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身近に潜む危険と、いざ息子が世界を救いにきた際のラスボスとしての父親のありかた
【身近に潜む危険と、いざ息子が世界を救いにきた際のラスボスとしての父親のありかた】
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子供の成長は早い。それこそ、昨日までは寝返りを打てなかった我が子が寝返りをしてみたり、寝返りしかできなかった筈なのに、ちょっとハイハイをしてみたり、気が付いたらつかまり立ちをしてみたり、その20年後、世界滅亡の危機を救ってみたりと、とにかく子供の成長は早いものである。実は宿敵であるラスボス的な人物が父親だったという展開に備えて、私はこれから毎日、少しずつ腹筋をして行こうと思う。
さて、ということで今回は、成長に従って増える危険と、その対処法についてだ。これは子供の成長を見守る親としては、かなり大事な話になるから、私もふざけないようにしようと思う。冒頭から堅苦しい文章が続いたから、勘の良い人ならば気付いていたかもしれないが、今回の私は超真面目にやろうと思う。ただし、やるとは言っていない。いいか、やろうと思っているだけで、本当に真面目にやるかは分からない! しかし、内容は真面目なはずなので、心して挑むように。
冒頭でも言った通り、子供は成長する。それも赤ん坊ともなれば日に日に成長が見えるようになる訳だ。それと共に――あ、ちょっと待って。来客だわ。
あの、ちょっと文句があって呼びつけた奴がいるから、少しだけ時間を下さい。お説教をしますので。
あー、よく来たね。IOCの代表的な人。あの、いいです。横文字とかを並べ立てなくていいので、日本語喋って下さい。日本語を。
いや、あれですよね。盛り上がってんねぇーリオ五輪。色々と騒動みたいのはあるみたいですけど、とりあえず盛り上がってますよねー。
それでだ、東京五輪に関しても動きがあったよね? えーっと、野球とかソフトボールとかはね、日本もかつて栄光をおさめた競技ですから、採用したのは良い判断だと思います。後ね、サーフィンとかスケボーとかを採用したのもね、若者の興味を引くと思いますので、採用すべきだったと思います。
――で、育児は?
あの、私は間違いなく東京五輪で育児が競技として認められると踏んでいたのですが、今のところそのような動きはないように思えますけど……だから、英語で言い訳されても分かんねぇって言ってんだろうがっ! えーっと、アイ スピーク イングリッシュ ア リトルマイラバー。
あ、もしかしてギリギリになってから発表する的な流れですか? そんな演出効果を使ってメリハリを付けようとしている訳ですね? えーっと、メリハリって言っても分からんか。ジャパニーズ ワヴィサヴィ オーケー?
――ねぇ、育児は? この作品のタイトル知ってる? 私が第一回全世界イクメン選手権に備えるって大々的に銘打ってんの。その辺り空気読んでくれんかなぁ? だから、東京五輪の競技に育児を加えろって言ってんだよ!
私はいつに備えればいいのだっ! 目標があるからこそ備えるのであってね、このままずるずる行けば一生出番がないかもしれないのだぞ!
そもそもIOCって(I)イクメンの(O)鬼霧宗作を(C)センターに大抜擢する団体――の略称なんじゃねぇのか!
あー、もうよく分からん。もうちょっと日本語を勉強してから来い! 帰れ、お国に帰れ!
――全く、プレイステーション2で大ヒットしたゲームみたいな紛らわしい名前をしやがって。リオ五輪でちょっと浮かれすぎなんじゃねぇか?
さて、話を元に戻そう。子供は成長する度に危険も伴う。寝ているばかりだった子供の首がすわり、しばらくすると寝返りを打つようになる。寝返りをするようになるとハイハイをしたり、座ったり、つかまり立ちをしたり、いつの間にか歩いてみたりするようになる。子供の力は無限大であり、だからこそ両親は子供の成長に合わせて危険を予め回避してやらねばならない。
まず、ベッドで一緒に寝たりすると、寝返りという緊急回避を連続で行い、まず八割がたはベッドから落ちる。まさか緊急回避を連続的に行わないだろうなんて思っていたら大間違いだ。子供は親が寝ている間に緊急回避くらい軽くやる。
よし、それでは万が一にも子供がベッドから落ちてしまったら、親はどうするべきか。今回の話は長くなりそうだから、まずはこの対処法から教えよう。
とりあえず、大きな声で泣いたら一安心していいだろう。逆にベッドから落ちたのに、泣きもしないとなると注意が必要だ。続いて意識がはっきりしているかどうか、こちらの呼びかけに反応するかを確認すべきだ。反応がなければ直ぐに病院へと行くのだ。
一番良い対処法は病院に行くことだが、冷静に子供の様子を観察することにより、経過観察だけで済む場合がある。病院に行ってあれこれと検査を受けるのは子供にも負担となるからな。ただ、病院に駆け込めるのであれば、それに越したことはないだろう。
経過観察をする場合、少なくとも48時間は様子を見たほうがいい。脳に損傷があった場合、後になってから症状が出ることもあるからな。とにかく、経過観察をするにしても付きっきりで見ておいたほうがいいだろう。すこしでもおかしいと思ったら、休日だろうが夜中だろうが、病院にゴーだ。診てもらって何事もなければ、良かったねで済ませればいい。お医者様には申し訳ない気持ちになるかもしれないが、それで子供の無事が分かれば苦にもならないだろう。
あ、そうそう。そう言えばこの前【おかあさんといっしょ】について私は言及したね? あれ、あるらしい。ちゃんと【おとうさんといっしょ】ってのがあるらしい。それで、私は世の中のお父さん達のために、その番組を先日視聴してみた。その時の所感を述べよう。全国のお父さん達は参考にすればいいぞ。
――おねえさんのスカートが短い。
うん、一般的なという意味ではなく、民放ではない放送局にしては短いという意味だ。あの、おかあさんといっしょのたくみおねえさんですら、一度しかミニスカート姿を見せていないというのに、おとうさんといっしょのおねえさんはデフォルトでスカートが短いです。
いい仕事をしたな。民放ではない放送局。今後も時間があれば、子供のために――かわいい【たっちゃん】のために、私はそんなに興味はありませんけど、一緒に視聴しようと思います。
あ、もうこんな時間ですね。それでは続きはまた次回ということで。やっぱり、子供の安全を守る話になると、どうしても長くなっちゃうなぁ。余計な話なんて一切していないのに。
それでは、また次回お会いしましょう。
さて、ということで今回は、成長に従って増える危険と、その対処法についてだ。これは子供の成長を見守る親としては、かなり大事な話になるから、私もふざけないようにしようと思う。冒頭から堅苦しい文章が続いたから、勘の良い人ならば気付いていたかもしれないが、今回の私は超真面目にやろうと思う。ただし、やるとは言っていない。いいか、やろうと思っているだけで、本当に真面目にやるかは分からない! しかし、内容は真面目なはずなので、心して挑むように。
冒頭でも言った通り、子供は成長する。それも赤ん坊ともなれば日に日に成長が見えるようになる訳だ。それと共に――あ、ちょっと待って。来客だわ。
あの、ちょっと文句があって呼びつけた奴がいるから、少しだけ時間を下さい。お説教をしますので。
あー、よく来たね。IOCの代表的な人。あの、いいです。横文字とかを並べ立てなくていいので、日本語喋って下さい。日本語を。
いや、あれですよね。盛り上がってんねぇーリオ五輪。色々と騒動みたいのはあるみたいですけど、とりあえず盛り上がってますよねー。
それでだ、東京五輪に関しても動きがあったよね? えーっと、野球とかソフトボールとかはね、日本もかつて栄光をおさめた競技ですから、採用したのは良い判断だと思います。後ね、サーフィンとかスケボーとかを採用したのもね、若者の興味を引くと思いますので、採用すべきだったと思います。
――で、育児は?
あの、私は間違いなく東京五輪で育児が競技として認められると踏んでいたのですが、今のところそのような動きはないように思えますけど……だから、英語で言い訳されても分かんねぇって言ってんだろうがっ! えーっと、アイ スピーク イングリッシュ ア リトルマイラバー。
あ、もしかしてギリギリになってから発表する的な流れですか? そんな演出効果を使ってメリハリを付けようとしている訳ですね? えーっと、メリハリって言っても分からんか。ジャパニーズ ワヴィサヴィ オーケー?
――ねぇ、育児は? この作品のタイトル知ってる? 私が第一回全世界イクメン選手権に備えるって大々的に銘打ってんの。その辺り空気読んでくれんかなぁ? だから、東京五輪の競技に育児を加えろって言ってんだよ!
私はいつに備えればいいのだっ! 目標があるからこそ備えるのであってね、このままずるずる行けば一生出番がないかもしれないのだぞ!
そもそもIOCって(I)イクメンの(O)鬼霧宗作を(C)センターに大抜擢する団体――の略称なんじゃねぇのか!
あー、もうよく分からん。もうちょっと日本語を勉強してから来い! 帰れ、お国に帰れ!
――全く、プレイステーション2で大ヒットしたゲームみたいな紛らわしい名前をしやがって。リオ五輪でちょっと浮かれすぎなんじゃねぇか?
さて、話を元に戻そう。子供は成長する度に危険も伴う。寝ているばかりだった子供の首がすわり、しばらくすると寝返りを打つようになる。寝返りをするようになるとハイハイをしたり、座ったり、つかまり立ちをしたり、いつの間にか歩いてみたりするようになる。子供の力は無限大であり、だからこそ両親は子供の成長に合わせて危険を予め回避してやらねばならない。
まず、ベッドで一緒に寝たりすると、寝返りという緊急回避を連続で行い、まず八割がたはベッドから落ちる。まさか緊急回避を連続的に行わないだろうなんて思っていたら大間違いだ。子供は親が寝ている間に緊急回避くらい軽くやる。
よし、それでは万が一にも子供がベッドから落ちてしまったら、親はどうするべきか。今回の話は長くなりそうだから、まずはこの対処法から教えよう。
とりあえず、大きな声で泣いたら一安心していいだろう。逆にベッドから落ちたのに、泣きもしないとなると注意が必要だ。続いて意識がはっきりしているかどうか、こちらの呼びかけに反応するかを確認すべきだ。反応がなければ直ぐに病院へと行くのだ。
一番良い対処法は病院に行くことだが、冷静に子供の様子を観察することにより、経過観察だけで済む場合がある。病院に行ってあれこれと検査を受けるのは子供にも負担となるからな。ただ、病院に駆け込めるのであれば、それに越したことはないだろう。
経過観察をする場合、少なくとも48時間は様子を見たほうがいい。脳に損傷があった場合、後になってから症状が出ることもあるからな。とにかく、経過観察をするにしても付きっきりで見ておいたほうがいいだろう。すこしでもおかしいと思ったら、休日だろうが夜中だろうが、病院にゴーだ。診てもらって何事もなければ、良かったねで済ませればいい。お医者様には申し訳ない気持ちになるかもしれないが、それで子供の無事が分かれば苦にもならないだろう。
あ、そうそう。そう言えばこの前【おかあさんといっしょ】について私は言及したね? あれ、あるらしい。ちゃんと【おとうさんといっしょ】ってのがあるらしい。それで、私は世の中のお父さん達のために、その番組を先日視聴してみた。その時の所感を述べよう。全国のお父さん達は参考にすればいいぞ。
――おねえさんのスカートが短い。
うん、一般的なという意味ではなく、民放ではない放送局にしては短いという意味だ。あの、おかあさんといっしょのたくみおねえさんですら、一度しかミニスカート姿を見せていないというのに、おとうさんといっしょのおねえさんはデフォルトでスカートが短いです。
いい仕事をしたな。民放ではない放送局。今後も時間があれば、子供のために――かわいい【たっちゃん】のために、私はそんなに興味はありませんけど、一緒に視聴しようと思います。
あ、もうこんな時間ですね。それでは続きはまた次回ということで。やっぱり、子供の安全を守る話になると、どうしても長くなっちゃうなぁ。余計な話なんて一切していないのに。
それでは、また次回お会いしましょう。
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