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番外編
紅葉さんの友達 後編
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「そろそろお肉焼こうか?」
そういう樹里さんに「何か出来る事ありますか?」雪くんが、聞いている。
何もしないで座ってるのもなんだか落ち着かない気がする。
「手持ち無沙汰なら、お散歩してきたらどうかしら? 近くに湖あるよ? 詩紋が案内してもいいけど…」
「ボクも出来る…」
俺たちの様子を見て、詩紋さんとロゼくんが言う。紫雫を見るとコクリとする。
「紅葉さん、少し出てきても?」
「いいわよ~。私は子供の頃からよく来てた場所だし、少し見てくれば? でも樹里がご飯用意し始めてくれてるし、あんまり遅くなっちゃ駄目よ~」
紅葉さんは笑ってそう言うと、詩紋さんたちに「この子たちの事宜しくね」とニコリと微笑んだ。
「わかったわ!」
「まかされた……!」
二人の文鳥妖ズが言うと、4人で外に出た。
そんなに歩かない内に湖へと出た。そんなに広くはない湖のようだ。
「綺麗なもんだな…」
「私有地じゃなければ、人いっぱいいたかもだけど、樹里さんのお祖父さんの土地だったから、公になってないんだって」
俺らの顔を見ながら、詩紋さんがそう言うと、コクリとロゼくんも頷く。
「人が殆ど来ないせいか、綺麗よね…」
しみじみとした面持ちで、詩紋さんが言う。
「貴方達もきっと大変な思いしてきたのよね、きっと。紅葉さんに会えてよかったね! 私達が樹里さんに出会えたみたいに!」
「ボク……、あなた達と……、仲良くなれたら嬉しい…。」
「詩紋とも仲良くしてね! あと後でキツネやカラスの姿の時に触らせてほしいな。普通のキツネさんやカラスさんだと、お腹空いてる時とか、ご飯に見られちゃいそうで頼めてないんだ~」
「別にそれは構わないけど。俺も小さな動物餌以外で触ったことがないから、触れてみたいかも…」
俺がポツリと言うと、紫雫が言葉を続けた。
「確かに、僕たちを見るとみんな逃げちゃうからね~」
「そうだったな…。生きるのに精一杯で愛でるなんて考えも出来なかった…」
そんな事を話しながら、適当な時間に帰路へとついた。
「詩紋…。こういう風に、風景を楽しむとか…、あまり考えて生きて来なかったの。だけど、今はこういうのも悪くないなーって思うの。」
「うん………。暁さんと紫雫さんにとっても……、こういうのが楽しめていると嬉しい……」
「「案内してくれて、ありがとう!」」
俺たちがそう言うと「どういたしまして」と2人は満更でもない顔をして言った。
また樹里さんの家に戻って見ると、食事の準備ができていたみたいで、早速食事になった。
ビーフステーキには小麦粉か何かと醤油や砂糖、肉汁を加熱してトロトロにしたソースが乗っていた。それを肉に絡めて食べると肉の濃厚な旨味が口いっぱいに広がって美味しかった。
瞳を輝かせて、紫雫がサラダを口にする。
「タルタルソース! 美味しい!」
紫雫の相変わらずのマヨネーズ愛に苦笑が漏れる。
紅葉さんが口にしたのはカボチャのポタージュだった。
「自然の甘みと舌触りのマイルドさがすごく美味しいわ! 素材の味もあるのでしょうけど、樹里の腕よね! うん。雪くんもありがとう…、美味しいわ」
美味しい食事に舌鼓をうち、幸せな時間が過ぎて行った。明日は観光に連れて行ってくれるらしい。出会ったばかりだけど、樹里さんや雪くんたちとともに過ごす時間が、俺たちの宝物になる予感がする。
ステーキを食べたあと、千鶴さんが紅葉さんに近づき過ぎて、妖の木に縛り付けられていたのは、衝撃的で忘れられない思い出の1つとなった事は記しておこう。
そういう樹里さんに「何か出来る事ありますか?」雪くんが、聞いている。
何もしないで座ってるのもなんだか落ち着かない気がする。
「手持ち無沙汰なら、お散歩してきたらどうかしら? 近くに湖あるよ? 詩紋が案内してもいいけど…」
「ボクも出来る…」
俺たちの様子を見て、詩紋さんとロゼくんが言う。紫雫を見るとコクリとする。
「紅葉さん、少し出てきても?」
「いいわよ~。私は子供の頃からよく来てた場所だし、少し見てくれば? でも樹里がご飯用意し始めてくれてるし、あんまり遅くなっちゃ駄目よ~」
紅葉さんは笑ってそう言うと、詩紋さんたちに「この子たちの事宜しくね」とニコリと微笑んだ。
「わかったわ!」
「まかされた……!」
二人の文鳥妖ズが言うと、4人で外に出た。
そんなに歩かない内に湖へと出た。そんなに広くはない湖のようだ。
「綺麗なもんだな…」
「私有地じゃなければ、人いっぱいいたかもだけど、樹里さんのお祖父さんの土地だったから、公になってないんだって」
俺らの顔を見ながら、詩紋さんがそう言うと、コクリとロゼくんも頷く。
「人が殆ど来ないせいか、綺麗よね…」
しみじみとした面持ちで、詩紋さんが言う。
「貴方達もきっと大変な思いしてきたのよね、きっと。紅葉さんに会えてよかったね! 私達が樹里さんに出会えたみたいに!」
「ボク……、あなた達と……、仲良くなれたら嬉しい…。」
「詩紋とも仲良くしてね! あと後でキツネやカラスの姿の時に触らせてほしいな。普通のキツネさんやカラスさんだと、お腹空いてる時とか、ご飯に見られちゃいそうで頼めてないんだ~」
「別にそれは構わないけど。俺も小さな動物餌以外で触ったことがないから、触れてみたいかも…」
俺がポツリと言うと、紫雫が言葉を続けた。
「確かに、僕たちを見るとみんな逃げちゃうからね~」
「そうだったな…。生きるのに精一杯で愛でるなんて考えも出来なかった…」
そんな事を話しながら、適当な時間に帰路へとついた。
「詩紋…。こういう風に、風景を楽しむとか…、あまり考えて生きて来なかったの。だけど、今はこういうのも悪くないなーって思うの。」
「うん………。暁さんと紫雫さんにとっても……、こういうのが楽しめていると嬉しい……」
「「案内してくれて、ありがとう!」」
俺たちがそう言うと「どういたしまして」と2人は満更でもない顔をして言った。
また樹里さんの家に戻って見ると、食事の準備ができていたみたいで、早速食事になった。
ビーフステーキには小麦粉か何かと醤油や砂糖、肉汁を加熱してトロトロにしたソースが乗っていた。それを肉に絡めて食べると肉の濃厚な旨味が口いっぱいに広がって美味しかった。
瞳を輝かせて、紫雫がサラダを口にする。
「タルタルソース! 美味しい!」
紫雫の相変わらずのマヨネーズ愛に苦笑が漏れる。
紅葉さんが口にしたのはカボチャのポタージュだった。
「自然の甘みと舌触りのマイルドさがすごく美味しいわ! 素材の味もあるのでしょうけど、樹里の腕よね! うん。雪くんもありがとう…、美味しいわ」
美味しい食事に舌鼓をうち、幸せな時間が過ぎて行った。明日は観光に連れて行ってくれるらしい。出会ったばかりだけど、樹里さんや雪くんたちとともに過ごす時間が、俺たちの宝物になる予感がする。
ステーキを食べたあと、千鶴さんが紅葉さんに近づき過ぎて、妖の木に縛り付けられていたのは、衝撃的で忘れられない思い出の1つとなった事は記しておこう。
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