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ようこそ捜査第六課へ
【ようこそ捜査第六課へ】1
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【1】
世の中の男という生き物は、実に生殖本能に従順である。生まれた時から組み込まれている本能は、時として場所や時間なども簡単に排除するのだから。
日付が変わってから、しばらく経った頃合い。深夜二時。本当ならばラブホテルにでも向かうのが筋なのであろうが、収入が親からの仕送りと、週三日程度のアルバイト賃金だけの貧乏大学生には、いささかラブホテルは贅沢すぎる。しかし、賃貸のアパートは壁が非常に薄く、しかも隣の住人が非常にうるさい人で、間違っても女を連れ込めるような環境ではない。行為の最中に怒鳴り込まれるなんてこともあり得る。
車も持っていないから、当然ながら車の中で行為にいたることもできない。しかし行為に及びたいのが男という生き物。結局、散々彼女を連れ回した挙げ句、深夜の公園……しかも樹木が植えられているちょっとした雑木林の中を、まぐわいの場へと決めた。
まだ付き合い始めて間もない彼女は、当然のように難色を示した。けれども、唇を首すじに這わせ、服の上から愛撫を始めると、簡単にその気になった。真夜中の公園で、本能のままにむさぼり合うオスとメス。互いの気持ちが高まり、彼はいきり立ったそれを彼女の陰部へと押し当てた。ぬめりとした感覚の後、彼のそれは、ほどよい暖かさに包まれた。ゆっくりと腰を動かし始める。乱れる呼吸、漏れる吐息……深夜の公園に、人類がこれまで営んできた行為が繰り返される。
オスとメスに言葉などいらない。いいや、もしかすると愛というものさえ、まぐわう分には不要なのかもしれない。その絶頂がピークへと達する――その時のことだった。
すぐそばの茂みが揺れたと思ったら、黒い人影がぬっと立ち上がる。薄っすらと辺りを照らす幻想的に月光の中、その影は笑っているように見えた。その恰幅から間違いなく男であろう。何よりも、その人影は下半身の衣服を全て膝の辺りまで降ろし、そして自らの陰部を握りしめていた。いきり立ったそれを鎮めるかのごとく、激しく上下へと手で擦りつつ――けれども男は不気味な笑みを浮かべている。
行為を覗かれていたという羞恥心と、断りもなく覗き行為をしていた男への怒り。さっきこそ呆気にとられてしまったが、ぎりぎりで羞恥心よりも怒りのほうが勝った。
「――ちょっと、何してんだよお前。見世物じゃねぇぞ!」
彼女と繋がったままというのが情けないが、彼は精一杯の虚勢を張り、男を威嚇する。少なくとも、この時点では逃げるという選択肢はなかった。
世の中の男という生き物は、実に生殖本能に従順である。生まれた時から組み込まれている本能は、時として場所や時間なども簡単に排除するのだから。
日付が変わってから、しばらく経った頃合い。深夜二時。本当ならばラブホテルにでも向かうのが筋なのであろうが、収入が親からの仕送りと、週三日程度のアルバイト賃金だけの貧乏大学生には、いささかラブホテルは贅沢すぎる。しかし、賃貸のアパートは壁が非常に薄く、しかも隣の住人が非常にうるさい人で、間違っても女を連れ込めるような環境ではない。行為の最中に怒鳴り込まれるなんてこともあり得る。
車も持っていないから、当然ながら車の中で行為にいたることもできない。しかし行為に及びたいのが男という生き物。結局、散々彼女を連れ回した挙げ句、深夜の公園……しかも樹木が植えられているちょっとした雑木林の中を、まぐわいの場へと決めた。
まだ付き合い始めて間もない彼女は、当然のように難色を示した。けれども、唇を首すじに這わせ、服の上から愛撫を始めると、簡単にその気になった。真夜中の公園で、本能のままにむさぼり合うオスとメス。互いの気持ちが高まり、彼はいきり立ったそれを彼女の陰部へと押し当てた。ぬめりとした感覚の後、彼のそれは、ほどよい暖かさに包まれた。ゆっくりと腰を動かし始める。乱れる呼吸、漏れる吐息……深夜の公園に、人類がこれまで営んできた行為が繰り返される。
オスとメスに言葉などいらない。いいや、もしかすると愛というものさえ、まぐわう分には不要なのかもしれない。その絶頂がピークへと達する――その時のことだった。
すぐそばの茂みが揺れたと思ったら、黒い人影がぬっと立ち上がる。薄っすらと辺りを照らす幻想的に月光の中、その影は笑っているように見えた。その恰幅から間違いなく男であろう。何よりも、その人影は下半身の衣服を全て膝の辺りまで降ろし、そして自らの陰部を握りしめていた。いきり立ったそれを鎮めるかのごとく、激しく上下へと手で擦りつつ――けれども男は不気味な笑みを浮かべている。
行為を覗かれていたという羞恥心と、断りもなく覗き行為をしていた男への怒り。さっきこそ呆気にとられてしまったが、ぎりぎりで羞恥心よりも怒りのほうが勝った。
「――ちょっと、何してんだよお前。見世物じゃねぇぞ!」
彼女と繋がったままというのが情けないが、彼は精一杯の虚勢を張り、男を威嚇する。少なくとも、この時点では逃げるという選択肢はなかった。
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