Rotstufen!!─何もしなくても異世界魔王になれて、勇者に討伐されかけたので日本に帰ってきました─

甘都生てうる@なにまお!!

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第4章 (元)魔王と勇者の憩場に

✨28話1Part 異世界生物達の冬休み

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「......で、なんでうち集合なわけ?」


 ......兵庫県明石市南明石のマンションの一室。

 パソコンと液晶タブレット、その他ゲーム機、漫画、モデルガン、画材等大量の物がありながら綺麗に整理整頓された、この部屋。

 お洒落なベッドやデスクが置かれた私室にて、瑠凪るなは自身の通話中のスマホに目を向け、時計を見、そう言った。


『特に理由とかはないわね~』

「えぇ......」


 液タブ付属のペンを手に持ってはいるが、作業の手は止まっている。

 スマホから聞こえてくる声は間延びした声で、瑠凪は思わず声を上げる。


『とりあえず、7時くらいに行くわ!欲しいものとかあったら言ってちょうだいね、買っていくから』

「............わかった。それじゃね」

『はいはーい』


 瑠凪は通話を切り画面に表示された『聖火崎たかさき』というゴシック体の白文字を眺め、数秒後に時計を見やる。

 時刻は現在6時53分と少し。

 恐らく異世界文明の理術(?)とも言えるであろう転移魔法を使って来るであろう聖火崎は、後7分で買い物を済ませてこちらに来るらしい。


「......」


 通話を切り上げてから、瑠凪の耳にはキッチンで或斗あるとが料理している音が届き始めた。


「......もう切り上げよ」


 3つ連なってデスクの上に鎮座しているモニターの右下に貼られたメモの日付は、12月末日。

 ......そして今日は、


「1月3日、か......」


 気がつけば、大晦日が過ぎて紅白もK‐1も終わり、更には記念すべき年明けも湯水の如く過ぎ去っていき、残されたのは昨今の出来事のせいで体に溜まった疲労と、もう正月三賀日も最終日という虚しさだけだった。明後日には新年1発目のバイトも控えている。


「そもそも、はなっからおかしいと思うべきだったんだよね......」


 そう、瑠凪は小さく独りちる。

 ......聖火崎達が異空間に放り込まれ色々あったあの日が、大晦日の12月31日。

 そしてそこから丸2日間と半日、一同が時間も忘れて奮闘していたあの時に、世間は大晦日やら元日やらでお祭り騒ぎだったのだ。


「......ん゛っ、んー......」


 完全に進捗が捗らなくなってしまったので、瑠凪はペンを置いて液タブの電源を切り、パソコンをスリープさせたのだった。



                                         ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



 ......ガルダ、レヴィアタン、そしてベルゼブブによる望桜まお達襲撃の事の発端は、雅 梓みやび あずさが12月28日から行方不明になったことだった。

 それの捜索を行っているうちに、望桜や的李まとい、瑠凪、聖火崎らはクライナ·チャロフランドという名の異空間に閉じ込められ、葵雲あうん我厘あがり天仕あまつか来栖亭くるすていらは日本と瓜二つな異空間に知らぬ間に入れられていた。

 そこから、色々あって脱出はしたものの、多数の疑問も共に持って出てきてしまう事となった。

 確かめたい事も色々あるし、聖火崎や翠川は皇帝·ウィズ=ウェルイフの皇帝の座剥奪をできるだけ早く成したいと考えている。

 しかし皇国政府と聖教教会が手を組み、共に勇者の1人である聖火崎たかさきを排そうとしている今、そう簡単に事は進まない。

 皇帝や大臣ら政府関係者の汚職、勇者異世界暗殺計画......そして、勇者軍元帥の1人であったアヴィスフィアの殺害。


「みんな準備はいいかしら?」


 そんな分からない事だらけの中、聖火崎達が取った行動は......


「それじゃー、乾杯っ!!」


 高々とアルコールの入ったグラスを掲げ、乾杯の音頭を取る事だった。



 ─────────────To Be Continued──────────────


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