続きは第一図書室で

蒼キるり

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9.言いたいこと

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 放課後にこの人の少ない廊下を歩く事にひどく慣れているという事に今更ながら気付いた。
 慣れているというよりも、ここを歩いて第一図書室に向かうのは至極当然の事のように思えてくる。
 まだ数日しか経っていないのに。
そうだ。考えてみれば、浩也と話し始めてからも数日しか経っていない。
 なのに、昨日も今日の授業中も、もしかしたら美奈に指摘されたようにそれよりも前から浩也の事をよく考えているというのは少しだけ不思議だった。
 クラスで話す奴は居るけど、未だに放課後遊びに誘われるほど仲の良い奴もいない。だからこそこんなに第一図書室に通えるのだが、そんな俺がどうして浩也の事ばかり考えてしまうのかは考えれば考えるほど不思議な事に思えた。
 でもそれが不愉快じゃない、というのが一番不思議だった。
 考え事をしながらも第一図書室には着いてしまうもので、昨日までは平然と開けていた戸が今は開けずらい。
 いやいや、浩也はまた明日って言ってくれただろ、俺。気にせず開ければ良いんだ……多分。
 いくら人通りが少ないといっても、ここでぐだくだしていると変な目で見られてしまう。
 軽く息を吸って戸に手を掛ける。
 いつもより慎重に開けたせいか、いつもより音が小さかった。
 中を覗くと浩也はいつものように本棚の整理をしていた。だからこちらからは顔が見えなくて、浩也がいつも通りなのか怒っているのかは正直に言うと分からなかった。
「こう……」
 呼びかけてどうするんだ。
昨日みたいに整理手伝うとか言うのか?昨日の事に何も触れずに?無かったように?
 そう思ったら、口が先に動いていた。
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