13 / 17
始まり
12【改稿】
しおりを挟む私はクロムを招き寄せる。抱きごたえのあるむっちりとした肉づきの良い体は温かい……。生物が生存を伝えるみたいに温かく、そしてきちんと脈打っている。疑似生命体でもちゃんと生きていると伝えるみたい…。
ただの道具でしかない、作り物だと周りには言われるかもしれない。けれど私にはクロムが生きていると感じてしまう。少しでも長く一緒にいられる様に、その思いをルカは、受け取って受け取ってくれていたんだと思う。私が泣かないように。
けれど、ルカも私と同じで守る為とはいっても、いない事にされた存在。
だからかもしれない。私のどうしようもない淋しさに、気がついてくれる。
今回もそう。取るに足らない命…、そんなものあってはいけないと思うのに…。でも、使い魔として生み出したモノはただの道具。変えのきくモノだと思われている。感じ方や反応だって、同じ子になんてならないのに。
だけど、ルカは私の気持ちをわかってくれる。それは彼も私同じ様に、淋しさを抱えているからではないのかしら…。私も彼に、何か返せているのかしら。
「魔力がなじんでからでいいのだけれど。クロムにね、お願いがあるのだけど…」
『主、お願い…。頑張る』
「食材を探してきて欲しいの。多分、この世界と違う所に、私の探す食材が見つけられると思うの。でも、自分で自次元の扉をくぐるのは、止められていて…。代わりに探してきてもらえないでしょうか? お店では買えないだろうから、他の方法を探したいの。願いの叶う場所に行けるはずだけど、魔力消費は心配だから、結晶にしてたくさん持たせるつもりなのだけど……」
本当は自分で行きたいけれど、許してもらえないから…。代わりに見てきて欲しい。試しに作った子もいたけど、魔力消費がすごい事に考えが及ばなくて、帰ってすぐに動かなくなってしまった。
その時も隠れてこっそりたくさん泣いたな…。でも、同じ失敗はしないから…! そう心に決めてクロムを作った。
『主の為になることしたい…。ボク頑張る』そう言うと、クロムは大きな翼を広げた。
「ありがとう…」
そう言うと、クロムを抱きしめる。飴玉のような色とりどりの魔力の結晶を大量に小袋に詰め。クロムに持たせる。
そうすると、スックと立ち上がったクロムは、『お遣い、あそこくぐればいい?』と確認すると迷いなくゲートをくぐって行った。
~クロム視点~
主からの初めてのお願い。『きっと上手くやって主に褒めてもらう』そのことで、ボクの頭はいっぱいだった。
主…、魔力安定してからと言っていたのに。暗い道をジャンプする様に、両足を同時に蹴り出し進んでいくと、光る場所を見つけた。
多分目的地はあそこだろう。けれど、まだかなり先に見える光。でもボクを動かす魔力はどんどん減って行く。
ボクは魔力の結晶を補給しつつ前に進んだ。
0
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる