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天敵
天敵2★
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★★★
文鳥あやかしたちは、何やら黒い顔で話し合いをしている。
うん。気のせいじゃなかったみたいだ。
そういや文鳥って、あんなに可愛い顔して、鳥の性格分類表で、嫉妬深いチンピラ位置だったような……? ただのチンピラは、コザクラインコだったような気がする。
★★★
そんなどうでもいい、考え事はさておき…。
「あれが雪くんを襲ったの? ハクビシン…って、あの? 害獣指定されてる動物の……」
「ええ、僕は運が良かったんでしょうね。種への執着と僕の一族への見せしめ…、という理由がなければ、僕はひと飲みに食べられてたでしょうし…」
屈辱を思い出した様に、顔を歪める雪くん。あんなにひどい怪我して、辛そうな姿を見たあとだけに胸が痛い。
「ハクビシンが厄介なのは、雷獣に姿が似ていたとの口伝があって、その力を取り込んでしまった事にもあるのですよ。その上、行動は家族で動くか、10~20人で行動するから油断させて捉えたいところですけど…」
「警戒心は強いの? 何度も安全を確認しないと餌場に家族全員で来ないとか……」
私がそう聞くと、みんな意図がわからなかったと言う様に首を傾げる。
「そこまで興味ないので、彼らの事は確認してませんが…。どうしてですか?」
「出来るのかわからないけど……。結界にわざと穴を開けて、雷の効かない罠をはるの。あやかしの木から出した食料を、貯蔵している場所と思わせて、何度か襲わせてたら、油断して捕まえられるのかなって……。でも捕まえた後にそのハクビシンさん達を、裁いてくれる機関とかあるならお任せできるけど……」
素人考えだから、却下されるよね…と思いながら、なんとなく動物の習性から思った事を口にする。
前に拾った子猫でも、おトイレを覚えるまで、自分の匂いがついてる猫砂でないとでないと、別の場所で粗相していた事があったし…。
やはり縄張りだと安心できないと、警戒されるのかなって、思った事がポロリと口からこぼれてしまった。
それに引き取り手がいないと困るよね……。
「そこはコザクラインコの一族が、喜々として引き取ってくれそうよね。最近若い子を食料にされたと怒っていたもの」
コザクラインコ……? 野生? …じゃなくてあやかしがいるの?? でもあの鳥種ラブバードだからこその、気象の荒さがとんでもないと聞いた気が……。
うん……。私の可愛い小鳥イメージが、根こそぎ変えられる前に、踏み込んではいけないお話かもしれない。
★★★
遠い目をしながら考える。
「ねぇ、樹里ちゃん。コレあげる。埋めてみて?」
千鶴さんはそう言うと、私に種を手渡してきた。
「え? でも……」
雪くんの種で十分だし…と断ろうと口を開いた時…。
「多分…、きみなら、君の為にならあやかしの木が、望んだ効果のある布を作ってくれるんじゃないかな?」
そこまで言うと、千鶴さんは苦笑を浮かべて、言葉を続ける。
「木の意思で僕を拘束するくらいに、木に入られてるよね? 恐らく私の種で拘束具を生み出してあやかしの木の恩恵で、雷を使えなくできたらどうなると思う?」
少し不服そうな顔をしつつ、雪くんも安全に捉えられる…、そう感じたのか渋々頷いている。
「樹里さんが、千鶴叔父さんの種をと考えると嫌ですが……。その我儘で、また樹里さんをこれ以上危険に晒したくは、ありませんからね……」
「千鶴叔父さんだからね…。詩紋もなんかわかるかも……」
「……樹里さんの方が大事……」
そう言うと子供姿の3人は、それぞれ溜息をつき、切り替えたみたいに、どこが罠に適しているのか、そんな話をし始めた。種を受け取ることは確定しているみたい。
私は仕方なく、千鶴さんの種を受け取るしか出来なかった……。
文鳥あやかしたちは、何やら黒い顔で話し合いをしている。
うん。気のせいじゃなかったみたいだ。
そういや文鳥って、あんなに可愛い顔して、鳥の性格分類表で、嫉妬深いチンピラ位置だったような……? ただのチンピラは、コザクラインコだったような気がする。
★★★
そんなどうでもいい、考え事はさておき…。
「あれが雪くんを襲ったの? ハクビシン…って、あの? 害獣指定されてる動物の……」
「ええ、僕は運が良かったんでしょうね。種への執着と僕の一族への見せしめ…、という理由がなければ、僕はひと飲みに食べられてたでしょうし…」
屈辱を思い出した様に、顔を歪める雪くん。あんなにひどい怪我して、辛そうな姿を見たあとだけに胸が痛い。
「ハクビシンが厄介なのは、雷獣に姿が似ていたとの口伝があって、その力を取り込んでしまった事にもあるのですよ。その上、行動は家族で動くか、10~20人で行動するから油断させて捉えたいところですけど…」
「警戒心は強いの? 何度も安全を確認しないと餌場に家族全員で来ないとか……」
私がそう聞くと、みんな意図がわからなかったと言う様に首を傾げる。
「そこまで興味ないので、彼らの事は確認してませんが…。どうしてですか?」
「出来るのかわからないけど……。結界にわざと穴を開けて、雷の効かない罠をはるの。あやかしの木から出した食料を、貯蔵している場所と思わせて、何度か襲わせてたら、油断して捕まえられるのかなって……。でも捕まえた後にそのハクビシンさん達を、裁いてくれる機関とかあるならお任せできるけど……」
素人考えだから、却下されるよね…と思いながら、なんとなく動物の習性から思った事を口にする。
前に拾った子猫でも、おトイレを覚えるまで、自分の匂いがついてる猫砂でないとでないと、別の場所で粗相していた事があったし…。
やはり縄張りだと安心できないと、警戒されるのかなって、思った事がポロリと口からこぼれてしまった。
それに引き取り手がいないと困るよね……。
「そこはコザクラインコの一族が、喜々として引き取ってくれそうよね。最近若い子を食料にされたと怒っていたもの」
コザクラインコ……? 野生? …じゃなくてあやかしがいるの?? でもあの鳥種ラブバードだからこその、気象の荒さがとんでもないと聞いた気が……。
うん……。私の可愛い小鳥イメージが、根こそぎ変えられる前に、踏み込んではいけないお話かもしれない。
★★★
遠い目をしながら考える。
「ねぇ、樹里ちゃん。コレあげる。埋めてみて?」
千鶴さんはそう言うと、私に種を手渡してきた。
「え? でも……」
雪くんの種で十分だし…と断ろうと口を開いた時…。
「多分…、きみなら、君の為にならあやかしの木が、望んだ効果のある布を作ってくれるんじゃないかな?」
そこまで言うと、千鶴さんは苦笑を浮かべて、言葉を続ける。
「木の意思で僕を拘束するくらいに、木に入られてるよね? 恐らく私の種で拘束具を生み出してあやかしの木の恩恵で、雷を使えなくできたらどうなると思う?」
少し不服そうな顔をしつつ、雪くんも安全に捉えられる…、そう感じたのか渋々頷いている。
「樹里さんが、千鶴叔父さんの種をと考えると嫌ですが……。その我儘で、また樹里さんをこれ以上危険に晒したくは、ありませんからね……」
「千鶴叔父さんだからね…。詩紋もなんかわかるかも……」
「……樹里さんの方が大事……」
そう言うと子供姿の3人は、それぞれ溜息をつき、切り替えたみたいに、どこが罠に適しているのか、そんな話をし始めた。種を受け取ることは確定しているみたい。
私は仕方なく、千鶴さんの種を受け取るしか出来なかった……。
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