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乱心王子の対処法
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この前、完全攻略してダンジョン機能を停止させた件の煽りを受ける事となった。
新たな鉱山の開拓である。と言っても、新しい鉱物産出系ダンジョンの発見ではない。
既存のダンジョン内で、有用鉱物が採掘される領域へのルート開拓…早い話がショートカットルートの探索&開拓である。
依頼先はもちろん大手生産系ギルドだが、各地の小規模ギルドも交えた連名での依頼だった。何でも、原材料の供給を、潰してしまったダンジョンに依存していたらしく、今後の生産に支障が出る可能性があるらしい。現状は在庫の鉱物で何とか賄えるらしいが、緊急戦時需要確保分を使い切る前に、通常分を確保したいとの思いがあっての緊急依頼だった。こういった事態と言うのは何年かに一度起こるらしく、バカな冒険者一行がギルドの忠告も聞かずにダンジョンコアを破壊してしまう事があるらしい。まぁ、そのバカ共に話を聞くと、「悪の魔王を斃す為の協力者に依頼されたのだ‼」と至って真面目に語りやがったらしい…更なる追跡調査の結果、バカな冒険者集団はどこぞの国の王子&フィアンセ+ハーレム様一行だっととか…もちろん、厳重注意と遺憾の書状を、どこぞの国に叩き付け、どこぞの国との交易停止措置を発動させたとか…
「しかも、フィアンセは第三夫人候補まで引き連れていたとか…」
お頭の王子は頭が悪いのか?その上、ハーレムも引き連れていたって…
「何でも、王子の力の源である絶倫パゥワァを抑制するには、必要な措置だったとか」
そうか。漲り過ぎて、暴走したのか。
「それがな、元々、王子は女性に興味がなかったらしく、事態を憂慮した王様とお妃、更に第三夫人候補までもが結託して、王子に秘薬を盛ったらしい」
…で、結果がアレか…
…そう。あたしの目の前には『セーラーキャプチャー』のメンバーを口説きまくっては断られている軽薄系美青年が跳び回っている…あ、暴力はダメだからね。一応、王子だから。国際問題になるから。
「…あ、殴ってもOKだって」
みんな~、死なない程度に殴って良いよ~‼
…数分後、顔の形を変えた王子の挨拶周りが終わった…
今回は合同でのダンジョン探索となった。その上、長期に渡る探索の可能性があるとの事なので、『セーラーキャプチャー』総出での探索となった…あ、外回り組は除外で…
で、先程、あたし『マネージャー』と語っていたのは『識者』さん。この世界のあらゆる知識を取り込んでいる『生き字引』的存在。扱う知識は国家の最重要機密から嘘八百混じりのゴシップまで…情報収集に自分で動いている所は見た事ないけど…
「自然に集まってくるんです」
…何でも、彼女専用の『智の精霊』がいるらしく、こちらの指示がなくとも、あらゆる情報を寄せて来るとの事。
「…だから、役に立たない情報も入って来て…」
それでも、情報の分類が出来るのは、『魔法記憶領域』が膨大だかららしい。
この『魔法記憶領域』と言うのは、前にやった『転写』や『記録』とは違い、魔法の呪文をどれだけ覚えられるか?のマナ的領域との事で、脳の記憶領域の事ではないらしい。
彼女の場合、汎用魔法から専門分野が使う魔法、開発中の試作魔法やその果ての失敗魔法、古代に封印された究極魔法や大規模儀式魔法まで、全ての魔法を記憶しつつもなお、余りある『魔法記憶領域』を有しているらしい。ちなみに、魔法に関する記憶の総量は、全体の二パーセント程との事。
まぁ、『識者』さんには重荷かも知れないけど、あたし達的には大いに助かっている。
さて、現在、我々は空間隔絶型ダンジョンに入っている。
このダンジョンの特徴は、一定の領域の外に出ると別の領域に入れると言う事。ただし、領域から出る方向や場所によって、向かう先の領域が違うらしい。そんな状況なので、全領域の数も未だ不明で、一説には他の世界と繋がっているのでは?との見解もあったり、なかったり…いや、実際に別の世界とのゲートなのかも…まぁ、あたし達の居た世界とは違うっぽいけど…
「領域は一キロ四方って所かな…?ただ、微妙に…それこそ、一ミリもない位に境界線が膨らんでる感じかな…?」
『魔法使い』さんがマナを飛ばした反響で感じた限りではそんなカンジらしい。我々は基点となる領域中央部に隆起する『転移柱』の周囲に佇んでいた。この『転移柱』、領域ごとに形や長さが違うらしく、我々の所にあるのは直径に十センチ、高さが二メートル程の円柱で、材質は…水晶かな…?透明で向こうが湾曲して見える…
周囲は随分と開けていて、多くの人で賑わっている…前に攻略した、廃村ダンジョンもそうだけど、こんなに人がいて、ダンジョンと呼べるのか?ちゃんとした家とか建ってるし、宿っぽい看板もあるし、焼いたり煮込んだり系の食べ物の匂いも…
「空間転移系のダンジョンなら、基点周辺に街を建てる事は常識らしいな」
あ、『識者』さん、肉串、食ってる‼ズルい‼
「あああ、止めときな‼普通に高いし、味が薄い‼」
そうなんですか?
「いわば、ダンジョン価格とダンジョン品質だ」
ああ、そう言えば、冒険者ギルドで説明受けたっけ…ダンジョンの中で定住商売してる所は安全確保の為に専用の護衛とか雇っているから、商品単価が高いって…
「その上、調味料系はダンジョン外で賄わなきゃいけないから、料理の味が薄くなる」
う~…でも、肉の焼ける匂ひは、抗い難い食欲を…
「じゃあ、今日の夕食は焼肉バーベキューですね」
『調理師』ちゃん‼ナイス、今日の献立‼
「ほら、ここで立ち止まっていると、他のクランに迷惑だよ‼」
おっと、ここは、まだ転移領域か。
そんな訳で、我々は、先に進む事となった。
決起集会的な事は、既に、冒険者ギルドで行っており、各クランは指定された領域からの進入を指示されている。ちなみに、あたし達とどこぞの国の王子様集団は北部中央から『薬草園』と呼ばれる領域に向かう予定。
で、あたし達の前には境界線が広がっていた…お約束…なのかは不明だが、境界線には白い霧が東西に立ち込めていて、向かう先が見えない程の濃霧の壁があった。
では、全員いますね?いない人、手を挙げて‼
「『マネージャー』、そのボケはどうかと…」
お約束だよ‼そして、王子様‼手を挙げない‼
「いや、わたしの隣に君がいない」
そんなこと言うと、夫人候補に殴られますよ。それとも、あたしに殴られたいですか?
…そんな事がありつつ、あたし達は『薬草園』に向かった…
実は今回、このダンジョンに入るのには理由があった。
それは『狭間の女神』様の依頼でもある『時空の歪み』ダンジョン攻略の予行演習。もちろん、冒険者ギルドからの強制参加と言う側面もあるが、あたしとしては、この世界に来た本来の役割を果たす義務があると思っている…まぁ、他の皆の中には、『狭間の女神』に懐疑的な者もいるし、あたし自身、彼女を全面的に信用している訳ではない。とは言え我々との能力的差は絶対なので、逆らうつもりはない。これは『セーラーキャプチャー』の総意である。
霧の壁を抜けると、一面のお花畑が広がっていた。その辺は話に聞いた通りだったが、本来、ダンジョンの管理員が駐在している筈の建物が見当たらない。
「あ、『転移柱』の形状が違う」
ほんとだ‼正式ルートの『転移柱』は正方形の角柱で一メートル位の長さなのに、六角柱で長さが百五十センチ位…『鍛冶師』ちゃんと同じくらいの高さだ‼
「じゃあ、ここは未発見の『薬草園』?」
…そうみたい…周囲の草花に採取された跡がない…
「どうします?」
…ん~…戻って、報告するか…原因の追究をするか…
「数名を戻して、報告すべきでは?」
…第一夫人候補様…我々なら、その数名を捻出できますが、そちらから何名か出せるんですか?あの暴れ種馬を制御できるんですか?
「え?そちらの人員だけで充分では…」
信用の問題なんです。戻した人員が一つのクランの人員だったら、この場の発見の名誉を独占する可能性もありますよね?そう言った疑いを持たれない為に、連絡には各クランの人員を向かわせるんです。
「攻略上の規約にはありませんよ?」
慣例と言うヤツですね。我々も先達に教わりました。
「そうなのですか」
…と言って、顎に手を置き、下を向いて唸る第一夫人候補…その間に、王子は『薬草園』の奥にハーレムの何人かを連れ込もうとしている…
「分かりました」
と、溜め息と共に、諦めの表情。
「出来ればこの手は使いたくなかったのですが…」
…そんな言葉を放つと、背嚢から一本の筒を取り出す…ソプラノリコーダー位の長さで、手に持った方が直径二センチ位の先細りの筒…吹き矢?と思った瞬間、第一夫人候補が、王子に向けて、矢を吹き付ける。
「う‼」
右首筋に命中。即座に白目を剥いて、王子様はその場に崩れ落ちる。
「これに頼りすぎると効きが悪くなるんですよね」
王子のもとに歩み寄り、矢を回収する第一夫人候補。
「お見事です」
ハーレム要員が一礼して迎える。
「何人必要です?」
憂いを打ち払った、清々しい笑みを見せる第一夫人候補。
「さ、三人は必要です‼」
『プレジデント』さんが怯えている‼あれは本物だ‼
そ、それで、王子って武器を持っていませんけど、王子の戦闘スタイルは?
「殴る蹴るのグラップル系ですね」
王族としては珍しいですね。
「全裸になりながらですが」
…あ、脱ぎやすい様に薄着なんですね?
「フィニッシュブローは一撃必中で下位の竜種を斃せますよ」
そ、それはすごいですね~…ところで、なぜ、腰をツイストしているポーズを?
「王子のフィニッシュブローのポーズです」
か、変わったポーズですね?
「ちなみに、我々は余裕でカウンター入れて、悶絶させます」
…いざと言う時、我々もやるべきでしょうか…?
新たな鉱山の開拓である。と言っても、新しい鉱物産出系ダンジョンの発見ではない。
既存のダンジョン内で、有用鉱物が採掘される領域へのルート開拓…早い話がショートカットルートの探索&開拓である。
依頼先はもちろん大手生産系ギルドだが、各地の小規模ギルドも交えた連名での依頼だった。何でも、原材料の供給を、潰してしまったダンジョンに依存していたらしく、今後の生産に支障が出る可能性があるらしい。現状は在庫の鉱物で何とか賄えるらしいが、緊急戦時需要確保分を使い切る前に、通常分を確保したいとの思いがあっての緊急依頼だった。こういった事態と言うのは何年かに一度起こるらしく、バカな冒険者一行がギルドの忠告も聞かずにダンジョンコアを破壊してしまう事があるらしい。まぁ、そのバカ共に話を聞くと、「悪の魔王を斃す為の協力者に依頼されたのだ‼」と至って真面目に語りやがったらしい…更なる追跡調査の結果、バカな冒険者集団はどこぞの国の王子&フィアンセ+ハーレム様一行だっととか…もちろん、厳重注意と遺憾の書状を、どこぞの国に叩き付け、どこぞの国との交易停止措置を発動させたとか…
「しかも、フィアンセは第三夫人候補まで引き連れていたとか…」
お頭の王子は頭が悪いのか?その上、ハーレムも引き連れていたって…
「何でも、王子の力の源である絶倫パゥワァを抑制するには、必要な措置だったとか」
そうか。漲り過ぎて、暴走したのか。
「それがな、元々、王子は女性に興味がなかったらしく、事態を憂慮した王様とお妃、更に第三夫人候補までもが結託して、王子に秘薬を盛ったらしい」
…で、結果がアレか…
…そう。あたしの目の前には『セーラーキャプチャー』のメンバーを口説きまくっては断られている軽薄系美青年が跳び回っている…あ、暴力はダメだからね。一応、王子だから。国際問題になるから。
「…あ、殴ってもOKだって」
みんな~、死なない程度に殴って良いよ~‼
…数分後、顔の形を変えた王子の挨拶周りが終わった…
今回は合同でのダンジョン探索となった。その上、長期に渡る探索の可能性があるとの事なので、『セーラーキャプチャー』総出での探索となった…あ、外回り組は除外で…
で、先程、あたし『マネージャー』と語っていたのは『識者』さん。この世界のあらゆる知識を取り込んでいる『生き字引』的存在。扱う知識は国家の最重要機密から嘘八百混じりのゴシップまで…情報収集に自分で動いている所は見た事ないけど…
「自然に集まってくるんです」
…何でも、彼女専用の『智の精霊』がいるらしく、こちらの指示がなくとも、あらゆる情報を寄せて来るとの事。
「…だから、役に立たない情報も入って来て…」
それでも、情報の分類が出来るのは、『魔法記憶領域』が膨大だかららしい。
この『魔法記憶領域』と言うのは、前にやった『転写』や『記録』とは違い、魔法の呪文をどれだけ覚えられるか?のマナ的領域との事で、脳の記憶領域の事ではないらしい。
彼女の場合、汎用魔法から専門分野が使う魔法、開発中の試作魔法やその果ての失敗魔法、古代に封印された究極魔法や大規模儀式魔法まで、全ての魔法を記憶しつつもなお、余りある『魔法記憶領域』を有しているらしい。ちなみに、魔法に関する記憶の総量は、全体の二パーセント程との事。
まぁ、『識者』さんには重荷かも知れないけど、あたし達的には大いに助かっている。
さて、現在、我々は空間隔絶型ダンジョンに入っている。
このダンジョンの特徴は、一定の領域の外に出ると別の領域に入れると言う事。ただし、領域から出る方向や場所によって、向かう先の領域が違うらしい。そんな状況なので、全領域の数も未だ不明で、一説には他の世界と繋がっているのでは?との見解もあったり、なかったり…いや、実際に別の世界とのゲートなのかも…まぁ、あたし達の居た世界とは違うっぽいけど…
「領域は一キロ四方って所かな…?ただ、微妙に…それこそ、一ミリもない位に境界線が膨らんでる感じかな…?」
『魔法使い』さんがマナを飛ばした反響で感じた限りではそんなカンジらしい。我々は基点となる領域中央部に隆起する『転移柱』の周囲に佇んでいた。この『転移柱』、領域ごとに形や長さが違うらしく、我々の所にあるのは直径に十センチ、高さが二メートル程の円柱で、材質は…水晶かな…?透明で向こうが湾曲して見える…
周囲は随分と開けていて、多くの人で賑わっている…前に攻略した、廃村ダンジョンもそうだけど、こんなに人がいて、ダンジョンと呼べるのか?ちゃんとした家とか建ってるし、宿っぽい看板もあるし、焼いたり煮込んだり系の食べ物の匂いも…
「空間転移系のダンジョンなら、基点周辺に街を建てる事は常識らしいな」
あ、『識者』さん、肉串、食ってる‼ズルい‼
「あああ、止めときな‼普通に高いし、味が薄い‼」
そうなんですか?
「いわば、ダンジョン価格とダンジョン品質だ」
ああ、そう言えば、冒険者ギルドで説明受けたっけ…ダンジョンの中で定住商売してる所は安全確保の為に専用の護衛とか雇っているから、商品単価が高いって…
「その上、調味料系はダンジョン外で賄わなきゃいけないから、料理の味が薄くなる」
う~…でも、肉の焼ける匂ひは、抗い難い食欲を…
「じゃあ、今日の夕食は焼肉バーベキューですね」
『調理師』ちゃん‼ナイス、今日の献立‼
「ほら、ここで立ち止まっていると、他のクランに迷惑だよ‼」
おっと、ここは、まだ転移領域か。
そんな訳で、我々は、先に進む事となった。
決起集会的な事は、既に、冒険者ギルドで行っており、各クランは指定された領域からの進入を指示されている。ちなみに、あたし達とどこぞの国の王子様集団は北部中央から『薬草園』と呼ばれる領域に向かう予定。
で、あたし達の前には境界線が広がっていた…お約束…なのかは不明だが、境界線には白い霧が東西に立ち込めていて、向かう先が見えない程の濃霧の壁があった。
では、全員いますね?いない人、手を挙げて‼
「『マネージャー』、そのボケはどうかと…」
お約束だよ‼そして、王子様‼手を挙げない‼
「いや、わたしの隣に君がいない」
そんなこと言うと、夫人候補に殴られますよ。それとも、あたしに殴られたいですか?
…そんな事がありつつ、あたし達は『薬草園』に向かった…
実は今回、このダンジョンに入るのには理由があった。
それは『狭間の女神』様の依頼でもある『時空の歪み』ダンジョン攻略の予行演習。もちろん、冒険者ギルドからの強制参加と言う側面もあるが、あたしとしては、この世界に来た本来の役割を果たす義務があると思っている…まぁ、他の皆の中には、『狭間の女神』に懐疑的な者もいるし、あたし自身、彼女を全面的に信用している訳ではない。とは言え我々との能力的差は絶対なので、逆らうつもりはない。これは『セーラーキャプチャー』の総意である。
霧の壁を抜けると、一面のお花畑が広がっていた。その辺は話に聞いた通りだったが、本来、ダンジョンの管理員が駐在している筈の建物が見当たらない。
「あ、『転移柱』の形状が違う」
ほんとだ‼正式ルートの『転移柱』は正方形の角柱で一メートル位の長さなのに、六角柱で長さが百五十センチ位…『鍛冶師』ちゃんと同じくらいの高さだ‼
「じゃあ、ここは未発見の『薬草園』?」
…そうみたい…周囲の草花に採取された跡がない…
「どうします?」
…ん~…戻って、報告するか…原因の追究をするか…
「数名を戻して、報告すべきでは?」
…第一夫人候補様…我々なら、その数名を捻出できますが、そちらから何名か出せるんですか?あの暴れ種馬を制御できるんですか?
「え?そちらの人員だけで充分では…」
信用の問題なんです。戻した人員が一つのクランの人員だったら、この場の発見の名誉を独占する可能性もありますよね?そう言った疑いを持たれない為に、連絡には各クランの人員を向かわせるんです。
「攻略上の規約にはありませんよ?」
慣例と言うヤツですね。我々も先達に教わりました。
「そうなのですか」
…と言って、顎に手を置き、下を向いて唸る第一夫人候補…その間に、王子は『薬草園』の奥にハーレムの何人かを連れ込もうとしている…
「分かりました」
と、溜め息と共に、諦めの表情。
「出来ればこの手は使いたくなかったのですが…」
…そんな言葉を放つと、背嚢から一本の筒を取り出す…ソプラノリコーダー位の長さで、手に持った方が直径二センチ位の先細りの筒…吹き矢?と思った瞬間、第一夫人候補が、王子に向けて、矢を吹き付ける。
「う‼」
右首筋に命中。即座に白目を剥いて、王子様はその場に崩れ落ちる。
「これに頼りすぎると効きが悪くなるんですよね」
王子のもとに歩み寄り、矢を回収する第一夫人候補。
「お見事です」
ハーレム要員が一礼して迎える。
「何人必要です?」
憂いを打ち払った、清々しい笑みを見せる第一夫人候補。
「さ、三人は必要です‼」
『プレジデント』さんが怯えている‼あれは本物だ‼
そ、それで、王子って武器を持っていませんけど、王子の戦闘スタイルは?
「殴る蹴るのグラップル系ですね」
王族としては珍しいですね。
「全裸になりながらですが」
…あ、脱ぎやすい様に薄着なんですね?
「フィニッシュブローは一撃必中で下位の竜種を斃せますよ」
そ、それはすごいですね~…ところで、なぜ、腰をツイストしているポーズを?
「王子のフィニッシュブローのポーズです」
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…いざと言う時、我々もやるべきでしょうか…?
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