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第1章 初めての町(タカギ)
第19話 お城での監禁生活はご遠慮願いたい件
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『ヤスト君のスキルは、はっきり言って凄すぎる。
この能力が他の人に知られれば、君は一生、都から出られない可能性もある。』
「えっ?」
マリオネットが提供してくれるお茶を片手に何事かと驚いてしまった。
『ヤストにはブライアントさんのスキルの話はしたよね。』
「ああ、[合成]ですね。」
『そうだ、彼のスキルなら、先ほどのスワロウラビット様な小さな魔石でも、
合成しまくって大きな魔石にすることができる。』
「おぉそうなんですか!すごいですね。」
『そうなんだ。本来なら竜種でも倒さない限り入手できないような大きさの魔石を
ウサギを数千匹倒すだけで入手できてしまう。』
「数千匹!ってそれって結構大変ですよ。」
『つまり、君が生み出し、私が倒し、ブライアントさんが合成する。
それだけで魔力が尽きない限りほぼ無限に資源ができることになる。』
「へ?無限?」
『そうだ!まぁ魔力には限りがあるが、
基本的に休憩したり、魔力回復薬を飲めば戻る!
だからある意味、ヤスト君のスキルは、
対価なしに素材を生み出していることになるんだよ。』
ミサカさんは少し小声で、俺のスキルがどれほど有益なスキルなのかを教えてくれた。
確かに言われればすごいスキルだ!なんかちょっと主人公らしくなった気がする。
『もちろん、それだけじゃない!
ヤスト君もユキマサ達の部隊のことは知っているよね?』
「あっはい。狩猟部隊。エリート集団だと聞いています。」
『そうだ、斥候部隊でもある一定以上の実力を持ったものが狩猟部隊に入れる。
彼らの業務には魔物の分布などを調べる役割のほかに、
一番重要な役割としては素材調達の役割がある。』
「素材調達・・・」
『そう、森の深くまで入り込み、ある程度強い魔物を倒して、
この町の収益になっている。もちろん、その一部は食材にもなっている。
ちなみに先ほど君が倒したスワロウラビットも立派な食材だ。』
「食材・・・収益・・・」
『そうだ。君がいるだけで、人類は魔物資源に困らなくなる。
君のスキルや魔力を鍛えていけば、いつか伝説のエンシャントドラゴンすら、
その素材を入手できるようになるだろう。まぁ倒せるかは別として。』
「それって・・・」
『そう、君が居れば、狩猟部隊は森の奥深くまで行く必要がそもそもなくなるし、
最悪、都でただただ素材製造機として重宝されることになる。』
「えっ?」
『少し話を戻してブライアントさんとシズネ先生の話をしよう。
シズネ先生のスキルは[予知]。
その使用する魔力によって、未来を見通すことができる。
当然、先生の能力が分かったとき、都では彼女が王族や貴族、
都に住む人々を危険から守るために重宝された。
便利なスキルであると同時に悪事をたくらむ奴らにとっては
ある意味厄介な能力といえる。実行に移す前にバレるからね。
結局、シズネ先生は都に約15年、軟禁された。』
ミサカさんが少し顔を近づけて、小声で話していると、
俺の後ろから声が聞こえた。
『ほっほっほっ。』
振り返ると、アヤメさんとブライアントさんとシズネ先生が立っていた。
『そこからは、一旦私の部屋で話そうかね。』
先生がそういうと、ミサカさんが席からゆっくりと立ち上がり、
みんなで執務室へ行くことになった。
ゆっくりと歩いて執務室に向かう。
3階に向かう階段でシズネ先生が昇っているのを見ると、
「なぜ3階に執務室を作ったのだろう?」と不思議に思った。
俺、ミサカさん、アヤメさん、ブライアントさん、先生。
みんなが執務室に到着すると、人数分の椅子と、
お茶がテーブルの上に並べられていた。
『さぁてじゃあ続きを話そうかね~。』
シズネ先生が続きを話し出した。
都でのシズネ先生の生活は基本的に不自由は感じなかったそうだ。
唯一の不自由。それは都のさらに王城から出られないこと。
その能力故、反王族の体制派などからは狙われ、
王族からは自分たちの寿命を知る者と恐れられて生活を送っていた。
年齢は既に45歳を超えていたこともあり、
出産などの子作りではそれほど期待されなかったが、
その稀有なスキルのおかげで、シズネ先生は籠の中の鳥となっていた。
シズネ先生がお茶を啜ると、同席していたブライアントさんが続きを語った。
ブライアントさんの合成も稀有なスキルであった。
しかし、ブライアントさんは若いころ、その使用MPの大きさから
スキルを十分に使いこなせていなかった。
結果的に彼は、王国騎士団というお膝元で、育成と監視を行われた。
ブライアントさん自身はスキルに頼りすぎない生き方を目指して、
日夜、剣の練習などに励んでいたらしい。
結果的に、その研鑽が報われてしまう時が来てしまう。
騎士団の団長にまで上り詰めたブライアントさんはレベルが上がったことにより
[合成]の能力を発揮できるようになってしまった。
それに誰よりも早く気付いたのがシズネ先生だった。
そこで二人は王城で一生を終えるより、移動都市の代表という脱出手段を図る。
二人がパートナーとして登録したのはその頃らしい。
都での移動都市の扱いは実はそれほど高い地位ではない。
都から見れば、絶えず移動し、危険に遭遇する斥候部隊でしかない移動都市。
年に1度の都への奉公と月に1度の要塞巡り、
そもそも望んでやろうとする人がいなかった。
二人ともある程度年齢を重ねていたことと、
今までの功績。そして何よりシズネ先生を厄介払いできることに
賛同する王都住民が多かった。
ブライアントさんはスキルというより、剣術の方が有名で、
ある意味、パートナーであるシズネ先生を護衛する意味で、
移動都市タカギが結成された。
王都でもブライアントさんのスキルを知っている人もいるが、
そもそも高齢で、既に移動都市の副代表をしているブライアントさんを
都に呼び戻そうなどという人はおらず、
以来ずっとブライアントさんはタカギの物資保管庫管理を行っている。
二人のスキル能力で、その開眼の年齢がある程度若ければ、
『ほぼ間違えなく、王城や王都から出ることはなかっただろう』
という事になる。
そこで俺の話になる。
俺のスキルは[魔物作成]。その名前だけ聞いてもはっきり言って
稀有なスキルであることはわかるが、何がどのくらいできるのかは分かりにくい。
しかし、今回ミサカさんと検証したように、
実際はかなり人類にとって有用なスキルであることは間違えない。
しかも俺は若い!種人としてもかなり有益であり、王都だけでなく城塞都市でさえ、
俺を接収したがるそうだ。
それで、昨日、シズネ先生は俺に隠れておくように指示していたらしい。
そして今日、俺の能力の効果が分かり、こうして話し合うところまでも
シズネ先生にとっては予定調和だったというわけである。
『まぁあ、ヤスト君がタカギ居れば、
このタカギの収益は今の10倍ほどまでになるがの~~。』
以外と収益の計算的な意味合いもあったらしい。
横で何故か付き添っているアヤメさんが話が壮大過ぎてついていけてない感じ。
まぁ、人類にとって有用とか、お城で一生食べ物に困らない生活とか
言われても、正直、お城での監禁生活はご遠慮願いたい。
『さて、夕食の時間もそろそろじゃし、
後の指示はこの紙に書いて居るでの、ミサカよろしく頼むの。』
『はっはい。』
俺たちはお茶を飲むのまた1階の食堂へと戻った。
あれ?わざわざ執務室に行く意味あったの??
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