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『受付』さんの心労の果て…
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『セーラーキャプチャー』の人員は総勢四十名。内十名は外回りと言う事で拠点に居るのは三十名。しかしながら全員が外の仕事をしている訳ではない。緊急時に対応できるだけの予備人員として拠点には五名程度の人員が控えている。その中には必ず『管理』系…まぁ、あたし『マネージャー』や『会計』さん、『プレジデント』さんの内の一人が残る事にしている。これは緊急依頼の対応の為と関係各所への連絡の為だ。まぁ、信用のある者が対応するのが一番だからね…
ただ、我々『管理』系を含む居残り組も、暇を持て余している訳ではない。
訓練の為に身体を動かしたり、魔法の研究をしたり、鍛冶・料理・錬金術のサポートに回ったり、地域の警邏活動に参加したり…まぁ、出来る事を出来る範囲で頑張っている。
「…なので、ウチには無駄飯喰らいはいないんです‼」
…いい歳をしたおっぱいお化けが予備人員を囲んでカードゲームに興じている…それを『会計』さんが諫めている現場に、あたしは居合わせてしまった。
「ま、待って‼この一ゲームが終わるまで…‼」
ゲームの内容は…こっちの世界に来て、あたし達が勝手に開発したオリジナル…名前はまだないが、一部では『殴り合い宇宙』と呼ばれている…決して『ファースト』三部作の三作目を揶揄した訳じゃない…ないよね?…まぁ、『遊〇王』や『ポ〇モン』カードゲームをこっちの世界のカードで出来ないか?と言った執念によって生み出されたゲームなのだが、どういう訳か、娯楽性より賭博的要素が強くなってしまったので、『ゲーム課金禁止令』を通達するハメになってしまった経緯がある中毒性の強いゲームである。
使われるカードは、こっちの世界で占いに使われるカードを元に『錬金術師』ちゃんが堅めの紙を錬成…って、良く見たらプラスチックカードを作っていた‼
「紙よりは耐久性がありますから」
…ゲーマー共の要求だったらしい…目が訴えている…
それを「鍛冶師』チームに懇願して建造させた印刷機を使用し、各種模様を印刷。更に裏表の印刷が剥離しない様に、またまた『錬金術師』ちゃんが開発した透明塗料をコーティングして、ようやく完成に至った逸品を使って、ゲームは行われている。なので、乱暴にカードを扱う『スピード』と言ったゲームは禁止。更に、曲げたり破ったりなどした場合は無期限のトイレ掃除といった厳しいルールが設けられる事となってしまった。ちなみに、カードは第二王子にも献上して、感謝の手紙と、良く分からない権利書が送られて来た…はっきり言って、迷惑なので、権利書関係は突き返したけどね…それと、このカード制作で多大な貢献を果たした『錬金術師』ちゃんはゲーム自体に全く興味を示さず、むしろ完全に距離を置いていた…
「…もう、関わりたくありません…‼」
…目の下にクマを作り、ヨレヨレになってカードを渡しに来た彼女の言葉は、あたしの胸に深く刺さる事となった…
「…分かりました…では、私が相手しますので、終ったらちゃんとギルドに出勤してくださいね?あたなが担当している冒険者からクレームが来ているそうですよ?いくら、私達の専属と言っても、私達一つのクランの専属って訳じゃないのでしょう?」
…入り浸っているからなぁ…
「ふふふ…何でも『殴り合い宇宙』の最強はあなたと聞いています…その最強を倒せば、あたしが最強と言う事ですね⁈」
…いや、『受付』さん…あなた、ウチの脳筋組にも負けているでしょ…?
「それとこれとは話が違う‼いざ、勝負‼」
…五分後、ボコボコにされた『受付』さんがテーブルに突っ伏していた…ギルドに行って、仕事して来て下さい…それと、お金を賭けていた件で、後で話があります…はい、密告です…犯人捜しは止めて下さい…見苦しいので…
ここからのト書き語りはギルドの美人『受付』で、『セーラーキャプチャー』専属のあたしが担当します‼
…しかし、『ギルドマスター』の命令と言っても、うら若き乙女の花園に潜入するってのは、中々…ってか、何だよ?あの美少女集団‼キレイ系もカワイイ系も揃っている上に隙が全く無い‼元冒険者でAクラス斥候職のあたしが手も出せない心理防壁常時展開しているってどんなスパイ集団だよ‼しかも拠点の各所には誰かの眼があって、動き回れやしない‼部屋に籠るのが精一杯だよぉ…いや、あそこに居られるだけでも褒めて欲しいよお…腹いせにそこらのダンジョン荒らし回りたい気分だよぉ…あ、心の安らぎの冒険者ギルドに到着した…『ギルドマスター』戻っているかなぁ…
「…で、太ったか?」
…『ギルドマスター』…開口一番、それですか?
「『セーラーキャプチャー』の拠点の飯は美味いか?」
止めて下さい‼そんな恨みがましい目で見ないで‼あの子たちの言う所の『針のムシロ』です‼ちなみに『ムシロ』と言うのは薄手のカーペットの事で…
「それは良い。とにかく、あそこの事を報告しろ」
あ~…はいはい…構成人員は自己申告通りで、対人、対魔物戦に特化した集団ですね…個々の能力は天井突破レベルですが、集団戦ではちょっと劣りますかねぇ…あ、対人って意味では無力化までが限界でしょうか…?
「そこは『狭間の女神』様の掛けた制約か?」
道徳的なカンジですね。自分も他人も傷つく事を嫌悪する傾向がありましたから。だからって訳じゃないですが、言葉の破壊力で心が何度も殺されますが…
「…奴らが護衛依頼を蹴っている理由はそこか…」
甘々ですけど、彼女達なら許されますね?あの花園に血生臭さは似合いません。
「ん?じゃあ、別のモンと交代するか?」
今更無理ですよ‼ただでさえ、ギルドから来ているってだけで警戒されているのに、ここで別のモノに替わったら、ギルドとの縁を切られ兼ねないですよ?
「…とか言いながら、あそこの飯の美味さに篭絡されたか?」
ギルドへの忠誠は変わりませんよ。そこは信頼してほしいですね?
「言葉だけでなら何とでも言えるぞ?」
…分かりました‼こっちの調理施設でも作れる料理のレシピ三選で構いませんか?
「…もう二品欲しい所だが、それで許してやる…」
…言っておきますが、家庭料理ですから、パーティには向きませんよ?
「異世界料理ってだけで、バカな貴族や商人共は、泣いて食い付くぞ」
その料理を教わるあたしの身にもなって下さい…刃物を持ったあのコ達に教わるのは、花嫁修業を名目にしているとは言っても、気が休まりませんよ…?…あの二人『調理師』とか言ってましたけど、この前、氾濫したダンジョンの魔物を食肉扱いしてたでしょ?遠目で見てましたけど、「タイリョウだぁ‼」とか言って、踊りながら襲って来る魔物共を嬉々として捌いてましたよ?血飛沫舞う中で笑う二人がイモの皮剝きながら同じ笑顔を見せているんですよ?何処の狂気のメルヘンですか?
「まぁいい。現状の距離感を維持しつつ、困った時にだけ手助けしてやってやれ」
困る事情なんてありますかね?
「貴族問題だな。特に古領主系だ」
領地の経営権を維持する代わりに王国に忠誠を誓った貴族ですね?
「奴らから搾り取れる税収は王国にとってはバカにならんからな」
王国創世記に潰せなかったのは痛いですねぇ…当時は高率の永年納税を確約したのに、貴族側からの強引な婚姻で税率を下げられた領地を出しちゃいましたから。
「北方では分離独立どころか、王国転覆を謀る者もいるらしいな」
彼氏追い駆けている最中に、諜報活動ですか?
「立場上、勝手に情報が集まるんだ」
知っている者なら、あなたは存在自体が脅しですからねぇ…と、口が滑りました。
「それは良くないな?滑り止めは必要か?」
いえ。お心遣いだけで結構です。コワい目で見ないで下さい。
「…で、彼女らは、この世界をどう感じている?」
生き抜けるだけの能力はありますから、結構、楽勝と思っている…様に見せ掛けて、警戒感は半端ないですね。特に人間関係的には。
「近隣住民とは仲良くやっているんだろ?」
自分達の深い事情を話す事はありません。特に個人的な部分を覗き見る事は魔法的な手段を使っても不可能ですし、話題を切り替えられて、コッチが質問攻めにされます。お陰で何度かあたしの正体を暴かれそうになりましたね。
「別にそこは明かしても良かったんだぞ?」
場所とタイミングが絶妙で…その状況で明かすと、ギルドとの関係も悪化しそうだったので、明かせませんでした。
「…察するに…魔族の姫様か?」
おそらく、あの方も『狭間の女神』様の啓示を受けたんでしょうね。魔王国内の継承争いなんて、彼女らと接触する為の口実ですよ。
「…各個に切り崩すのは無理かぁ…」
でも、一人が転べば、全員が同じ方向に転がりますよ?
「だったら、全体を転がせる案を提示するさ」
ギルドの全権限を譲るとか?
「ははは‼そこまで欲しい連中でもないし、彼女らにはその資格はないだろう‼」
まぁ、基本、冒険者ギルドの責任者は『長命種』ですからね。
「奴らの世界の定番では耳が長いらしいがな‼『マネージャー』に図鑑の耳長種を見せたら微妙な顔をしていたぞ‼」
いたいけな少女の幻想を、見事にぶち壊しましたね?美形の耳長種だって、標準ヒト族よりは数的に多いでしょうに…
「何だ?何なら、我々も耳を伸ばすか?」
今更そんな事しても、彼女らからの威厳は取り戻せませんよ。
「それはそうか‼」
…こんな感じで『セーラーキャプチャー』の報告は終わり…
あ、一応、古領主派の貴族は抑えておいてくださいね?
「分かっている。『草』を使って排除しているし、強引な手段を使うなら、大元を始末する手筈も整っている」
王家には?
「通達済みだ。もちろん、病死扱いにする様に言い含めている」
…勢力図が変わりそうですねぇ…
「そうなると、空間隔絶系のダンジョンに潜っているあの王子御一行は厄介だな」
他国の政治に干渉してきますか?
「第一印象はチャラけているが、あれで中々切れ者だ…親衛隊も負傷交代って名目で、ちょくちょく本国に戻しているし…」
…現状維持が望ましいですか…
「そう言う方向に動いてみるよ。お前は、引き続きぐーたら生活を堪能してくれ」
ちゃんと報告には戻りますよ‼他の冒険者パーティの管理もありますし‼
「あ、そうだ。どうしても気になる事が…」
…何ですか?カウンターに戻って、現場復帰したいんですけど…
「…お前、やっぱり太ったよな?」
イヤアアアアァァアア‼
ただ、我々『管理』系を含む居残り組も、暇を持て余している訳ではない。
訓練の為に身体を動かしたり、魔法の研究をしたり、鍛冶・料理・錬金術のサポートに回ったり、地域の警邏活動に参加したり…まぁ、出来る事を出来る範囲で頑張っている。
「…なので、ウチには無駄飯喰らいはいないんです‼」
…いい歳をしたおっぱいお化けが予備人員を囲んでカードゲームに興じている…それを『会計』さんが諫めている現場に、あたしは居合わせてしまった。
「ま、待って‼この一ゲームが終わるまで…‼」
ゲームの内容は…こっちの世界に来て、あたし達が勝手に開発したオリジナル…名前はまだないが、一部では『殴り合い宇宙』と呼ばれている…決して『ファースト』三部作の三作目を揶揄した訳じゃない…ないよね?…まぁ、『遊〇王』や『ポ〇モン』カードゲームをこっちの世界のカードで出来ないか?と言った執念によって生み出されたゲームなのだが、どういう訳か、娯楽性より賭博的要素が強くなってしまったので、『ゲーム課金禁止令』を通達するハメになってしまった経緯がある中毒性の強いゲームである。
使われるカードは、こっちの世界で占いに使われるカードを元に『錬金術師』ちゃんが堅めの紙を錬成…って、良く見たらプラスチックカードを作っていた‼
「紙よりは耐久性がありますから」
…ゲーマー共の要求だったらしい…目が訴えている…
それを「鍛冶師』チームに懇願して建造させた印刷機を使用し、各種模様を印刷。更に裏表の印刷が剥離しない様に、またまた『錬金術師』ちゃんが開発した透明塗料をコーティングして、ようやく完成に至った逸品を使って、ゲームは行われている。なので、乱暴にカードを扱う『スピード』と言ったゲームは禁止。更に、曲げたり破ったりなどした場合は無期限のトイレ掃除といった厳しいルールが設けられる事となってしまった。ちなみに、カードは第二王子にも献上して、感謝の手紙と、良く分からない権利書が送られて来た…はっきり言って、迷惑なので、権利書関係は突き返したけどね…それと、このカード制作で多大な貢献を果たした『錬金術師』ちゃんはゲーム自体に全く興味を示さず、むしろ完全に距離を置いていた…
「…もう、関わりたくありません…‼」
…目の下にクマを作り、ヨレヨレになってカードを渡しに来た彼女の言葉は、あたしの胸に深く刺さる事となった…
「…分かりました…では、私が相手しますので、終ったらちゃんとギルドに出勤してくださいね?あたなが担当している冒険者からクレームが来ているそうですよ?いくら、私達の専属と言っても、私達一つのクランの専属って訳じゃないのでしょう?」
…入り浸っているからなぁ…
「ふふふ…何でも『殴り合い宇宙』の最強はあなたと聞いています…その最強を倒せば、あたしが最強と言う事ですね⁈」
…いや、『受付』さん…あなた、ウチの脳筋組にも負けているでしょ…?
「それとこれとは話が違う‼いざ、勝負‼」
…五分後、ボコボコにされた『受付』さんがテーブルに突っ伏していた…ギルドに行って、仕事して来て下さい…それと、お金を賭けていた件で、後で話があります…はい、密告です…犯人捜しは止めて下さい…見苦しいので…
ここからのト書き語りはギルドの美人『受付』で、『セーラーキャプチャー』専属のあたしが担当します‼
…しかし、『ギルドマスター』の命令と言っても、うら若き乙女の花園に潜入するってのは、中々…ってか、何だよ?あの美少女集団‼キレイ系もカワイイ系も揃っている上に隙が全く無い‼元冒険者でAクラス斥候職のあたしが手も出せない心理防壁常時展開しているってどんなスパイ集団だよ‼しかも拠点の各所には誰かの眼があって、動き回れやしない‼部屋に籠るのが精一杯だよぉ…いや、あそこに居られるだけでも褒めて欲しいよお…腹いせにそこらのダンジョン荒らし回りたい気分だよぉ…あ、心の安らぎの冒険者ギルドに到着した…『ギルドマスター』戻っているかなぁ…
「…で、太ったか?」
…『ギルドマスター』…開口一番、それですか?
「『セーラーキャプチャー』の拠点の飯は美味いか?」
止めて下さい‼そんな恨みがましい目で見ないで‼あの子たちの言う所の『針のムシロ』です‼ちなみに『ムシロ』と言うのは薄手のカーペットの事で…
「それは良い。とにかく、あそこの事を報告しろ」
あ~…はいはい…構成人員は自己申告通りで、対人、対魔物戦に特化した集団ですね…個々の能力は天井突破レベルですが、集団戦ではちょっと劣りますかねぇ…あ、対人って意味では無力化までが限界でしょうか…?
「そこは『狭間の女神』様の掛けた制約か?」
道徳的なカンジですね。自分も他人も傷つく事を嫌悪する傾向がありましたから。だからって訳じゃないですが、言葉の破壊力で心が何度も殺されますが…
「…奴らが護衛依頼を蹴っている理由はそこか…」
甘々ですけど、彼女達なら許されますね?あの花園に血生臭さは似合いません。
「ん?じゃあ、別のモンと交代するか?」
今更無理ですよ‼ただでさえ、ギルドから来ているってだけで警戒されているのに、ここで別のモノに替わったら、ギルドとの縁を切られ兼ねないですよ?
「…とか言いながら、あそこの飯の美味さに篭絡されたか?」
ギルドへの忠誠は変わりませんよ。そこは信頼してほしいですね?
「言葉だけでなら何とでも言えるぞ?」
…分かりました‼こっちの調理施設でも作れる料理のレシピ三選で構いませんか?
「…もう二品欲しい所だが、それで許してやる…」
…言っておきますが、家庭料理ですから、パーティには向きませんよ?
「異世界料理ってだけで、バカな貴族や商人共は、泣いて食い付くぞ」
その料理を教わるあたしの身にもなって下さい…刃物を持ったあのコ達に教わるのは、花嫁修業を名目にしているとは言っても、気が休まりませんよ…?…あの二人『調理師』とか言ってましたけど、この前、氾濫したダンジョンの魔物を食肉扱いしてたでしょ?遠目で見てましたけど、「タイリョウだぁ‼」とか言って、踊りながら襲って来る魔物共を嬉々として捌いてましたよ?血飛沫舞う中で笑う二人がイモの皮剝きながら同じ笑顔を見せているんですよ?何処の狂気のメルヘンですか?
「まぁいい。現状の距離感を維持しつつ、困った時にだけ手助けしてやってやれ」
困る事情なんてありますかね?
「貴族問題だな。特に古領主系だ」
領地の経営権を維持する代わりに王国に忠誠を誓った貴族ですね?
「奴らから搾り取れる税収は王国にとってはバカにならんからな」
王国創世記に潰せなかったのは痛いですねぇ…当時は高率の永年納税を確約したのに、貴族側からの強引な婚姻で税率を下げられた領地を出しちゃいましたから。
「北方では分離独立どころか、王国転覆を謀る者もいるらしいな」
彼氏追い駆けている最中に、諜報活動ですか?
「立場上、勝手に情報が集まるんだ」
知っている者なら、あなたは存在自体が脅しですからねぇ…と、口が滑りました。
「それは良くないな?滑り止めは必要か?」
いえ。お心遣いだけで結構です。コワい目で見ないで下さい。
「…で、彼女らは、この世界をどう感じている?」
生き抜けるだけの能力はありますから、結構、楽勝と思っている…様に見せ掛けて、警戒感は半端ないですね。特に人間関係的には。
「近隣住民とは仲良くやっているんだろ?」
自分達の深い事情を話す事はありません。特に個人的な部分を覗き見る事は魔法的な手段を使っても不可能ですし、話題を切り替えられて、コッチが質問攻めにされます。お陰で何度かあたしの正体を暴かれそうになりましたね。
「別にそこは明かしても良かったんだぞ?」
場所とタイミングが絶妙で…その状況で明かすと、ギルドとの関係も悪化しそうだったので、明かせませんでした。
「…察するに…魔族の姫様か?」
おそらく、あの方も『狭間の女神』様の啓示を受けたんでしょうね。魔王国内の継承争いなんて、彼女らと接触する為の口実ですよ。
「…各個に切り崩すのは無理かぁ…」
でも、一人が転べば、全員が同じ方向に転がりますよ?
「だったら、全体を転がせる案を提示するさ」
ギルドの全権限を譲るとか?
「ははは‼そこまで欲しい連中でもないし、彼女らにはその資格はないだろう‼」
まぁ、基本、冒険者ギルドの責任者は『長命種』ですからね。
「奴らの世界の定番では耳が長いらしいがな‼『マネージャー』に図鑑の耳長種を見せたら微妙な顔をしていたぞ‼」
いたいけな少女の幻想を、見事にぶち壊しましたね?美形の耳長種だって、標準ヒト族よりは数的に多いでしょうに…
「何だ?何なら、我々も耳を伸ばすか?」
今更そんな事しても、彼女らからの威厳は取り戻せませんよ。
「それはそうか‼」
…こんな感じで『セーラーキャプチャー』の報告は終わり…
あ、一応、古領主派の貴族は抑えておいてくださいね?
「分かっている。『草』を使って排除しているし、強引な手段を使うなら、大元を始末する手筈も整っている」
王家には?
「通達済みだ。もちろん、病死扱いにする様に言い含めている」
…勢力図が変わりそうですねぇ…
「そうなると、空間隔絶系のダンジョンに潜っているあの王子御一行は厄介だな」
他国の政治に干渉してきますか?
「第一印象はチャラけているが、あれで中々切れ者だ…親衛隊も負傷交代って名目で、ちょくちょく本国に戻しているし…」
…現状維持が望ましいですか…
「そう言う方向に動いてみるよ。お前は、引き続きぐーたら生活を堪能してくれ」
ちゃんと報告には戻りますよ‼他の冒険者パーティの管理もありますし‼
「あ、そうだ。どうしても気になる事が…」
…何ですか?カウンターに戻って、現場復帰したいんですけど…
「…お前、やっぱり太ったよな?」
イヤアアアアァァアア‼
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