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あみぐるみの関係
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『こんにちは。近いうちに、また編みませんか?』
何度かやり取りを繰り返し、日曜日に会うことになった。待ち合わせは、またあの喫茶店だ。わかりやすくていい。
「白戸さーん!!」
前と同じように手を振り、ぴょんぴょんしている小原田さんに控えめに手を振り返した。
「こんにちは、小原田さん。」
「こんにちは、白戸さん!」
「これ、シフォンケーキです。美味しいですよ。」
私が好きなお店で買ったシフォンケーキを差し出した。
「わー!!ありがとうございます!」
目を輝かせ、ぱあっと笑顔を深める小原田さんを見て、嬉しくなった。
「白戸さんはシフォンケーキが好きなんですか?」
「いえ、ここのシフォンケーキが特別に好きなんです。」
そう、ここのお店のシフォンケーキは本当に美味しいのだ。ふわふわしっとりで、幸せな甘さが口いっぱいに広がる。
「そうなんですか!僕もそういう所ありますよ!そこは、チョコレートケーキが美味しいんです!看板メニューはモンブランなんですが…」
お菓子の話、どこのお店が美味しいか、ひとしきり花を咲かせた。小原田さんとの短いドライブは、とても楽しい。何も気負う必要がないから。
「今日は白戸さんのシフォンケーキをお茶請けにしましょう!」
うきうきと台所へ向かう後ろ姿は、本当に嬉しそうだ。
「玄関の花、変えたんですね。」
「はい!あの花は今、ベランダで日向ぼっこしてるんですよー!」
シフォンケーキと、お茶を持って小原田さんが笑って答えた。
「小原田さんは、花も好きなんですね。」
ベランダは赤やピンクなど、愛らしい花々が咲き誇っている。
「はい!見ているだけで癒されるので!」
それから、小原田さんはチューリップ畑へ行った時の写真を見せてくれた。赤や白、ピンク…愛らしいチューリップが青い空に映えて、とても美しかった。
「綺麗…」
思わず、ほおっと息をついてしまう。
「でしょう!僕も見た時は美しさに目をみはりました!」
「いいですね、チューリップ畑。こんなに綺麗だとは思いませんでした。」
ふと、小原田さんが静かなのに気付きます。いつも、もふもふぴょんぴょんしているのに。顔を上げるとぽけっと私を見ていました。
「小原田さん?どうかしましたか?」
「い、いえ、その、えーと!!あの、来年!来年、一緒に行きませんか!?」
来、年…?
「そういうのは、好きな人と行くべきですよ。いるのでしょう?」
口に出すと、つきりと刺された気がした。
無視して続けた。
「小原田さんは、好きな人のために私とあみぐるみを練習しているのですから。その目的を達成したら、元の会社の人です。」
「あみぐるみが完成したら、僕とはもう会わないのですか…?」
震える声。痛みをこらえる様な顔で言われた。でも駄目なのだ。だって、彼には好きな人がいる。
「ええ。」
「…あみぐるみ、始めましょう。今日は、手足と耳、でしたよね。」
それからというもの、必要最低限の会話で私達はあみぐるみを編んだ。小原田さんは前よりもかなり上達していた。編む速度もかなり早くなっていた。教えることは特になかった。そうして…あみぐるみは完成した。
それは、私たちの関係の終わりを意味する。
「おめでとうございます。」
「ありがとうございます。」
重い空気が流れた。最初に会った時の数倍。
「では、そろそろ帰ります。」
「送ります。」
そう言って立ち上がろうとした小原田さんを手で制した。
「明るいですから、大丈夫です。…それでは、さようなら。」
こうして、私と小原田さんの関係はあっさり途切れた。
何度かやり取りを繰り返し、日曜日に会うことになった。待ち合わせは、またあの喫茶店だ。わかりやすくていい。
「白戸さーん!!」
前と同じように手を振り、ぴょんぴょんしている小原田さんに控えめに手を振り返した。
「こんにちは、小原田さん。」
「こんにちは、白戸さん!」
「これ、シフォンケーキです。美味しいですよ。」
私が好きなお店で買ったシフォンケーキを差し出した。
「わー!!ありがとうございます!」
目を輝かせ、ぱあっと笑顔を深める小原田さんを見て、嬉しくなった。
「白戸さんはシフォンケーキが好きなんですか?」
「いえ、ここのシフォンケーキが特別に好きなんです。」
そう、ここのお店のシフォンケーキは本当に美味しいのだ。ふわふわしっとりで、幸せな甘さが口いっぱいに広がる。
「そうなんですか!僕もそういう所ありますよ!そこは、チョコレートケーキが美味しいんです!看板メニューはモンブランなんですが…」
お菓子の話、どこのお店が美味しいか、ひとしきり花を咲かせた。小原田さんとの短いドライブは、とても楽しい。何も気負う必要がないから。
「今日は白戸さんのシフォンケーキをお茶請けにしましょう!」
うきうきと台所へ向かう後ろ姿は、本当に嬉しそうだ。
「玄関の花、変えたんですね。」
「はい!あの花は今、ベランダで日向ぼっこしてるんですよー!」
シフォンケーキと、お茶を持って小原田さんが笑って答えた。
「小原田さんは、花も好きなんですね。」
ベランダは赤やピンクなど、愛らしい花々が咲き誇っている。
「はい!見ているだけで癒されるので!」
それから、小原田さんはチューリップ畑へ行った時の写真を見せてくれた。赤や白、ピンク…愛らしいチューリップが青い空に映えて、とても美しかった。
「綺麗…」
思わず、ほおっと息をついてしまう。
「でしょう!僕も見た時は美しさに目をみはりました!」
「いいですね、チューリップ畑。こんなに綺麗だとは思いませんでした。」
ふと、小原田さんが静かなのに気付きます。いつも、もふもふぴょんぴょんしているのに。顔を上げるとぽけっと私を見ていました。
「小原田さん?どうかしましたか?」
「い、いえ、その、えーと!!あの、来年!来年、一緒に行きませんか!?」
来、年…?
「そういうのは、好きな人と行くべきですよ。いるのでしょう?」
口に出すと、つきりと刺された気がした。
無視して続けた。
「小原田さんは、好きな人のために私とあみぐるみを練習しているのですから。その目的を達成したら、元の会社の人です。」
「あみぐるみが完成したら、僕とはもう会わないのですか…?」
震える声。痛みをこらえる様な顔で言われた。でも駄目なのだ。だって、彼には好きな人がいる。
「ええ。」
「…あみぐるみ、始めましょう。今日は、手足と耳、でしたよね。」
それからというもの、必要最低限の会話で私達はあみぐるみを編んだ。小原田さんは前よりもかなり上達していた。編む速度もかなり早くなっていた。教えることは特になかった。そうして…あみぐるみは完成した。
それは、私たちの関係の終わりを意味する。
「おめでとうございます。」
「ありがとうございます。」
重い空気が流れた。最初に会った時の数倍。
「では、そろそろ帰ります。」
「送ります。」
そう言って立ち上がろうとした小原田さんを手で制した。
「明るいですから、大丈夫です。…それでは、さようなら。」
こうして、私と小原田さんの関係はあっさり途切れた。
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