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16話・我慢できない

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 がっかりとうなだれたディーンが去っていってしまい、アシュリーも部屋に戻ることにした。



「お嫁さん……」



 エルナンのお父さんとお母さんのように。うーん。よくわからない。



 アシュリーにはハッキリと人として生きていくビジョンが見えているわけではなかった。



(これから、どうしていけばいいんだろう……)



 部屋の前に着いた時、反対側からエルナンが歩いてきた。



「あ……」

「アシュリー!」

「……エルナン?どうしたの?」

「これ……」



 エルナンが手に握りしめた袋のようなものを差し出した。



「……?」

アシュリーが受け取ると、それはハンカチに包まれた沢山の木の実だった。



「へーべの実だわ……!」

「覚えてる?」



 こくこくとうなずくとエルナンは嬉しそうにしている。昔もよく口げんかした後、仲直りのためにエルナンが取ってきてくれた。

 森でしか取れないアシュリーの大好物なのだ。



「森に取りに行ってくれたの?」

「うん……今まで避けちゃってごめん。オレ、アシュリーとまた仲良くやって行きたい」

「うれしい……!!」



「でも、さ、ごめん。今はここから元気吸収できないよな……ってあとから気づいてさ。厨房でお菓子にしてもらおうか?」

 エルナンが申し訳なさそうに言う。人間もへーべの実は煎って食べたりするらしいが、フェアリーの場合は種子の持つエネルギーをダイレクトに吸い込んで元気をもらえるのだ。



「ううん、このまま持ってたい。大切にするね」

 アシュリーがそう言うと、エルナンは嬉しそうにうなずいた。



 エルナンに抱きついてキスしたい……アシュリーはそう思ったが、少し離れたところにメイドが控えているのに気がついた。



(ホントだわ……ディーンの言う通り。知らない間に見られてるんだわ)



 メイドに気を取られている間にエルナンは「じゃあ」と去ってしまった。

「夕食は食べに降りてこいよ」



「うん……あとでね」





◆◆◆





 その日の夜、うんと気をつけて夜更けになってから、アシュリーはエルナンの部屋に忍び込んだ。エルナンはやっぱりサイドテーブルのライトをつけたまま眠っていた。



「エルナン……」



 声をかけてみたが、ぐっすり眠っているようだ。うっすら開いた口がなんだか可愛らしく思えた。



 アシュリーは、またこの前と同じようにエルナンのシーツの中に潜り込むと、胸にそっと抱きついてみた。



「エルナンが今はへーべの実みたい……」



 エルナンのくちびるにそっと自分のくちびるを押し当ててみた。



 チュッチュッ…..



「はぁっ……」



 そうするうちにうっすらとエルナンの目が開く。ぼーっと宙を見ているので、さらにキスしてみる。



「……えっ!?」



 ガバッとエルナンが起き上がる。



「アシュリー!いつの間に……!」



「エルナン……」

 アシュリーも起きあがり、エルナンの首に腕を回す。



「お願い……もう我慢できないの……」



 そう言うとまたくちびるを重ねる。エルナンの頭に手を回し何度もくちびるを食む。



 ちゅうっ……



 強めに食むとピクリとエルナンが反応し、応えてくれるようにくちびるを動かし始めた。するとアシュリーの中をジワジワと興奮が上ってくる。もっと、欲しい……。

 エルナンのくちびるをペロリと舐めたあと、開いた隙間から差し込んでみる。



 クイッと肩を押される。



「ぅん……!」

 アシュリーが不満そうに鼻を鳴らすと、エルナンは余裕のない顔で言った。



「アシュリー、こんな……こと、してたら、オレだって……我慢できなくなるかも」

「我慢しなくていいの」



 アシュリーは寝間着の前開きのボタンをプチプチと開くと、パサリと肩から落とした。



「……!!」

 エルナンがゴクリと唾を飲み込んで、目はアシュリーの胸に釘付けになっている。



「お願い……触って」

 アシュリーはエルナンの両手を取り、自分の胸に誘導した。



「ん…っ」

 手が当たるだけでピリピリと快感が走る。エルナンは呆然とした顔のまま、アシュリーの胸に手を当て少し指に力を入れた。



「柔らかい……」

「触られると気持ちいいの……お願い……」

「うん……」



 エルナンは両手でアシュリーの胸を包み込むようにしてやわやわと揉みしだいた。



「ん……ぁ……もっと……」

「あっ……固く、なってきた……」

「そこ、触って…..クリクリされたいの……」



 ゴクリとまたエルナンが唾を飲む。



「こう……?」

 乳首に親指をそっと押し当て、回すように動かされるとまた声が出てしまう。



「ぁん……ぁん……んんっ……」



「アシュリー……んむっ」



 アシュリーがまたエルナンの首に腕を回し、深く口付けた。



 ちゅっ……ちゅうっ……



 舌を差し入れると、エルナンも今度は絡めてくる。裸の背中を撫でられるとゾクゾクと感じるが、胸の先端がエルナンの寝間着と擦れるのが気になってくる。



「ね……エルナンも脱いで……」



 そう言うと、かぁっとエルナンの体温が上がった気がする。アシュリーは手を伸ばしエルナンのボタンを外す。エルナンはすばやく上衣を脱ぐとアシュリーにのしかかってきた。じっとりと汗をいた裸の胸を擦りつけ合いながらキスを堪能する。擦れ合う箇所が気持ちよくてたまらない。



「ん……ん……」

「アシュリー……!オレ我慢できない……っ」



 エルナンが苦しそうにアシュリーの顔を見る。



「……? エルナン……股のところになにか当たってるみたい」

 先程から下腹部に当たっている物に、アシュリーは手を伸ばした。



「ぅあっ!ダメだって……!」



 アシュリーはそれがエルナンのズボンの中身と気づいて、とても驚いた。



「これ何?? どうなってるの??」



「男はこうなるの! 興奮したら……」

 エルナンがはぁっと息をつく。



「そうなのね……すごく熱い……」

 アシュリーが撫でるとエルナンがビクッと身を震わせる。



「うぅっ……入れたい……」

 エルナンがアシュリーをぎゅむと抱きしめる。腰を擦り付けられ、あん、と声が出てしまう。



 エルナンの体がアシュリーの足を割って入る。ズボンの中身をアシュリーの股にぐいぐいと押しつけられると、強い快感が上ってきた。



「あぁんっ。そこ……っ」



 はぁっ、はあっ、はあっ



「入れたい……入れたい……」

 エルナンは息を荒くして熱に浮かされたように言う。



「どこに……? 入れて? 気持ちよくして……」



 アシュリーが耳元でそう言うと、エルナンはアシュリーの両膝を持ち上げ、下着を引き抜いた。



「あんっ」



 空気に晒され、ヒクヒクと動いてしまうアシュリーの割れ目を開くと、既に蜜が溢れていて、エルナンは釘付けになったように見ている。



ごくっ



エルナンが何度目かの唾を飲む。アシュリーも期待でドキドキしてそれだけで濡れてくる。



「触って……エルナン」



 しかし、エルナンは聞こえているのかいないのか、すぐさま自分のズボンと下着をずらし、下半身をアシュリーに押しつけてくる。



「アシュリー……」



 はぁはぁと息を荒立てながら、エルナンは固く立ち上がるペニスをアシュリーの蜜口に擦り合わせる。ぬちゅぬちゅと音を立て擦られると、アシュリーの感じる蕾にも当たってキュンキュンと快感が走る。



「あっ、あっ、気持ちいい!」

「オレも……」



 でもすぐにエルナンが動きを止めたのでアシュリーは不満げにうなる。



「ぅん…」

「無理……っ!もう入れたいっ……入れるよ……っ」



エルナンはペニスを手で持ち、アシュリーの蜜の溢れる入口にぐいっと押しつけた。



「……!?!?」

 強烈な違和感に思わず力を入れると、押し当てられたものは滑って前の蕾に強く当たってしまう。



「きゃぅん……!!」

「アシュリー、力を入れないで……!」



 何度か挑戦するも、滑っては同じことを繰り返してしまう。



「エルナン……あん……もっとゴシゴシして……」

「待って……今……」



 グイッ



 アシュリーの入口が押し開けられ、メリっと異物が侵入する。



「きゃあっ!!何……!?ンンっ……!!」

「痛い……?少し我慢できる……?」



(痛い!!これが痛み……!?!?)



「むりっ!無理~!!待って!!」

「ま……待てない……オレももう無理……」



 エルナンは涙目で腰を進めてくる。アシュリーも思わず頭上に向かって身をにじるように逃げるが、ヘッドボードに頭をぶつけてしまう。



「あっ!痛い!!」



「アシュリー……ごめ……」



 痛みが迫ってくるのは怖かったが、顔をしかめ涙目になっているエルナンを見ると、受け入れてあげたい気持ちが込み上げてくる。



「わ、分かった……!!来て!!」



 グッと目をつぶると、まぶたにエルナンのキスが降りてきたあと、腰をしっかりつかまれメリメリと体の中を貫かれた。



「いたぁあああっ!ううー!うーー!」

「もう少し……うっ……きつい……」

「まだ?まだ?いたっ痛いーー!」

「はっ、はぁっ、入った、入ったよ。全部……」

「ど、どんな感じ……?」

「ああっ……めちゃくちゃ気持ちいい……アシュリーの中……熱くてぬるぬるしてて締め付けてきて……あぁっ……すごい……」



 エルナンはアシュリーをぎゅうっと抱きしめると首筋に吸い付いた。



「ああんっ」

 そのままエルナンが腰をゆさゆさと振り始めると、摩擦でまた痛くなる。



「動いちゃだめ……っ!いたっ……ぃっ」

「勝手に動いちゃう……うっ、ごめっ」

「あっ、あっ、いたっ」



 エルナンの腰の動きが少しずつ大きく早くなるにつれ、ぐちゃぐちゃと水音が大きく響き始める。すると、痛みの向こう側からジワジワと快感がせり上がって来た。



「あっあっあっあっんっ!」

「アシュリー……ハァッハァッハァッ……!!」



グチュッグチュッグチュッ……!!



「あんっあんっやっ!やん!!あっあっ!!」

「出る……ごめっ……出るっ!あっだめだっ」



エルナンが慌てて自身をアシュリーの中から引き抜いた途端、白っぽい粘着質な液体がアシュリーのお腹の上に飛び散った。



「はぁっ……はぁっ……はぁっ……」



エルナンはどさりとアシュリーの隣に倒れ、2人の息遣いだけが部屋の中に響く。



「これ……なに……?」

「あっ、あ、触っちゃだめだ。待って……」



エルナンはすぐに体を起こすと、浴室からタオルを持ってきてアシュリーの体を拭いてくれる。



「あっ…!血が出てる」

「えっ!?どうして?」

「アシュリー、ごめん。止められなくて……痛かったろ……」

ルームランプに浮かび上がるエルナンの顔は真っ赤になっていて、眉を下げ気まずそうにしている」



「ううん、いいの。痛いっていう感覚、初めてだったからびっくりしちゃったけど……途中からすごく気持ちよかったの」



「そ、そうか……」

エルナンはさらに顔を赤らめ、そっぽを向く。



アシュリーは追い打ちをかけるように「ねぇ、もう一回入れる?」と無邪気に言った。



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