、自分の趣味全開ではねぇ…
「…止むを得ません‼『マネージャー』さん‼『作家』さんと打ち合わせましょう‼」
え~?あれと話するのぉ~?ってか、あそこに行くのぉ~?
「あたしだって行きたくありませんけど、仕方ないじゃないですか‼」
…仕方ないんだね…?…分かった…
「いざとなったら、あたしを助けてくださいね?」
…あたしもね…
そんな事を語りつつ、あたし達は宿の一軒に向かう…『作家』が定宿にしている、ちょっと高級な宿だ…
氾濫ダンジョンと第一王妃の件もそうなのだが、第二王子に報告する際、正直に、全てを分かる様に書いてはいけないと、第二王子から注意された。何と言っても、第二王子は王族であってもあまり強い権力を持っている訳ではなく、王宮内での人脈も、純粋な第二王子派閥はごくわずかで、そう言った人々は第二王子から遠ざけられているらしい…なので、彼の側近も純粋な第二王子派閥の者ではない。そんな人物に分かる様な文章を見せてはいけないらしい。では、第二王子が直接見れば良いのでは?と思われるが、怪文書や脅迫文などが混じっている可能性がある為、まず、執事的な側近が検閲し、そう言った手紙等を弾く必要がある。だが、派遣された派閥にとって不利な文書であったり、第二王子に有利過ぎる内容だった場合は、そのまま見せずに本来の派閥に連絡し、内容を差し替える等の妨害工作を受ける事があるらしい。そして、第二王子の側近は第一王子派との事。
「第一王妃派じゃないんですか?」
第一王子はマザコンで有名だって噂、知ってる?
「ああ、そういう意味ですか」
ちなみに、第一王子の母親が第一王妃で自国公爵家からの嫁入りで、第二王子は第二王妃の母親で他国王族からの嫁入り。バリバリの人身御供な政略結婚相手だって。
「それでも、第二王子が産まれたんですから、人身御供はないのでは…」
第一王妃が王様と寝るのを嫌がったらしいから、新しい抱き枕として当てがったのか…
そんな事を話し合いながら、あたし達は『作家』の定宿に向かった。
「…いいよぉ…そのポーズ…中々、萌えるねぇ…ぐふふふふ…」
はい。異世界の中の異世界が展開されています。
何故か…いや、ある意味、必然だと思うが、『マンガ家』が『作家』と同じ部屋にいた。
こいつらの創り出す異空間に引き摺り込まれたのは『魔法少女』さんだった。
そう。『魔法少女』さん。あたしより年上の『魔法少女』さん。正確には『魔法少女』H3さん…四月生まれの『セーラーキャプチャー』の誰よりも年上の『魔法少女』さん…
「それ以上は止めてあげてください」
そうだね。『書記』ちゃん。でも言わせてほしい。
そのフリルたっぷりのキラキラ衣装どうしたの?
「変身したんだよ‼分かってんだろ⁈」
『マンガ家』には聞いてねぇんだよ⁈どうせ、お前が強要したんだろ⁈ってか、スケッチを止めろ‼『魔法少女』』さんの羞恥心が限界突破するぞ‼
「いや、彼女には、萌えをこの世界に広める為の礎になって…」
この非常時に、こっちの世界に非常識な異文化拡散を狙ってんじゃねぞ‼
「あははは…命懸けで働いてる皆には悪いと思ってるよ」
…ったく‼精密描写能力がなければ、前線に放り出すのに…‼
「…で?『作家』に用なんでしょ?」
そうだ。おい‼『作家』‼
「…悪い…今、連載用の異世界転生モノの草案を執筆中だ…」
何処に掲載するんだよ‼…ってか、連載って何だよ⁈
「…インスピレーションが降って来たのだ…天啓と言うヤツだよ…そう、神はあたしに異世界に生きる者の歓喜と苦悩を語れと仰っている…」
あたしは『作家』の描いた文面を読む。
…これの何処が異世界転生だ?思いっきり『〇しの子』のパロディじゃねぇかよ‼芸能界を異世界とか語ってんじゃねぇよ‼
「…え?そうなの?」
正気に戻ったなら、仕事だ‼
…『書記』ちゃんのメモを『作家』に手渡す。
「ふんふん…あんたらの私情は入ってないね?」
『作家』があたしにメモを見せる。『忍者』さんと一緒に潜ったからな…
…うん。問題なく、あたしが見た通りの内容だ…
「…ん~と、次の符丁は何番だっけ…?」
…と言って、『作家』がペンとインク瓶が置いてある机に向かう…
「あああ…『作家』が仕事に戻ってしまう…‼」
『マンガ家』‼お前も挿絵、描け‼
「え~?描かなきゃダメェ?」
他の派閥の交渉材料として文章より分かり易い表現が必要になるだろ?この国の高位貴族は文字の読めない奴もいるんだからな。
…と言って、今度は『マンガ家』にメモを見せる。
「…ん~…符丁、何番にしたぁ?」
「Aの十九番」
『作家』の声を聞いて『マンガ家』は自分の部屋に戻る。
…こうして、この空間は正常に戻った…
ただ、空間としては戻ったが、物体として戻っていないモノがある…
『魔法少女』さんの衣装だ。
「え?『書記』ちゃん、置いてきちゃったの?」
…『魔法少女』さんのこの姿にはつっこまないんですか…?
「…いや、いすれ、こうなると思ったから…」
実は異世界に転移する時『魔法少女』さんは自分の職能…『名前』について、女神様と激しく抗議したのだ。まぁ、確かに、『魔法少女』は職じゃなくて、キャラクター…言っちゃなんだが、『個性』だよな…え?まさかと思うけど…
「…元の世界では『魔法少女』候補だったの…」
衝撃の告白‼いや、『超能力者』だけじゃなく、『魔法少女』もいたの⁈
「ああ、それに関しては、あたしなりの仮説があるんだけど…」
何です?『会計』さん?
「あたし達って同じ世界から転移して来たって思ってない?」
実際、そうだと思いますけど?
「…もしかすると、別の似た様な世界から呼ばれたんじゃないかな?」
え…っと…SF関係…になるのかな…何だっけ?
「パラレルワールド‼」
あ、『プレジデント』さん‼それ‼
「で?何?パラレルワールドがどうかしたの?」
我々は同じ世界のパラレルワールドから来たんじゃないかって…あれ?
「ああ、なるほど。同時間軸に属する別々の並行世界から呼ばれたって事か」
うわ、『プレジデント』さん。理解した。
「能力の性質上、『超能力者』ちゃんの担当する物理因果律調整者が、別の並行世界では『魔法少女』さんが担当していたのかな?」
あああ…その辺は難しいので、後にして欲しいんですけど…
「うん。それより、気になっているんだけど…」
と言って、『プレジデント』さんが目線を外し、我々も彼女の目線を追う。
「あなた誰?」
視線を一身に受けた存在は『セーラーキャプチャー』の一員ではない。いや、セーラー服っぽい服、着てるけど‼
「ボ…私は『魔法少女』ちゃんのお供の妖精‼」
中々、可愛らしいポーズだったが…あ、『マンガ家』に強要されたポーズ?
「違うよ‼これは『魔法少女』の変身決めポーズだよ‼」
そうか、そうか…一つ、聞いて良いか?
「何だい?」
お前、男だろ?
「や、ヤダなぁ…ぼ…私は女の子の妖精だよ?」
僕って言おうとしてるよな?まぁ、別にそこは責めないが…
「え?良いの?」
我々に害がなければ…と言いかけた時、
「害しかないわ‼こんな奴‼」
今まで黙っていた『魔法少女』さん、大爆発‼
「聞いてくれ‼あたしは『魔法少女』って呼ばれてるけど、実際に前の世界で『魔法少女』やった事なんて一度もないんだ‼」
…そうなんですか…?
「…あたしが幼稚園入った頃から変なしゃべる動物的なナニカがあたしの前に現れては『魔法少女』になって‼とか言って、言い寄って来やがって…しかも、一匹だけじゃなくて徒党を組んで押し寄せて、親も先生も懐柔してくるし、終いには教育委員会にまで陳情に行きやがるし…だから、改変期には近所の保健所にメールして変な生き物を駆除してくださいって…次の改変期にはヒト型で…不審者を捕まえてって、警察に…」
…徐々に泣き崩れる『魔法少女』さんの肩を叩いたのは、そのお供の妖精だった…
「僕たちはその程度じゃ、諦めないし、死なないよ?」
『魔法少女』さんの打ちおろし式右フックの拳が、妖精の頬を地面にめり込ませた。
物静かで、目立たない…いつも『会計』さんの影にいる『書記』ちゃんだ。
「ちょっと、良いですか?」
その『書記』ちゃんが『会計』さんの影から外れて、あたし『マネージャー』に語り掛けて来た。こんな時は、大抵、会議内容の確認と『作家』への符丁箇所の指示…もしくは『会計』さんに聞かれたくない内緒話なのだが…過去の事例からそうだった…特に、『会計』さんに対する惚気混じり相談は聞いてる方の精神をガリガリ削って来る…
「今回の『第一王妃』訪問の件、どこまで正直に報告します?」
良かった。『会計』さん惚気じゃなかった。
ん~…『第一王妃』の訪問は急遽だったけど、公式だったからなぁ…
「…では、『第一王妃』訪問を見た…いや、来訪の噂を聞いた程度で…」
手元のメモに『書記』ちゃんが書き足していく。
「創作パターンは、どうします?」
そこは…前回はこの辺の魔物の分布状況だっけ?
「その前は、街のグルメ情報で…その前は雑貨情報でしたね」
う~ん…符丁として使う文面はテキトーで良いって事になってるけど、あまりに突飛な内容だと、側近達に弾かれるからなぁ…
「あ~…だから、『作家』さんに釘刺しているんですね?」
いくら、文章書くのが上手くても、自分の趣味全開ではねぇ…
「…止むを得ません‼『マネージャー』さん‼『作家』さんと打ち合わせましょう‼」
え~?あれと話するのぉ~?ってか、あそこに行くのぉ~?
「あたしだって行きたくありませんけど、仕方ないじゃないですか‼」
…仕方ないんだね…?…分かった…
「いざとなったら、あたしを助けてくださいね?」
…あたしもね…
そんな事を語りつつ、あたし達は宿の一軒に向かう…『作家』が定宿にしている、ちょっと高級な宿だ…
氾濫ダンジョンと第一王妃の件もそうなのだが、第二王子に報告する際、正直に、全てを分かる様に書いてはいけないと、第二王子から注意された。何と言っても、第二王子は王族であってもあまり強い権力を持っている訳ではなく、王宮内での人脈も、純粋な第二王子派閥はごくわずかで、そう言った人々は第二王子から遠ざけられているらしい…なので、彼の側近も純粋な第二王子派閥の者ではない。そんな人物に分かる様な文章を見せてはいけないらしい。では、第二王子が直接見れば良いのでは?と思われるが、怪文書や脅迫文などが混じっている可能性がある為、まず、執事的な側近が検閲し、そう言った手紙等を弾く必要がある。だが、派遣された派閥にとって不利な文書であったり、第二王子に有利過ぎる内容だった場合は、そのまま見せずに本来の派閥に連絡し、内容を差し替える等の妨害工作を受ける事があるらしい。そして、第二王子の側近は第一王子派との事。
「第一王妃派じゃないんですか?」
第一王子はマザコンで有名だって噂、知ってる?
「ああ、そういう意味ですか」
ちなみに、第一王子の母親が第一王妃で自国公爵家からの嫁入りで、第二王子は第二王妃の母親で他国王族からの嫁入り。バリバリの人身御供な政略結婚相手だって。
「それでも、第二王子が産まれたんですから、人身御供はないのでは…」
第一王妃が王様と寝るのを嫌がったらしいから、新しい抱き枕として当てがったのか…
そんな事を話し合いながら、あたし達は『作家』の定宿に向かった。
「…いいよぉ…そのポーズ…中々、萌えるねぇ…ぐふふふふ…」
はい。異世界の中の異世界が展開されています。
何故か…いや、ある意味、必然だと思うが、『マンガ家』が『作家』と同じ部屋にいた。
こいつらの創り出す異空間に引き摺り込まれたのは『魔法少女』さんだった。
そう。『魔法少女』さん。あたしより年上の『魔法少女』さん。正確には『魔法少女』H3さん…四月生まれの『セーラーキャプチャー』の誰よりも年上の『魔法少女』さん…
「それ以上は止めてあげてください」
そうだね。『書記』ちゃん。でも言わせてほしい。
そのフリルたっぷりのキラキラ衣装どうしたの?
「変身したんだよ‼分かってんだろ⁈」
『マンガ家』には聞いてねぇんだよ⁈どうせ、お前が強要したんだろ⁈ってか、スケッチを止めろ‼『魔法少女』』さんの羞恥心が限界突破するぞ‼
「いや、彼女には、萌えをこの世界に広める為の礎になって…」
この非常時に、こっちの世界に非常識な異文化拡散を狙ってんじゃねぞ‼
「あははは…命懸けで働いてる皆には悪いと思ってるよ」
…ったく‼精密描写能力がなければ、前線に放り出すのに…‼
「…で?『作家』に用なんでしょ?」
そうだ。おい‼『作家』‼
「…悪い…今、連載用の異世界転生モノの草案を執筆中だ…」
何処に掲載するんだよ‼…ってか、連載って何だよ⁈
「…インスピレーションが降って来たのだ…天啓と言うヤツだよ…そう、神はあたしに異世界に生きる者の歓喜と苦悩を語れと仰っている…」
あたしは『作家』の描いた文面を読む。
…これの何処が異世界転生だ?思いっきり『〇しの子』のパロディじゃねぇかよ‼芸能界を異世界とか語ってんじゃねぇよ‼
「…え?そうなの?」
正気に戻ったなら、仕事だ‼
…『書記』ちゃんのメモを『作家』に手渡す。
「ふんふん…あんたらの私情は入ってないね?」
『作家』があたしにメモを見せる。『忍者』さんと一緒に潜ったからな…
…うん。問題なく、あたしが見た通りの内容だ…
「…ん~と、次の符丁は何番だっけ…?」
…と言って、『作家』がペンとインク瓶が置いてある机に向かう…
「あああ…『作家』が仕事に戻ってしまう…‼」
『マンガ家』‼お前も挿絵、描け‼
「え~?描かなきゃダメェ?」
他の派閥の交渉材料として文章より分かり易い表現が必要になるだろ?この国の高位貴族は文字の読めない奴もいるんだからな。
…と言って、今度は『マンガ家』にメモを見せる。
「…ん~…符丁、何番にしたぁ?」
「Aの十九番」
『作家』の声を聞いて『マンガ家』は自分の部屋に戻る。
…こうして、この空間は正常に戻った…
ただ、空間としては戻ったが、物体として戻っていないモノがある…
『魔法少女』さんの衣装だ。
「え?『書記』ちゃん、置いてきちゃったの?」
…『魔法少女』さんのこの姿にはつっこまないんですか…?
「…いや、いすれ、こうなると思ったから…」
実は異世界に転移する時『魔法少女』さんは自分の職能…『名前』について、女神様と激しく抗議したのだ。まぁ、確かに、『魔法少女』は職じゃなくて、キャラクター…言っちゃなんだが、『個性』だよな…え?まさかと思うけど…
「…元の世界では『魔法少女』候補だったの…」
衝撃の告白‼いや、『超能力者』だけじゃなく、『魔法少女』もいたの⁈
「ああ、それに関しては、あたしなりの仮説があるんだけど…」
何です?『会計』さん?
「あたし達って同じ世界から転移して来たって思ってない?」
実際、そうだと思いますけど?
「…もしかすると、別の似た様な世界から呼ばれたんじゃないかな?」
え…っと…SF関係…になるのかな…何だっけ?
「パラレルワールド‼」
あ、『プレジデント』さん‼それ‼
「で?何?パラレルワールドがどうかしたの?」
我々は同じ世界のパラレルワールドから来たんじゃないかって…あれ?
「ああ、なるほど。同時間軸に属する別々の並行世界から呼ばれたって事か」
うわ、『プレジデント』さん。理解した。
「能力の性質上、『超能力者』ちゃんの担当する物理因果律調整者が、別の並行世界では『魔法少女』さんが担当していたのかな?」
あああ…その辺は難しいので、後にして欲しいんですけど…
「うん。それより、気になっているんだけど…」
と言って、『プレジデント』さんが目線を外し、我々も彼女の目線を追う。
「あなた誰?」
視線を一身に受けた存在は『セーラーキャプチャー』の一員ではない。いや、セーラー服っぽい服、着てるけど‼
「ボ…私は『魔法少女』ちゃんのお供の妖精‼」
中々、可愛らしいポーズだったが…あ、『マンガ家』に強要されたポーズ?
「違うよ‼これは『魔法少女』の変身決めポーズだよ‼」
そうか、そうか…一つ、聞いて良いか?
「何だい?」
お前、男だろ?
「や、ヤダなぁ…ぼ…私は女の子の妖精だよ?」
僕って言おうとしてるよな?まぁ、別にそこは責めないが…
「え?良いの?」
我々に害がなければ…と言いかけた時、
「害しかないわ‼こんな奴‼」
今まで黙っていた『魔法少女』さん、大爆発‼
「聞いてくれ‼あたしは『魔法少女』って呼ばれてるけど、実際に前の世界で『魔法少女』やった事なんて一度もないんだ‼」
…そうなんですか…?
「…あたしが幼稚園入った頃から変なしゃべる動物的なナニカがあたしの前に現れては『魔法少女』になって‼とか言って、言い寄って来やがって…しかも、一匹だけじゃなくて徒党を組んで押し寄せて、親も先生も懐柔してくるし、終いには教育委員会にまで陳情に行きやがるし…だから、改変期には近所の保健所にメールして変な生き物を駆除してくださいって…次の改変期にはヒト型で…不審者を捕まえてって、警察に…」
…徐々に泣き崩れる『魔法少女』さんの肩を叩いたのは、そのお供の妖精だった…
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