巣喰RAP【スクラップ】 ―日々の坂署捜査第六課―

鬼霧宗作

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明け方のラブホテルにて

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「いやいや、許可なく拳銃改造して、許可なく模擬弾をぶっ放して、それを捜査一課に指摘されたからって、捜査一課の連中に向かってぶっ放せば、そりゃ謹慎処分にもなるわ。なぁ?」

 堀口の肩を田之上が叩いて同意を求めてくるが、話がぶっ飛び過ぎていて、どう反応していいのか分からない。とりあえず苦笑いを浮かべながら、曖昧に頷くことしかできなかった。

「あいつらも馬鹿だよねぇ。僕が本気であいつらのことを撃つわけないじゃん。時代劇でいうところの峰打ちだよ? それなのに、ギャーギャーと騒いでさぁ。あの無能な集団、どうにかならないのかねぇ」

 同性から見ても明らかに細身で、シャギーの入った黒髪に聡明そうな眼鏡顔。外見だけはまともに見えたものだから期待してしまったが、やはり六課の人間は六課の人間ということか。謹慎処分になった理由も妥当ではないか。

 ただ、刑事が拳銃を扱うには、原則的なルールが存在する。当たり前のように拳銃を現場に持ち込めるなんて、六課には特例でもあるのだろうか。

「まぁ、なんにせよ桂も復帰したことだし、これで俺は堂々とサボれるわけだ。ということで寝る。おやすみなさい」

 これまでも堂々とサボっていたではないか。思わず喉まで出かかった言葉を堀口が飲み込むと、ついさっき桂が入ってきたばかりの扉が再びノックされた。普段はほとんど人が寄りつかない部署なだけに、今日はやけに六課が騒がしいような気がする。

 今度はぴっちりと髪の毛をワックスで整えた、小柄な男だった。年齢的には若く見えるが、それは小柄なせいなのかもしれない。

「ちょっとこっちに用事があったので、寄らせてもらいました」

 桂に雅、そして薄目を開けた田之上は男のことを知っているらしく、特に田之上がわざとらしく大きな溜め息をついた。どう見ても歓迎しているようには見えなかった。

「捜査一課の使いっ走りが何の用だ?」

「相変わらず口が悪いですね。とりあえずこれをお納めください」

 男はそう言いつつ、片手に持っていた箱を応接テーブルの上へと置いた。箱には毛筆体で【宝文堂】と書かれている。

「捜査一課の使いっ走りにしては気が利くじゃねぇか」

 田之上がむくりと起き上がる。それに対して「そして相変わらず現金ですね」と男はぽつりと漏らして続ける。

「宝文堂の焼きプリン。確か天野さん好きだったよね?」

 男の言葉を遮り、目を爛々らんらんと輝かせていた雅が、いきなり男に抱きついた。

「さっすが、ぼんばーいぇー! 分かってるぅ!」
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