続きは第一図書室で

蒼キるり

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14.どんな関係?

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 あれはどういう意味だったのだろう。
 5時間目が終わった後の休み時間にふとそう思った。
 昨日の美奈の言葉だ。
 浩也とどんな関係で居たいか。
 どうしてそんな事を聞いたのだろう。
 あの後、何度か問いかけてみたもののうまくはぐらかされてしまった。
 母によく似た苦笑いをしながらのそれは、まあ良いかと済まされないものがあって、朝からずっとふとした瞬間に思い返す。

「おい、佐武。何ぼーっとしてるんだよ」

 そんな事をしている後ろの席の奴に言われる。

「次、移動だろ。行かないのか?」

「ああ、行く行く。悪い」

 たまにはサボっちまうかとからかわれる。先生にこってりしぼられるぞと応える。
 サボったりしたら目立つだろ。ここ結構、進学校だし。
 でもそんな風に言うわけにもいかず、普通に笑ってごまかす。
 別に向こうも本気で言ってるわけじゃないから、これで良い。
 同じ場所へ行くんだから離れるのも変で、廊下までなんとなく一緒に出る。
 他のクラスメイトもちらほらと混ざり、抜けても良いけど目立つかな、どうしようかと考えている時に見知った顔を見つけ考える前にクラスメイトの輪から離れ声を掛けていた。

「浩也。三組も移動?」

 そういえば、俺も移動以外で教室から出る事はあまりないし、浩也とこんな風に廊下ですれ違う事はほとんどなかった。とは言っても全校生徒が集まる時などはもちろん見かける時もあったけど。その時は声を掛けずらいものがあるし。

「……英語。そっちは?」

 少し驚いた顔をした浩也を見て、俺は笑いながら応える。

「音楽。にしても珍しいな、すれ違うの」

「……確かに。移動は意外とあるけど」

「使う階段も色々あるしな」

 そんな風に放課後と変わらないような会話をしながら、ふと違和感を抱いた。
 いつもしているような会話と変わらないはずなのに、そうまるで普通の友達のように。
 そこまで考えて愕然とした。
 普通の友達のように浩也と接する事に違和感を抱いているという事に。
 それは、不意打ちも慣れないとなんて言う浩也の考えで、会話の途中にするキスだったり。名前を呼ばれる時に耳元で囁かれる事だったりするものが何も無い事になのかもしれない。
 それは勿論、友達ならば当然の事なのだけど……

「……良かったの?あの人達、先行ったけど」

「え?ああ、良いんだよ。別に」

 考え込んでいて咄嗟に返したのがそれだった。
 クラスメイトが残ってたら面倒だな、と思いつつも浩也に嘘は吐きたくなくて本当の事を言った。

「俺いなくても向こう気にしないと思うし」

「……ふーん」

 すぐには気づかなかったけど、さっきちょっと不機嫌だったなと不意に気づいた。それは俺が考え事をしていたからなのか、先に行ってしまったからかは分からなかったけど。

「あ、悪い。チャイム鳴るから行かないと」

「……こっちも移動だから。じゃあ、後で」

「うん、図書室で」

 そう言って別れる。
 音楽室に向かいながら、俺の頭はさっき考えた事でいっぱいだった。
俺は……浩也にどんな関係を望んでいるのだろう。
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