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オムツを交換する際の超絶テクニック
【オムツを交換する際の超絶テクニック】
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【只今、たっちゃんと一緒に「いないいないばぁ」を鑑賞中】
うーたん(あのマラカスみたいなのが頭にぶっ刺さっているキメラ)「わー、うーたん楽しい」
なんか宥める的なキャラ「うーたん、もう暗くなるから帰ろうよぉ」
うーたん(マラカスが頭に刺さって亡くなった方の怨霊かもしれない)「やだー、うーたん帰らない」
なんか宥める的なキャラ「帰ろうよー。もう帰ろうよー」
――うーたん、自己中にもほどがあんだろ。
あいつ病気なの? なんか人格障害的な。周りの人達の言うことは聞かねぇしよ、自己主張激しいし、テンションは高ぇしよ、クスリかなんかやってんじゃねぇか?
たっちゃん「あぁぁぁぁぁっ!」
うんうん【たっちゃん】もそう思うか。そうですよね? あいつ自己中すぎますよね? なんか叫んでますけど、そう思いますよね?
たっちゃん「ねねねねねねねねねねねねぇ」
最近【たっちゃん】は私達に対して謎のメッセージを送り付けてくる。成長している証拠だ。それとも、宇宙とかと交信しているかもしれない。
赤ん坊の成長は早い。しかし「チャーン」とか「ハーイ」とか「バブゥ」とかは絶対に言わねぇからな。あれ、全体的に嘘だから。後、走るときに変な効果音とかもつかねぇから。これからパパやママになる方々の希望を壊してしまうようで申し訳ないけど、それが現実だから。
あれ? なんか【たっちゃん】真面目な顔してね? 小さな声で唸ってるよね? これ、内部爆発の前兆じゃないですか?
ねっ、熱波を伴った爆風を【たっちゃん】の下腹部より確認っ! 異臭あり、爆発物特有の異臭あり!
しかも現在、エキスパートの【ヨメサーン】は席を外している。ともなれば、私一人で処理しなければならないっ!
へへっ――ついてねぇぜ。日頃の行いが悪いからかな。とにかく落ち着こう。まだ死を覚悟するには尚早だ。とりあえずスタンディングオペレーションシステムを決行。被害を最小限に抑えることに専念する。
《子育てに役立つ用語集……スタンディングオペレーションシステム》
【我が子の最終隔壁内部で核爆発の疑いが生じた際、被害を最小限に抑えるべく特殊爆発物処理班が施術する戦略的防護策のひとつ。我が子を立たせることにより、内部圧力上昇による延焼を防止する目的がある。かなりの技術を必要とするため、素人が生半可な知識でやると爆発に巻き込まれて死ぬ】
最終隔壁内部の圧力を一定に保つことに成功。これより確認作業へと入る。夏場であるがゆえに、第三隔壁は既に撤去済み。第二隔壁もまた薄手であるがゆえに、第二隔壁外部よりダイレクトに最終隔壁内部を肉眼にて確認する。
万が一の事態に備え、新しい隔壁の用意、よし! 内部隔壁の汚染を除去する汚染除去シート、よし! できることならば作業にあたりたくはないが、こうなったら仕方がない。また本部の力を借りることになるかもしれ――いいや、爆発物特有の異臭がロスト。半径1メートルの範囲内からほぼ消失。今しかない――確認作業へと移る。
……まっ、真っさらだ! 隔壁内部オールクリア。爆発物により汚染は回避できた模様。ただ、水素爆発の痕跡を確認。念のため、隔壁交換作業へと入る。
ちょうどいい。私の活躍を見ているそこの君。いずれ父親や母親になった際に、隔壁の交換作業は必ず通る道だ。水素爆発のみだったようだし、ここは私がレクチャーをしながら隔壁交換作業の手本を見せよう。
まず基礎知識からだ。赤ん坊の体内では摂取した栄養的な物質が結合と融解を繰り返しており、それにより最終隔壁内部で定期的に爆発が起きる。生まれたばかりだと、一日に数回は核爆発が起きる。しかも、ゆるいやつだ。ゆるゆるのやつがだ。
我々は、その度に隔壁の交換作業を行わねばならない。そうしないと隔壁内部が汚染され、主にお尻がかぶれる。うん、その――なんか上手い例えがあるかなと思ったけど、かぶれる訳だ。
さて、この隔壁だが、タイプが幾つかに分かれる。ひとつめはTP―TYPEと呼ばれるものだ。隔壁が幾つかに分かれており、それをドッキングさせることによって隔壁を形成させる。もうひとつはPT―TYPEと呼ばれるものだ。こちらは予め形成されている隔壁をはめ込むというタイプのものだ。これは各々の好みの問題になるのだが、どちらのタイプも扱えるようになっていたほうがいい。
よし、それでは実際に隔壁の交換を行う。まず、古い隔壁はすぐに撤去しないこと。先に撤去してしまうと、新たな隔壁を形成している最中に爆発が起き、とんでもないことになってしまうことがある。できる限り隔壁交換の隙を作らぬように、準備をしておかねばならない。
テープタイプ……あっ、TP―TYPEの場合は、オムツを――えっと、旧隔壁を撤去せずに、そのままお尻の下に新たな隔壁を敷く。これをテープで科学的に結合させて隔壁の形成を促す仕組みになっている。この際、お尻の下に敷く新しい隔壁は、できる限り背中のほうに上げておいたほうがいい。あまりにも下のほうに隔壁を形成してしまうと延焼し易くなってしまう。後はテープを前面部で結合させ、ギャザーを出して、こうグンッてやればいい。
続いてPT―TYPEのことを説明しよう。これはパンツタイプであるがゆえに、そのまま履かせれ――隔壁を装着すればいい。これは、ちょっと大きくなって手足をじたばたとさせる子供に有効な隔壁だ。とにかく少し成長すると、子供はじたばたと動き回る。だからこそ、無理矢理押さえつけるのではなく、できる限り子供の動きに合わせて、さもオムツ交換をしていると悟らせぬようにやるのがコツだ。横にするよりも立たせて装着したほうがいいかもしれない。
こう、タイミング見計らってグンッってやって、ガッっとやって、最後にグンッってやればいい。え? 分からん? 実際に見ている訳じゃないから、どういう感じでやってるか分からん? ――想像力を働かせればいいじゃねぇか!
ですからぁ、グンッってやって、ガッとやって、最終確認の意味を込めてグンッだって言ってんだろうがっ!
もうこれでも分からんのであれば、ひよこクラブでも買って勉強すればいいじゃない!
あー、テンション下がるわぁ。ここまで分かりやすく解説してるのに、分からんとかテンション下がるわぁ。もう今回の纏めな。
【たっちゃんへ、オムツを交換している時に限って、狙ったかのようにおしっこをするのは愛情の裏返しですか?】
それでは、また次回!
うーたん(あのマラカスみたいなのが頭にぶっ刺さっているキメラ)「わー、うーたん楽しい」
なんか宥める的なキャラ「うーたん、もう暗くなるから帰ろうよぉ」
うーたん(マラカスが頭に刺さって亡くなった方の怨霊かもしれない)「やだー、うーたん帰らない」
なんか宥める的なキャラ「帰ろうよー。もう帰ろうよー」
――うーたん、自己中にもほどがあんだろ。
あいつ病気なの? なんか人格障害的な。周りの人達の言うことは聞かねぇしよ、自己主張激しいし、テンションは高ぇしよ、クスリかなんかやってんじゃねぇか?
たっちゃん「あぁぁぁぁぁっ!」
うんうん【たっちゃん】もそう思うか。そうですよね? あいつ自己中すぎますよね? なんか叫んでますけど、そう思いますよね?
たっちゃん「ねねねねねねねねねねねねぇ」
最近【たっちゃん】は私達に対して謎のメッセージを送り付けてくる。成長している証拠だ。それとも、宇宙とかと交信しているかもしれない。
赤ん坊の成長は早い。しかし「チャーン」とか「ハーイ」とか「バブゥ」とかは絶対に言わねぇからな。あれ、全体的に嘘だから。後、走るときに変な効果音とかもつかねぇから。これからパパやママになる方々の希望を壊してしまうようで申し訳ないけど、それが現実だから。
あれ? なんか【たっちゃん】真面目な顔してね? 小さな声で唸ってるよね? これ、内部爆発の前兆じゃないですか?
ねっ、熱波を伴った爆風を【たっちゃん】の下腹部より確認っ! 異臭あり、爆発物特有の異臭あり!
しかも現在、エキスパートの【ヨメサーン】は席を外している。ともなれば、私一人で処理しなければならないっ!
へへっ――ついてねぇぜ。日頃の行いが悪いからかな。とにかく落ち着こう。まだ死を覚悟するには尚早だ。とりあえずスタンディングオペレーションシステムを決行。被害を最小限に抑えることに専念する。
《子育てに役立つ用語集……スタンディングオペレーションシステム》
【我が子の最終隔壁内部で核爆発の疑いが生じた際、被害を最小限に抑えるべく特殊爆発物処理班が施術する戦略的防護策のひとつ。我が子を立たせることにより、内部圧力上昇による延焼を防止する目的がある。かなりの技術を必要とするため、素人が生半可な知識でやると爆発に巻き込まれて死ぬ】
最終隔壁内部の圧力を一定に保つことに成功。これより確認作業へと入る。夏場であるがゆえに、第三隔壁は既に撤去済み。第二隔壁もまた薄手であるがゆえに、第二隔壁外部よりダイレクトに最終隔壁内部を肉眼にて確認する。
万が一の事態に備え、新しい隔壁の用意、よし! 内部隔壁の汚染を除去する汚染除去シート、よし! できることならば作業にあたりたくはないが、こうなったら仕方がない。また本部の力を借りることになるかもしれ――いいや、爆発物特有の異臭がロスト。半径1メートルの範囲内からほぼ消失。今しかない――確認作業へと移る。
……まっ、真っさらだ! 隔壁内部オールクリア。爆発物により汚染は回避できた模様。ただ、水素爆発の痕跡を確認。念のため、隔壁交換作業へと入る。
ちょうどいい。私の活躍を見ているそこの君。いずれ父親や母親になった際に、隔壁の交換作業は必ず通る道だ。水素爆発のみだったようだし、ここは私がレクチャーをしながら隔壁交換作業の手本を見せよう。
まず基礎知識からだ。赤ん坊の体内では摂取した栄養的な物質が結合と融解を繰り返しており、それにより最終隔壁内部で定期的に爆発が起きる。生まれたばかりだと、一日に数回は核爆発が起きる。しかも、ゆるいやつだ。ゆるゆるのやつがだ。
我々は、その度に隔壁の交換作業を行わねばならない。そうしないと隔壁内部が汚染され、主にお尻がかぶれる。うん、その――なんか上手い例えがあるかなと思ったけど、かぶれる訳だ。
さて、この隔壁だが、タイプが幾つかに分かれる。ひとつめはTP―TYPEと呼ばれるものだ。隔壁が幾つかに分かれており、それをドッキングさせることによって隔壁を形成させる。もうひとつはPT―TYPEと呼ばれるものだ。こちらは予め形成されている隔壁をはめ込むというタイプのものだ。これは各々の好みの問題になるのだが、どちらのタイプも扱えるようになっていたほうがいい。
よし、それでは実際に隔壁の交換を行う。まず、古い隔壁はすぐに撤去しないこと。先に撤去してしまうと、新たな隔壁を形成している最中に爆発が起き、とんでもないことになってしまうことがある。できる限り隔壁交換の隙を作らぬように、準備をしておかねばならない。
テープタイプ……あっ、TP―TYPEの場合は、オムツを――えっと、旧隔壁を撤去せずに、そのままお尻の下に新たな隔壁を敷く。これをテープで科学的に結合させて隔壁の形成を促す仕組みになっている。この際、お尻の下に敷く新しい隔壁は、できる限り背中のほうに上げておいたほうがいい。あまりにも下のほうに隔壁を形成してしまうと延焼し易くなってしまう。後はテープを前面部で結合させ、ギャザーを出して、こうグンッてやればいい。
続いてPT―TYPEのことを説明しよう。これはパンツタイプであるがゆえに、そのまま履かせれ――隔壁を装着すればいい。これは、ちょっと大きくなって手足をじたばたとさせる子供に有効な隔壁だ。とにかく少し成長すると、子供はじたばたと動き回る。だからこそ、無理矢理押さえつけるのではなく、できる限り子供の動きに合わせて、さもオムツ交換をしていると悟らせぬようにやるのがコツだ。横にするよりも立たせて装着したほうがいいかもしれない。
こう、タイミング見計らってグンッってやって、ガッっとやって、最後にグンッってやればいい。え? 分からん? 実際に見ている訳じゃないから、どういう感じでやってるか分からん? ――想像力を働かせればいいじゃねぇか!
ですからぁ、グンッってやって、ガッとやって、最終確認の意味を込めてグンッだって言ってんだろうがっ!
もうこれでも分からんのであれば、ひよこクラブでも買って勉強すればいいじゃない!
あー、テンション下がるわぁ。ここまで分かりやすく解説してるのに、分からんとかテンション下がるわぁ。もう今回の纏めな。
【たっちゃんへ、オムツを交換している時に限って、狙ったかのようにおしっこをするのは愛情の裏返しですか?】
それでは、また次回!
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