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第十九話
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投げナイフは短剣に命中し、それを弾き飛ばす。その反動によって手を痛めたのか、アストは呻き声を上げながら、投げナイフの飛んできた方向に視線を飛ばしてきた。
「誰だっ、出てこい!」
「いわれなくても、出るっての」
アストは血走ったこげ茶の瞳を、木々の合間から出てきたリディアリアに向ける。アストは邪魔をしたのが成人した魔族だと思っていたのだろう。子どもの姿であるリディアリアを見ると、嬉しそうに口角を上げた。
「なんだァ? 魔族のガキかよ。いいカモがきたぜ。本当に俺ァ運がいい」
「それはどうかな?」
リディアリアの姿を見て運がいい、だなんてそんな言葉をいうのはリディアリアの実力を知らない者だけだ。
「貴女、なぜここに?」
「やっぱり私のこの姿を見ても驚かないってことは知っていたのね。私がリディアリアだということを」
「もちろんよ。だから早く逃げなさい。貴女も殺されるわよ」
「あら、お優しい」
その言葉に偽りはなく、本当に逃げろといっているようだった。
「馬鹿にしていないで、素直にいうことを聞きなさいよ!!」
「嫌」
「なっ……」
「私は魔族を見捨てるのが一番嫌なの。それはどんなに良い感情を持っていない相手でもね。――ルナ!」
ルナの名前を呼ぶと同時に槍がリディアリアの元へ投げられた。それを器用に受け取ると、アストに切っ先を向け、構えをとった。
「私こう見えても、強いんだから」
そこからはリディアリアの一方的な攻撃が始まった。
アストは落とした短剣を拾おうと足を動かしたが、それをわざわざ拾いにいかせるほど、優しくはない。なにせ命をかけた戦いなのだ。不公平だといわれようが、そもそも戦いに公平を求める方が間違っているのだから。
リディアリアはアストが短剣を拾わないよう、アストが拾うよりも早く短剣を槍で遠くに薙ぎ払った。
「卑怯だぞ!!」
「勝負に卑怯もなにもないんだよ。それにその言葉、貴方はいえる立場じゃないでしょう?」
にっこりと微笑みを向けると、リディアリアは穂先で魔核を持つアストの左手を切り落とした。
ぽとり、とアストの左手が地面に転がった。
アストはその光景が信じられなかったのか、茫然とした表情をみせた。しかし、それも数秒の間だけ。脳が左手を切られたとようやく理解したのだろう。たくさんの血を左手が無くなった部分から吹き上がらせ、絶叫した。
「あぁぁぁっぁっ!! 俺の左っ、でがぁ!!」
切り落とされた左手から転がった魔核には見向きもせず、土や血に塗れた左手をくっつけようとしていた。
「切られたんだから、くっつくわけないでしょう」
当たり前のことなのに、気が動転しているのか、リディアリアの言葉を無視して何度も何度も同じことを繰り返す。その間も血は止まることなく、多量出血によりアストは左手を持ったままその場で気を失った。
このままアストを放置すれば、多量出血により死んでいくだろう。しかしアストは今回魔族から魔核を抜いた首謀者でもある。生きた証言は必要だろう。
アストが気を失ってから、リディアリアに近づいてきたライトニングに視線で治癒を頼む。ライトニングもそれは承知していたのか、頷くと魔法をかけた。とはいっても、左手をくっつけることはしない。ただこれ以上の出血を防ぐ治癒を施しただけだ。ここでライトニングが治してしまっては、リディアリアが切り落とした意味がない。これはアストに対する罰でもあるのだから。
アストが落とした魔核を拾い上げ、大切にハンカチで包み込み、上着のポケットへしまう。
「さて、と」
ひと段落して、視線をいまだに地面に尻をつけたままのスノウマリーに向ける。今までリディアリアに向けた視線とは違い、そこには怯え、恐れがあった。
「まあこんな場面見たあとじゃ仕方ないか」
スノウマリーが抱くのも当然だ。まさかこんな子ども姿をしたリディアリアが、いとも簡単にアストを倒すとは思ってもみなかったのだろう。
「貴女一体、……なんなの?」
「なんなの、ねぇ。魔王の妃であり、ややこしい体を抱えた、ライトニングを義親に持つ魔族、かな」
間違いは何一ついっていない。
「そんなこと、知っているわ!」
「んーーー、じゃあなんていえばいいの?」
七貴族【色欲】の名を持つサキュバスとでも名乗れば、納得はするだろう。しかしこの事実を公表するのは、ディティラスと結婚式を挙げるとき。リディアリアの一存で決めていい話ではない。
困ったようにライトニングへ視線を投げると、仕方ないとでもいうように、リディアリアの代わりに口を開いてくれた。
「条件は三つ。一つはリディアリアの秘密を公言しないこと。二つ目はリディアリアがなぜこの姿になってしまうのか知っているかを白状すること。そして最後三つ目は、近くにいるのに、なぜ魔物は襲ってこないのか、それは貴女と関係あるのなら教えてほしいです。この三つの条件を飲めるというのなら、リディアリアの正体を教えましょう。しかし二つ目、三つ目の条件はいいとして、一つ目の条件、この秘密がもし公になる前に他の者へ知られることとなれば、私は七貴族【傲慢】の力を使って、貴女を抹消します」
口調は柔らかく丁寧ではあるが、そこには否定できない威圧感があった。
スノウマリーもさすがに七貴族【傲慢】の名を持つライトニングが相手では分が悪いと察したのか、長いため息をついて了承した。
ドレスについた土を軽く払いながら、その場に立ち上がる。さすがに一人だけ地面に尻をつけたままの格好で話すのはまずいと思ったのだろう。なにせ話し相手はリディアリアやルナだけではない。七貴族【傲慢】として名の知られているライトニングもこの場にいるのだから。
「わかりましたわ。その条件お約束致します。その証拠として、二つ目の条件を先に話しますわ。そこのサキュバスが子どもの姿になると知ったのは、ただの偶然です。騎士にヴェストというウルフの幼馴染がいまして、たまたま顔を見ようと近くに寄ったときに新人騎士たちと試合を行ったという話を耳にしましたの。どちらが勝ったのかは試合がはすでに終わっていたのでわかりませんでしたが……。ですがそのときに、ちょうど姿が小さくなったような気がして。もしかしたら弱点になるかもしれないと思い、それでサキュバスたちの姿を追った、ただそれだけですわ。まあ、魔王様に邪魔をされてしまいましたが」
つまり完全なリディアリアの失態から発覚した、という訳だ。子どもの姿になってしまうところを見られ、後までつけられた。
ディティラスに邪魔をされた、というくらいだ。ディティラスが抱える子どもがリディアリアだという確証はそこにあったのだろう。道理で般若のような顔をしたスノウマリーが、リディアリアを睨んでいたわけだ。ルナの予測はほぼ的中していたことになる。
ライトニングに責められるような目線を向けられ、思わず逸らしてしまう。あとで説教が待っていることだろう。
「そうでしたか。ではこちらもリディアリアの秘密をお話しましょう。十年前、戦争を終わらせた本当の魔族がリディアリアなのですよ」
「え、そのサキュバスが?」
個人名を出してこない辺り、ライトニングの口から真実を聞かされても信じ切れていない証拠だ。
サキュバス、という種族を現す単語をスノウマリーが口にする度、ルナの機嫌が悪化していく。主であるリディアリアが侮辱されていると感じているからだ。
それでもリディアリア自身はそこまで気にしていないので、放置をしていた。
「ええ。この見た目では到底信じられないかもしれませんが」
「見た目は余計だよ、ライトニング」
「今は黙っていなさい」
「……はい」
思わず口を出してしまったリディアリアに、間髪入れず釘をさす。
ライトニングのいうとおり、今は黙っていた方が話は早く進む。素直に頷いた。
「とにかく、リディアリアであることに間違いはありません。今、子どもの姿になっているのも、十年もの間眠りについていたのも、全ては戦争を終わらせるために魔核や体を酷使したせいなのです」
「じゃ、じゃあ、私はそんな方をずっと勝手に見下していたというの?」
リディアリアに視線を向けてきたので、にっこりとほほ笑んでみせる。するとわかりやすく、スノウマリーの肩がびくりと震えた。
「まあ、そうなりますね。そしてもう一つ。リディアリアは貴女が思う階級よりも上、七貴族【色欲】を司る魔族でもあります」
七貴族【色欲】の名を聞くと同時に、スノウマリーから血の気が失せた。
「誰だっ、出てこい!」
「いわれなくても、出るっての」
アストは血走ったこげ茶の瞳を、木々の合間から出てきたリディアリアに向ける。アストは邪魔をしたのが成人した魔族だと思っていたのだろう。子どもの姿であるリディアリアを見ると、嬉しそうに口角を上げた。
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その言葉に偽りはなく、本当に逃げろといっているようだった。
「馬鹿にしていないで、素直にいうことを聞きなさいよ!!」
「嫌」
「なっ……」
「私は魔族を見捨てるのが一番嫌なの。それはどんなに良い感情を持っていない相手でもね。――ルナ!」
ルナの名前を呼ぶと同時に槍がリディアリアの元へ投げられた。それを器用に受け取ると、アストに切っ先を向け、構えをとった。
「私こう見えても、強いんだから」
そこからはリディアリアの一方的な攻撃が始まった。
アストは落とした短剣を拾おうと足を動かしたが、それをわざわざ拾いにいかせるほど、優しくはない。なにせ命をかけた戦いなのだ。不公平だといわれようが、そもそも戦いに公平を求める方が間違っているのだから。
リディアリアはアストが短剣を拾わないよう、アストが拾うよりも早く短剣を槍で遠くに薙ぎ払った。
「卑怯だぞ!!」
「勝負に卑怯もなにもないんだよ。それにその言葉、貴方はいえる立場じゃないでしょう?」
にっこりと微笑みを向けると、リディアリアは穂先で魔核を持つアストの左手を切り落とした。
ぽとり、とアストの左手が地面に転がった。
アストはその光景が信じられなかったのか、茫然とした表情をみせた。しかし、それも数秒の間だけ。脳が左手を切られたとようやく理解したのだろう。たくさんの血を左手が無くなった部分から吹き上がらせ、絶叫した。
「あぁぁぁっぁっ!! 俺の左っ、でがぁ!!」
切り落とされた左手から転がった魔核には見向きもせず、土や血に塗れた左手をくっつけようとしていた。
「切られたんだから、くっつくわけないでしょう」
当たり前のことなのに、気が動転しているのか、リディアリアの言葉を無視して何度も何度も同じことを繰り返す。その間も血は止まることなく、多量出血によりアストは左手を持ったままその場で気を失った。
このままアストを放置すれば、多量出血により死んでいくだろう。しかしアストは今回魔族から魔核を抜いた首謀者でもある。生きた証言は必要だろう。
アストが気を失ってから、リディアリアに近づいてきたライトニングに視線で治癒を頼む。ライトニングもそれは承知していたのか、頷くと魔法をかけた。とはいっても、左手をくっつけることはしない。ただこれ以上の出血を防ぐ治癒を施しただけだ。ここでライトニングが治してしまっては、リディアリアが切り落とした意味がない。これはアストに対する罰でもあるのだから。
アストが落とした魔核を拾い上げ、大切にハンカチで包み込み、上着のポケットへしまう。
「さて、と」
ひと段落して、視線をいまだに地面に尻をつけたままのスノウマリーに向ける。今までリディアリアに向けた視線とは違い、そこには怯え、恐れがあった。
「まあこんな場面見たあとじゃ仕方ないか」
スノウマリーが抱くのも当然だ。まさかこんな子ども姿をしたリディアリアが、いとも簡単にアストを倒すとは思ってもみなかったのだろう。
「貴女一体、……なんなの?」
「なんなの、ねぇ。魔王の妃であり、ややこしい体を抱えた、ライトニングを義親に持つ魔族、かな」
間違いは何一ついっていない。
「そんなこと、知っているわ!」
「んーーー、じゃあなんていえばいいの?」
七貴族【色欲】の名を持つサキュバスとでも名乗れば、納得はするだろう。しかしこの事実を公表するのは、ディティラスと結婚式を挙げるとき。リディアリアの一存で決めていい話ではない。
困ったようにライトニングへ視線を投げると、仕方ないとでもいうように、リディアリアの代わりに口を開いてくれた。
「条件は三つ。一つはリディアリアの秘密を公言しないこと。二つ目はリディアリアがなぜこの姿になってしまうのか知っているかを白状すること。そして最後三つ目は、近くにいるのに、なぜ魔物は襲ってこないのか、それは貴女と関係あるのなら教えてほしいです。この三つの条件を飲めるというのなら、リディアリアの正体を教えましょう。しかし二つ目、三つ目の条件はいいとして、一つ目の条件、この秘密がもし公になる前に他の者へ知られることとなれば、私は七貴族【傲慢】の力を使って、貴女を抹消します」
口調は柔らかく丁寧ではあるが、そこには否定できない威圧感があった。
スノウマリーもさすがに七貴族【傲慢】の名を持つライトニングが相手では分が悪いと察したのか、長いため息をついて了承した。
ドレスについた土を軽く払いながら、その場に立ち上がる。さすがに一人だけ地面に尻をつけたままの格好で話すのはまずいと思ったのだろう。なにせ話し相手はリディアリアやルナだけではない。七貴族【傲慢】として名の知られているライトニングもこの場にいるのだから。
「わかりましたわ。その条件お約束致します。その証拠として、二つ目の条件を先に話しますわ。そこのサキュバスが子どもの姿になると知ったのは、ただの偶然です。騎士にヴェストというウルフの幼馴染がいまして、たまたま顔を見ようと近くに寄ったときに新人騎士たちと試合を行ったという話を耳にしましたの。どちらが勝ったのかは試合がはすでに終わっていたのでわかりませんでしたが……。ですがそのときに、ちょうど姿が小さくなったような気がして。もしかしたら弱点になるかもしれないと思い、それでサキュバスたちの姿を追った、ただそれだけですわ。まあ、魔王様に邪魔をされてしまいましたが」
つまり完全なリディアリアの失態から発覚した、という訳だ。子どもの姿になってしまうところを見られ、後までつけられた。
ディティラスに邪魔をされた、というくらいだ。ディティラスが抱える子どもがリディアリアだという確証はそこにあったのだろう。道理で般若のような顔をしたスノウマリーが、リディアリアを睨んでいたわけだ。ルナの予測はほぼ的中していたことになる。
ライトニングに責められるような目線を向けられ、思わず逸らしてしまう。あとで説教が待っていることだろう。
「そうでしたか。ではこちらもリディアリアの秘密をお話しましょう。十年前、戦争を終わらせた本当の魔族がリディアリアなのですよ」
「え、そのサキュバスが?」
個人名を出してこない辺り、ライトニングの口から真実を聞かされても信じ切れていない証拠だ。
サキュバス、という種族を現す単語をスノウマリーが口にする度、ルナの機嫌が悪化していく。主であるリディアリアが侮辱されていると感じているからだ。
それでもリディアリア自身はそこまで気にしていないので、放置をしていた。
「ええ。この見た目では到底信じられないかもしれませんが」
「見た目は余計だよ、ライトニング」
「今は黙っていなさい」
「……はい」
思わず口を出してしまったリディアリアに、間髪入れず釘をさす。
ライトニングのいうとおり、今は黙っていた方が話は早く進む。素直に頷いた。
「とにかく、リディアリアであることに間違いはありません。今、子どもの姿になっているのも、十年もの間眠りについていたのも、全ては戦争を終わらせるために魔核や体を酷使したせいなのです」
「じゃ、じゃあ、私はそんな方をずっと勝手に見下していたというの?」
リディアリアに視線を向けてきたので、にっこりとほほ笑んでみせる。するとわかりやすく、スノウマリーの肩がびくりと震えた。
「まあ、そうなりますね。そしてもう一つ。リディアリアは貴女が思う階級よりも上、七貴族【色欲】を司る魔族でもあります」
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