すべてを風のせいにして 〜タイムループバタフライ〜

クリヤ

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(8)間違えてる?

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 「お母さん、見て。初孫だよ」
 「かわいいわねぇ。男の子っていうのもいいもんねぇ」
 「たくさん遊んであげてね」
 「任せときなさい! ゲームの特訓、今からするわ!」
 「なに言ってるの? 変なお母さん」
 「名前は決めた?」
 「うん。シュンスケっていうの」

 やっぱり、この子がシュンスケ。
 リコの育てかたも性格も前とは違うからさ。
 もしかして、子どもがシュンスケじゃないってことも考えたけど。
 シュンスケは、シュンスケなんだね。
 わたしも娘は、リコだったから、そうかなって気もしてた。
 この子のことも、ちゃんと見ておかなくちゃ!

 「ちょっと、お母さん。鼻息荒いんだけど?」
 「え? そう? 初孫だから、気合いが入ってさ」
 「ふふふ。なんでお母さんが気合い入れるの?」
 「まぁ、いいじゃない。いつでも預かるからねっ!」
 「ありがと。その時はお願いします」

 今回は、早めにリコの了解をゲットしたぞ~!
 前回の教育熱心リコは、ちょっと怖かった。

 だけど、きっと今度は違うよね?
 リコも穏やかだし、仕事もしてるから。
 前みたいにはならないはず。

 「オーマ。そこ! ちゃんと撃って!」
 「はい、はい。まかせろ~!」
 「あ、赤いハーブ取って!」
 「え? どこ?」
 「その棚の上。で、緑と混ぜて」
 「はいよ」
 「シュンスケ、うしろ~!」

 今日も『放課後ゲームクラブ』。ふふふ。
 リコたちが帰るまで、あと2時間。
 まだ、いける!……か?

 「シュンスケ、ちょっと休憩にしない?」
 「ええっ! いいとこなのに」
 「じゃ、オーマだけ離脱しま~す」
 「了解で~す」

 今日もシュンスケが元気で嬉しい。
 ちょっと元気すぎるくらい。
 ただ、ちょっとだけ気になるのは。
 今回のシュンスケも敬語だってこと。
 ゲームの時以外は。

 「ねぇ、シュンスケってなんで敬語なの?」
 「さあ? わたしも気になって、聞いてみたんだけど」
 「なんでだって?」
 「なんとなく、だって」
 「アニメの影響とか?」
 「だったら、なんとなくとは言わないんじゃないかな」
 「そうだね。悪いことじゃないけど気になるね」

 リコもシュンスケの敬語の理由が分からないみたい。
 まぁ、気にすることでもないのかな……?

 「シュンスケ、遊びにこない?」
 「すみません、勉強が大変で」
 「教えるよ?」
 「部活もあるので」
 「部活入ったんだ~! なんの部活?」
 「まぁ、いろいろと」
 「え?」
 「まぁ、いいじゃないですか」

 中学生になったシュンスケとは、やっぱり少し距離ができた。
 だけど、ここまで順調にきてるし、大丈夫だよね?
 もうすぐシュンスケも高校生かぁ。
 早い。
 あれ? またあたし、なにか忘れている気がする。

 「お母さん!……シュンスケが大変なのっ!」
 「ちょっとどうしたの? リコ?」
 「とにかく、きて!」

 デジャヴ……。
 あの子がこうなるかもって。
 知ってたのに。
 どうしてか、忘れてた。
 もう! 何がダメだったの?
 あの子のあんな姿見たくない!
 でも、待って。もしかして、違う状態かも?
 確かめなくちゃ!

 ああ!
 今回もやっぱり同じ。
 シュンスケは青ざめた顔色をしてベッドの上。
 こんなはずじゃなかったのに……。
 どうしてなの! シュンスケ!

 ……また、あの目眩。
 いや! 待って!
 ほかにも何か方法があるはず……。
 連れて……いか……で……。
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