続きは第一図書室で

蒼キるり

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49.隠れて

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「気づかせようと新入生歓迎会で本読む羽目になるし、どうにか第一図書室に行かせようと配られた冊子に校内の地図載せてくれって姉さんに頼む羽目になるし」

「……頼んだ?」

「普通、生徒手帳に付いてるんだから冊子にまでつける必要ないでしょ。あと入ったばかりの一年が第一図書室任せてもらえるなんて姉さんに頼み込まないと無理だった」

 ……由紀先輩、弟の我儘聞きすぎですよ。

「まあ、良いや。こうやって佐武が来てくれたから」

 そう言って耳に囁く。

「……俺は佐武の恋人?だったら、本当の意味で練習は終わりだね」

 驚いて顔を上げた俺に微笑んで浩也はまたキスをした。
 これを狙っていたのかとあの言葉を思い出して、その言葉に不安がっていた自分がもう遠い事に気が付いた。


 浩也が口づけを深くしようとした時、外からぱたぱたと足音が聞こえた。
 俺が距離を取ろうとした途端、浩也が俺の腕を掴んでしゃがみ込む。
 カウンター内に隠れるよう形になった途端、ガラガラと戸が開けられた。

「あれ、田中先生いないよ。図書室に来いって言ってたよね?」

「えー、図書室って言ったよ」

 女子の二人組らしく田中先生という人に図書室に呼び出されたらしい。
 俺の腕を掴んでいた手を浩也が離して、何を思ったか唇に触れるだけのキスをしてくる。

「でもさぁ、いないじゃん」

「私に言われても知らないよ~」

 声が聞こえているというのに、浩也は幾つかキスを落として滑るように顔中にキスをしてくる。
 優しいキスを拒む事も出来ない。
 いつもみたいな深いキスではないから気にしなければ良いのに、浩也の唇が触れるたびにぴくりと震えてしまう。

「どーする?待ってる?」

「えー、ここ寒いじゃん」

 つ、と滑り落ちたキスは首にまで落ちて、ちろりと舐められると声が出そうになって、慌てて口を塞ぐ。
 ちゅ、と小さく音がしながら降りていく。
 浩也の手が首元に伸びてシャツのボタンを外される。邪魔だと言うようにネクタイまで外され、鎖骨の下辺りをきつく吸い上げられる。
 びくりと震えてしまいもう耐えられないと身をよじろうとした途端、女子の会話が変わっていく。

「ねー、ここもしかしたら第一図書室じゃない?田中先生が言ってたのは第二じゃん?」

「そうだっけ?もー、なんで二つもあるわけ?」

 ガラガラと戸が閉められ、女子生徒は歩き去って行ったらしい。
 荒くなった息を必死で整える。
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