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〈悪役王子〉と〈ヒロイン〉陰謀編
【4】アリシア・テリフィルアは夢を見る ★
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夢だと知りながら溺れた。知らない快楽を想いの糸で繕った。
仄暗い部屋にシャンデリアが輝いている。複雑なカットを施されたガラスは光を乱反射して、アリシアとフィリップの肌に煌めきをもたらす。シャンデリアは秘密の世界の月だった。
その月明かりに見守られ、アリシアとフィリップは密かに唇を重ねる。他のパーティー客の足音や話し声は、ふたりを煽る音楽だ。ここには、誰も、来られない。
『んんっ、ん』
『こちらの音は、魔法で隠しているから。もっと声を出していいよ。大丈夫』
『ふぁ、あ』
赤いベルベット生地のソファの上に、アリシアのドレスの青がふわりと広がる。白い礼服を着たフィリップはその上で、アリシアの唇を食べるように愛でていた。
化粧の紅さえ味わうように優しく唇を食み、舌を挿し込むと唇の裏をなぞる。ゆっくりと、ゆっくりと、彼はアリシアを快楽の園に連れていく。
このキスは思い出だ。本当に愛された過去だ。
『……触るよ』
『きゃ!』
フィリップの大きな手が、アリシアの胸をそっと包む。アリシアを守るためにと鍛えられた手は剣とも馴染むように硬いのに、触れる手つきはやわらかい。
『今夜のドレス姿も綺麗だよ』
『ふぅ、ぅん』
『いいよって言ってるのに、真っ赤な顔で我慢しちゃって、可愛いね。……もっと可愛い声も、聞かせて?』
『ぴゃ……! あっ、あぁ』
親指の根本の硬いところで、フィリップはアリシアの胸の先端をぐりぐりと捏ねる。長い指は膨らみを揉みつづけ、素敵な気持ちよさがアリシアの脳内をぱちぱちと弾けた。
『で、殿下、これ、だめぇっ』
『違うでしょ? ふたりきりの時は、なんて呼ぶんだっけ?』
『あっ、あ、ふぃ――』
これは、アリシアの妄想。本当のフィリップは、こんな意地悪な言い方をしない。
もっと切なそうに、悲しそうに、後悔を滲ませるように願う。アリシアの声を求める。なぜ彼がそんなふうに言うのか、アリシアにはわからない。
――呼んで、アリシア。頼む。アリシア……。
『フィリップ、さまっ!』
『うん。いい子。イっていいよ』
『はぅんっ、あぁ、あ――』
今度のキスは、アリシアの喘ぎ声まで呑み込みそうだった。舌を絡めて声を奪って、フィリップはアリシアの身体を快楽に震わせる。駄目にする。
両胸を愛でられ、キスに溺れて、アリシアの腰はふわふわと浮き上がった。その下半身はフィリップに触れそうで触れられない。まだ届かない。
現実の彼には見られてもいない、触れられたこともない、秘めやかな花はひとり蜜に濡れる。その先を期待する。
『くぅぅん――っ!』
この身体は、彼のキスと愛撫だけで果てることを知っていた。フィリップの手に、舌に、声に、彼のくれる愛に身をくねらせ、甘く鳴くことを知っていた。
『アリシア。愛してる』
これは思い出。昨晩の密室でも告げられた言葉。アリシアの大好きな言葉だ。「愛してる」は宝物。
『私も、愛しております。フィリップ様。ですが、こんな時に、こんな場所で――んあぁっ』
ここから先は、ただの妄想。
『ごめん、アリシア、我慢、できない……っ』
フィリップはアリシアのスカートをめくりあげ、下着を脱がせ、熱く滾る楔を一気に打ち込んだ。
今宵の卒業パーティーの主役たる首席卒業者が、休憩室に隠れて婚約者と交わる。許されない行為だった。夢の中では感じる必要もない背徳感がアリシアを責め、その内壁をいっそう敏感にさせる。
本当のフィリップは、きっと、こんな乱暴な真似をしない。アリシアの蜜口をほぐしてから、アリシアの声を聞いてから、きっとゆっくり挿れてくれる。
アリシアの妄想はいつもお粗末だ。その性急さが、荒っぽさが、フィリップらしくないフィリップが、これは夢だと彼女に言う。徹底的にわからせる。
『やらぁ、あぁっ、やぁあぁ!』
嫌じゃないのに嫌と鳴く。ここは夢の中だから。アリシアの言葉は彼に届かないので、こんな嘘だって吐けてしまう。
(危ない目に遭う度に、思うの。最後にキスしたあの時――私を抱いて、何度も抱いて、抱き潰してほしかった)
抱かれる感覚を知らない蜜壺が、知らない彼を締め上げる。指すら受け入れたことのない産道が、貴方との子が欲しいと強欲にも精を求める。
『アリシア、中に、出すよ……っ』
夢とは長続きしないもので、フィリップはすぐに終えてしまった。いつものことだ。
頭の中をも白く塗り潰す幻の快楽に、アリシアの夢の身体は、たかが砂糖菓子に歓喜する子どもみたいに跳ねる。いつか喉奥で味わった熱さと粘っこさが、無遠慮に膣内でほとばしる。そんな妄想に濡れている。
『すまない、アリシア。また無理をさせたな』
これは――過去だった。妄想ではなく。
アリシアの華奢な体躯に怯える彼は、アリシアを大切にしすぎてしまう。
フィリップは一国の王太子なのだ。もっと偉そうにしてもいいのにとアリシアは頬を膨らます。『そんな顔しないの』とフィリップは子どもに言い聞かせるようにアリシアの頬を撫で、ちゅっと軽やかに口づけた。
妄想の彼は乱暴に事を始めるのに、事後は本当の彼のように優しい。
『こんな時にして、ごめん』
(こんな時だからこそ、してほしかったの)
アリシアの身体に残る幸せな気だるさを、愛の証の白色を、フィリップは得意の魔法でたちまち消してしまう。彼に愛された身体に汚いところなんてひとつもないのに、『綺麗になったよ』と美しい顔で笑ってしまう。
これで夢と現実の調和がとれて、アリシアは切なさに自らの花を濡らすだけの現実に帰れるのだ。
最後に甘いキスをもらって、アリシアは夢に別れを告げる――
眠り姫のように目を覚ますと、見慣れぬ部屋だった。きらびやかな家具に、焚かれるは甘く華やかな香。そこはもう馬車や麻袋の中ではなかった。
見知らぬ大人の女性ふたりは「あら?」「起きた?」とアリシアを見下ろす。いつの間にかアリシアの体は衣服に包まれ、ベッドに横たえられていた。
(この香りは、この衣装は、ここは――)
彼女らに尋ねるまでもない。アリシアはそれらに覚えがあった。妃の閨教育のために登城した花街の娼妓も、こんな香りと衣装を纏っていたからだ。
赤く艶めいた唇で孤を描き、ふたりの娼妓は楽しげに告げる。
「ようこそ――青楼ファリィサへ」
(青楼、ファリィ、サ)
ただの侯爵令嬢なら、未来の王妃なら、決して来るはずのないところだった。順風満帆に歩んでいれば、知らないはずの世界だった。
(ああ、あの時、殿下に抱かれてしまいたかった)
夢の中で彼に責められた身体は、じんわりと未だに疼いている。フィリップと結ばれる時を夢見る身体は、こんな時でも期待する。
(殿下はご存知ないでしょう? 私は――貴方様が思うより、ずっと淫らな女なのです)
アリシアはいつも不安だった。フィリップに最後まで致されたいと望みながら、己の欲を知られることを恐れた。それは恥ずべきことだと教えられたから。
王の子のみを孕むべき妃は、彼の種を肚にいただく時でなければ、色欲を抱いてはいけないと叩き込まれてきた。彼とのキスにときめくのも、胸を揉まれて悦ぶのも、アリシアには罪だった。毒だった。
そんな妃教育の求める貞淑さは、アリシアの心を縛り、ひどく歪んだ形に育て上げた。王妃や女官たちは、彼女の心をまるで知らない。にこにこと微笑むアリシアを、ただ完璧な淑女だと思い込んでいる。
(ここは、子どもをつくる場ではないのに、ただ男と女が交わるだけの館なのに)
姐さん娼妓の話を聞き、それから浴室へと手を引かれ。彼女らと一緒に入浴しながら、アリシアはフィリップのことを想っていた。あふれた蜜が、すっかり浴槽の湯に流れてしまっても。まだ、まだ、まだ彼を。
(私は、ここに貴方様がいらっしゃって、私を抱いてくださらないかしらと願っているの。他の男が来るかもしれないのに、ここなら貴方様も致してくださるかしらと期待しているの)
アリシア・テリフィルアは夢を見る。
青楼という名の鳥籠に囚われても、なおもフィリップとの交わりを希う。
必死の想いで守ってきた、皆から期待される〝未来の王妃〟らしさを、まさにフィリップに壊されるとも知らずに。愛するひとに〝買われる娼妓〟になることの恐ろしさを知らずに。
夢見たままで、ひとつめの夜明けを迎える。
仄暗い部屋にシャンデリアが輝いている。複雑なカットを施されたガラスは光を乱反射して、アリシアとフィリップの肌に煌めきをもたらす。シャンデリアは秘密の世界の月だった。
その月明かりに見守られ、アリシアとフィリップは密かに唇を重ねる。他のパーティー客の足音や話し声は、ふたりを煽る音楽だ。ここには、誰も、来られない。
『んんっ、ん』
『こちらの音は、魔法で隠しているから。もっと声を出していいよ。大丈夫』
『ふぁ、あ』
赤いベルベット生地のソファの上に、アリシアのドレスの青がふわりと広がる。白い礼服を着たフィリップはその上で、アリシアの唇を食べるように愛でていた。
化粧の紅さえ味わうように優しく唇を食み、舌を挿し込むと唇の裏をなぞる。ゆっくりと、ゆっくりと、彼はアリシアを快楽の園に連れていく。
このキスは思い出だ。本当に愛された過去だ。
『……触るよ』
『きゃ!』
フィリップの大きな手が、アリシアの胸をそっと包む。アリシアを守るためにと鍛えられた手は剣とも馴染むように硬いのに、触れる手つきはやわらかい。
『今夜のドレス姿も綺麗だよ』
『ふぅ、ぅん』
『いいよって言ってるのに、真っ赤な顔で我慢しちゃって、可愛いね。……もっと可愛い声も、聞かせて?』
『ぴゃ……! あっ、あぁ』
親指の根本の硬いところで、フィリップはアリシアの胸の先端をぐりぐりと捏ねる。長い指は膨らみを揉みつづけ、素敵な気持ちよさがアリシアの脳内をぱちぱちと弾けた。
『で、殿下、これ、だめぇっ』
『違うでしょ? ふたりきりの時は、なんて呼ぶんだっけ?』
『あっ、あ、ふぃ――』
これは、アリシアの妄想。本当のフィリップは、こんな意地悪な言い方をしない。
もっと切なそうに、悲しそうに、後悔を滲ませるように願う。アリシアの声を求める。なぜ彼がそんなふうに言うのか、アリシアにはわからない。
――呼んで、アリシア。頼む。アリシア……。
『フィリップ、さまっ!』
『うん。いい子。イっていいよ』
『はぅんっ、あぁ、あ――』
今度のキスは、アリシアの喘ぎ声まで呑み込みそうだった。舌を絡めて声を奪って、フィリップはアリシアの身体を快楽に震わせる。駄目にする。
両胸を愛でられ、キスに溺れて、アリシアの腰はふわふわと浮き上がった。その下半身はフィリップに触れそうで触れられない。まだ届かない。
現実の彼には見られてもいない、触れられたこともない、秘めやかな花はひとり蜜に濡れる。その先を期待する。
『くぅぅん――っ!』
この身体は、彼のキスと愛撫だけで果てることを知っていた。フィリップの手に、舌に、声に、彼のくれる愛に身をくねらせ、甘く鳴くことを知っていた。
『アリシア。愛してる』
これは思い出。昨晩の密室でも告げられた言葉。アリシアの大好きな言葉だ。「愛してる」は宝物。
『私も、愛しております。フィリップ様。ですが、こんな時に、こんな場所で――んあぁっ』
ここから先は、ただの妄想。
『ごめん、アリシア、我慢、できない……っ』
フィリップはアリシアのスカートをめくりあげ、下着を脱がせ、熱く滾る楔を一気に打ち込んだ。
今宵の卒業パーティーの主役たる首席卒業者が、休憩室に隠れて婚約者と交わる。許されない行為だった。夢の中では感じる必要もない背徳感がアリシアを責め、その内壁をいっそう敏感にさせる。
本当のフィリップは、きっと、こんな乱暴な真似をしない。アリシアの蜜口をほぐしてから、アリシアの声を聞いてから、きっとゆっくり挿れてくれる。
アリシアの妄想はいつもお粗末だ。その性急さが、荒っぽさが、フィリップらしくないフィリップが、これは夢だと彼女に言う。徹底的にわからせる。
『やらぁ、あぁっ、やぁあぁ!』
嫌じゃないのに嫌と鳴く。ここは夢の中だから。アリシアの言葉は彼に届かないので、こんな嘘だって吐けてしまう。
(危ない目に遭う度に、思うの。最後にキスしたあの時――私を抱いて、何度も抱いて、抱き潰してほしかった)
抱かれる感覚を知らない蜜壺が、知らない彼を締め上げる。指すら受け入れたことのない産道が、貴方との子が欲しいと強欲にも精を求める。
『アリシア、中に、出すよ……っ』
夢とは長続きしないもので、フィリップはすぐに終えてしまった。いつものことだ。
頭の中をも白く塗り潰す幻の快楽に、アリシアの夢の身体は、たかが砂糖菓子に歓喜する子どもみたいに跳ねる。いつか喉奥で味わった熱さと粘っこさが、無遠慮に膣内でほとばしる。そんな妄想に濡れている。
『すまない、アリシア。また無理をさせたな』
これは――過去だった。妄想ではなく。
アリシアの華奢な体躯に怯える彼は、アリシアを大切にしすぎてしまう。
フィリップは一国の王太子なのだ。もっと偉そうにしてもいいのにとアリシアは頬を膨らます。『そんな顔しないの』とフィリップは子どもに言い聞かせるようにアリシアの頬を撫で、ちゅっと軽やかに口づけた。
妄想の彼は乱暴に事を始めるのに、事後は本当の彼のように優しい。
『こんな時にして、ごめん』
(こんな時だからこそ、してほしかったの)
アリシアの身体に残る幸せな気だるさを、愛の証の白色を、フィリップは得意の魔法でたちまち消してしまう。彼に愛された身体に汚いところなんてひとつもないのに、『綺麗になったよ』と美しい顔で笑ってしまう。
これで夢と現実の調和がとれて、アリシアは切なさに自らの花を濡らすだけの現実に帰れるのだ。
最後に甘いキスをもらって、アリシアは夢に別れを告げる――
眠り姫のように目を覚ますと、見慣れぬ部屋だった。きらびやかな家具に、焚かれるは甘く華やかな香。そこはもう馬車や麻袋の中ではなかった。
見知らぬ大人の女性ふたりは「あら?」「起きた?」とアリシアを見下ろす。いつの間にかアリシアの体は衣服に包まれ、ベッドに横たえられていた。
(この香りは、この衣装は、ここは――)
彼女らに尋ねるまでもない。アリシアはそれらに覚えがあった。妃の閨教育のために登城した花街の娼妓も、こんな香りと衣装を纏っていたからだ。
赤く艶めいた唇で孤を描き、ふたりの娼妓は楽しげに告げる。
「ようこそ――青楼ファリィサへ」
(青楼、ファリィ、サ)
ただの侯爵令嬢なら、未来の王妃なら、決して来るはずのないところだった。順風満帆に歩んでいれば、知らないはずの世界だった。
(ああ、あの時、殿下に抱かれてしまいたかった)
夢の中で彼に責められた身体は、じんわりと未だに疼いている。フィリップと結ばれる時を夢見る身体は、こんな時でも期待する。
(殿下はご存知ないでしょう? 私は――貴方様が思うより、ずっと淫らな女なのです)
アリシアはいつも不安だった。フィリップに最後まで致されたいと望みながら、己の欲を知られることを恐れた。それは恥ずべきことだと教えられたから。
王の子のみを孕むべき妃は、彼の種を肚にいただく時でなければ、色欲を抱いてはいけないと叩き込まれてきた。彼とのキスにときめくのも、胸を揉まれて悦ぶのも、アリシアには罪だった。毒だった。
そんな妃教育の求める貞淑さは、アリシアの心を縛り、ひどく歪んだ形に育て上げた。王妃や女官たちは、彼女の心をまるで知らない。にこにこと微笑むアリシアを、ただ完璧な淑女だと思い込んでいる。
(ここは、子どもをつくる場ではないのに、ただ男と女が交わるだけの館なのに)
姐さん娼妓の話を聞き、それから浴室へと手を引かれ。彼女らと一緒に入浴しながら、アリシアはフィリップのことを想っていた。あふれた蜜が、すっかり浴槽の湯に流れてしまっても。まだ、まだ、まだ彼を。
(私は、ここに貴方様がいらっしゃって、私を抱いてくださらないかしらと願っているの。他の男が来るかもしれないのに、ここなら貴方様も致してくださるかしらと期待しているの)
アリシア・テリフィルアは夢を見る。
青楼という名の鳥籠に囚われても、なおもフィリップとの交わりを希う。
必死の想いで守ってきた、皆から期待される〝未来の王妃〟らしさを、まさにフィリップに壊されるとも知らずに。愛するひとに〝買われる娼妓〟になることの恐ろしさを知らずに。
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