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35話・会いたい人
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ジャンがアシュリーを支えて立ち上がらせると、脱いでいなかった彼のズボンの太もものところがびっしょりと濡れてしまっていた。
「あっ!ジャン、ごめんなさい……」
「いい、どうせ雨で濡れる……今日はほとんど仕事もできないし戻って着替えるさ」
「そっか……」
「寒くなかったか?」
ジャンはアシュリーに服を着せてくれる。
「……暑いくらいだよ」
そういうと目を見合わせて笑った。
「ねぇ……雨の日はまたここでしたい……」
アシュリーがそう言うと、ジャンは一瞬、面食らったようにしていたが頷いてくれた。
「雨がおさまるのをここで待ちたいところだが、これは一日降るかもしれないな。早く屋敷に戻った方がいい。風邪をひく」
「風邪……」
アシュリーはもちろん風邪をひいたことがない。
「熱や咳が出て体がだるくなったりする病気だ。体を冷やすとよくない」
そういうと、自分のシャツを脱いでアシュリーの頭からかぶせた。
「この雨なら遠目に見られてもわからないだろう。一緒に温室まで戻ろう」
温室へ戻る坂を二人で駆け降りる。ジャンはアシュリーの速度に合わせながら一歩前を走っている。坂を下った木立の横を通りかかった時、アシュリーはジャンの腕を引いて木の陰に引っ張り込んだ。
「……アシュリー?」
驚くジャンの首に手を回す。
「あたし、風邪ひいてみたい……」
「待て。あっ」
シャツを貸したため裸だった胸に吸いつかれ、ジャンはそのまま欲望に流されてしまう。アシュリーの背中を木の幹に押し付けると、足の間に太ももを差し込みこすりつけるようにした。手を伸ばすと、先ほどの名残りで既にそこは濡れそぼっている。
「もう入れて……」
「っ!!」
二人は立ったまま木陰でまたお互いの体を堪能し、何度も快感をむさぼった。
◆◆◆
「アシュリー!?」
びしょぬれになって屋敷に戻ると、ホールにいたディーンが驚いて声をかけてきた。
「どうした?そんなに濡れて……待ってろ」
すぐに大きなタオルを持って戻ってきて頭を拭いてくれる。
「花園に行っていたのか?」
「う、うん……」
「そうか……」
アシュリーはなんとなくごまかしたが、同情のこもった目で見られると少し心苦しい。
「湯の用意をしてもらえるよう頼んでくるよ。部屋にいて」
「ありがと……」
夏とはいえ雨に打たれ続けていたので、アシュリーの体は冷え切っていて身体ががたがた震えていた。
(寒いわ……寒さも初めて……)
お湯につかったあと、ディーンが温かい飲み物、——キアネという果実を絞った甘酸っぱい飲み物を持ってきてくれた。
「それを飲んだらベッドに入っておいた方がいい。昼食は食べるか?」
「ううん、食欲ない……」
そのままアシュリーはぐっすり眠ってしまった。授業に来た先生はアシュリーの様子を聞いてその日は帰ってしまったらしい。
(ジャンのお父さんから聞いた話、伝えたかったのに……)
後で目が覚めてからアシュリーはそう思ったが、自業自得だった。そして、その夜から翌日の夕方まで高熱に浮かされることになってしまった。エルナンのお母さんやエルナンがかわるがわる様子を見に来てくれていたらしいが、ほとんど意識がなく覚えていなかった。
熱が下がって目が覚めると、エルナンが顔を覗き込んできた。
「大丈夫か?」
「うん……風邪ってすごく辛いのね……」
「なんで雨の日に花園に行ったの?」
「……んー」
「……ジャンに会いに行ったのか?」
「うん……」
エルナンは不満げにアシュリーの顔を見る。
「兄さんだけじゃダメなのか?」
「えっと……」
「オレ、兄さんなら、ってさ……」
「え?」
「……なんでもない。スープか何か食べるか?」
「うん。おなか減った……」
「待ってて」
その後もエルナンはかいがいしく世話をしてくれた。汗をかいた身体を拭く時だけはメイドを呼んで部屋を出て行ったが、なぜか顔を赤らめていた。
アシュリーはグレンにとても会いたかった。
「あっ!ジャン、ごめんなさい……」
「いい、どうせ雨で濡れる……今日はほとんど仕事もできないし戻って着替えるさ」
「そっか……」
「寒くなかったか?」
ジャンはアシュリーに服を着せてくれる。
「……暑いくらいだよ」
そういうと目を見合わせて笑った。
「ねぇ……雨の日はまたここでしたい……」
アシュリーがそう言うと、ジャンは一瞬、面食らったようにしていたが頷いてくれた。
「雨がおさまるのをここで待ちたいところだが、これは一日降るかもしれないな。早く屋敷に戻った方がいい。風邪をひく」
「風邪……」
アシュリーはもちろん風邪をひいたことがない。
「熱や咳が出て体がだるくなったりする病気だ。体を冷やすとよくない」
そういうと、自分のシャツを脱いでアシュリーの頭からかぶせた。
「この雨なら遠目に見られてもわからないだろう。一緒に温室まで戻ろう」
温室へ戻る坂を二人で駆け降りる。ジャンはアシュリーの速度に合わせながら一歩前を走っている。坂を下った木立の横を通りかかった時、アシュリーはジャンの腕を引いて木の陰に引っ張り込んだ。
「……アシュリー?」
驚くジャンの首に手を回す。
「あたし、風邪ひいてみたい……」
「待て。あっ」
シャツを貸したため裸だった胸に吸いつかれ、ジャンはそのまま欲望に流されてしまう。アシュリーの背中を木の幹に押し付けると、足の間に太ももを差し込みこすりつけるようにした。手を伸ばすと、先ほどの名残りで既にそこは濡れそぼっている。
「もう入れて……」
「っ!!」
二人は立ったまま木陰でまたお互いの体を堪能し、何度も快感をむさぼった。
◆◆◆
「アシュリー!?」
びしょぬれになって屋敷に戻ると、ホールにいたディーンが驚いて声をかけてきた。
「どうした?そんなに濡れて……待ってろ」
すぐに大きなタオルを持って戻ってきて頭を拭いてくれる。
「花園に行っていたのか?」
「う、うん……」
「そうか……」
アシュリーはなんとなくごまかしたが、同情のこもった目で見られると少し心苦しい。
「湯の用意をしてもらえるよう頼んでくるよ。部屋にいて」
「ありがと……」
夏とはいえ雨に打たれ続けていたので、アシュリーの体は冷え切っていて身体ががたがた震えていた。
(寒いわ……寒さも初めて……)
お湯につかったあと、ディーンが温かい飲み物、——キアネという果実を絞った甘酸っぱい飲み物を持ってきてくれた。
「それを飲んだらベッドに入っておいた方がいい。昼食は食べるか?」
「ううん、食欲ない……」
そのままアシュリーはぐっすり眠ってしまった。授業に来た先生はアシュリーの様子を聞いてその日は帰ってしまったらしい。
(ジャンのお父さんから聞いた話、伝えたかったのに……)
後で目が覚めてからアシュリーはそう思ったが、自業自得だった。そして、その夜から翌日の夕方まで高熱に浮かされることになってしまった。エルナンのお母さんやエルナンがかわるがわる様子を見に来てくれていたらしいが、ほとんど意識がなく覚えていなかった。
熱が下がって目が覚めると、エルナンが顔を覗き込んできた。
「大丈夫か?」
「うん……風邪ってすごく辛いのね……」
「なんで雨の日に花園に行ったの?」
「……んー」
「……ジャンに会いに行ったのか?」
「うん……」
エルナンは不満げにアシュリーの顔を見る。
「兄さんだけじゃダメなのか?」
「えっと……」
「オレ、兄さんなら、ってさ……」
「え?」
「……なんでもない。スープか何か食べるか?」
「うん。おなか減った……」
「待ってて」
その後もエルナンはかいがいしく世話をしてくれた。汗をかいた身体を拭く時だけはメイドを呼んで部屋を出て行ったが、なぜか顔を赤らめていた。
アシュリーはグレンにとても会いたかった。
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