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始まり
5【改稿】
しおりを挟むお昼はコックさんたちが作ってくれる事になったので、午後のおやつまで本を読んだりマナーのお勉強をしたりゆったりと過ごす。
今はお庭でお兄様とルカと一緒にくつろいでいるのだけれど。
「お兄様? どうして私はお兄様のお膝にいるの? 身長が低いからからかってらっしゃるのかしら?」
「うちの妖精ちゃんが頑張って美味しいもの作ってくれたから、お兄ちゃんはギュッとしてたい!」
「…いつもの事じゃないですか、フェルド様の場合は…」
「え…、だってうちの妖精ちゃんが可愛いから、ルカはギューとしたくなんないの? ぶっちゃけさぁ」
「可愛くて思う所はありますが…」
「もう少し身長が伸びて大きくなったら、やめて下さいませね?」
呆れたように私がそういうとそれはそれで可愛いと言われて、満更でもない私は、ちょっと拗ねた顔をしてお兄様の頬にキスをする。
「妖精ちゃんがいれば、お嫁さんいらないかも!」
お兄様が怪しい発言をしながら、頬ずりをされて、揉みくちゃになってる私を、助ける様にしてルカが抱き上げてくれる。
「ありがとう!」
「いいえ、フェルド様も何やらスイッチ入ってましたし…」
ほんのりと、白い肌を桃色に染めながら、ルカが言う。
「ルカも私をお膝に乗せたいですか?」
「それは……」
返答に困ったみたいに言葉に詰まる彼。昔から兄弟の様にして育ってきたから、専属の従者になる前までは、もう一人のお兄様の様に接していた。
首に手を回して「お願い」するとルカも膝に乗せてくれた。
彼も魔法の全属性を持つ為、王家に利用される危険があるからと、公爵家に隠すようにして引き取られたと、ゲームでは語られていたように思う。
確か、侯爵家の三男だっただろうか。ゲームの中の私は、王子の婚約者になったせいか天狗になっていた。ルカを父の愛人の子供として見下していた。そんな間違いを理由に彼を道具のように扱った。それで、嫌われないはずがない。
お兄様はルカの事情を知っていたから、そんな風にルカを道具のように扱う私を嫌っていた。
呪いのおかげで王子様の婚約者にならずに済み、伸び伸びと育てられたから、今の関係があるのだと思う。
「ルカお兄様のお膝落ち着く……」
推しのお膝でほっこりするとか、幸せだなぁ。
「もうお兄様と呼んじゃ駄目だといったのに…。少しの間だけだからね?」
「はぁい」
そう言って私の銀髪をサラサラ優しく撫でてくれる。
なんだかポカポカして安心出来て、眠ってしまいそう。今眠っちゃったら、ルカお兄様の脚が痺れちゃうのに…。
遠のく意識の中、大好きな声で「大好きだよ」そんな素敵な言葉を、かけられる夢を見た。
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