続きは第一図書室で

蒼キるり

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50.途中まででいいから

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「……浩也」

 抗議しようとしたのに、俺に声をかけられたことで嬉しそうに笑う浩也を見て何も言えなくなる。
 先ほど口付けられたところを見ると、赤い痕が付いている。
 かぁっと頰が熱くなる。

「……直斗」

 浩也に耳元で囁かれる。

「今、名前……」

「そっちも名前で呼んでるんだから、良いでしょ」

 浩也の横顔を見ると、浩也の頰も赤くなっている。
 それがどうしようもなく嬉しくて、浩也の頭を緩く撫でる。

「……何?」

「二年前、頭撫でとけば良かったって思ったから」

 柔らかそうだと思った髪は、想像以上に柔らかい。
 撫でるだけじゃ物足りなくて、唇を寄せると浩也がぴくりと動いた。
 意趣返しとばかりに耳に囁く。

「続き、しないの?」

 浩也によって熱くなった体はもっともっとと浩也を求めている。
 この場合、俺が抱かれるのだろうかと本を思い出しながら思う。
 あんな事をすると思うと怖いし恥ずかしいけど、浩也なら良いやと思って言ったのに浩也は動こうとしない。

「浩也?」

「……無理」

「は?」

「こんな所で最後までとか絶対無理。痛いのは直斗だろ?なんで煽るような事言うんだよ、馬鹿」

「はぁ?」

 せっかく勇気を出して言ったのに、馬鹿とはなんだよ馬鹿とは。
 顔を赤くして首を振る浩也を見て、良いからと言うと良くないと言われてしまう。

「こんな所で初めてとか駄目に決まってるだろ」

「俺が良いって言ってるだろ」

「良くない。さっきから押し倒したいの我慢してるのに、なんでそんな風に言うんだよ」

 別にシたくないとか俺とじゃ出来ないじゃないのは嬉しいけど、ここまでしといてそんな事を言うのは如何なものか。
 はぁ、と小さくため息を吐いて浩也の耳に囁く。

「じゃあ、途中までで良いから。本にも載ってたやつ。やろ」

 羞恥心を我慢して言った言葉は見事浩也に命中したらしい。
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