【本編完結】伝説の最強ドラゴンは心優しき白猫を溺愛す

ルコ

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最南の島

エナ4

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 歓迎会が始まった。何と王族のみなさまが全員人型になってらっしゃる?!

「主役の登場だ!エナちゃん、人型の我々とも仲良くしてくれると嬉しい。
まずは乾杯だ。ほら、カンパ~イ!!
さぁみんな、今は身内だけだし好きに歓談して飲み食いしていいぞ。」

ボビー様のそんな言葉で迎え入れられた僕。天井は異常に高いが普通に魔族の国の宴会場くらいに仕切られた会場は、立食パーティーの形式を取っており、僕にも食べやすいメニューが並んでいた。
ティムが持って来てくれたアルコール度数が低いカクテルで乾杯し、ちょびちょび飲んだ。

特に何かをするわけでもなさそうでホッとする。

そして・・・どうでもいい事かもしれないけど、ドラゴンが人型になった時の美形率すごくない?!ローゼ様は言わずもがな、ボビー様のイケオジっぷりを筆頭に、レニちゃんの美少女っぷり、マニくんの美少年っぷりがヤバい。

その後紹介された、ボビー様の弟で宰相のショーン様(契約精霊はジャバウォックのゼン)、その奥様のマイ様(アナンタのブラン)その息子のベズくん(アジ ダハーカのリム)、ジャックくん(ウロボロスのクルー)、娘のサラちゃん(ティアマトのライア)と、もれなくイケオジ、美女、美青年、美少女のオンパレードだ。

「ティム、マーキングし過ぎだ。誰もエナちゃんを取らないから。」

ジャックくんが言う。

「いや、お前が一番あやしいだろ。エナに手を出すなよ。」

「ん~確かに好みだけど?ティムの番に手を出すほど愚かじゃない。あぁ、けど俺も魔族の国へは行ってみたいな。俺の番もいるかもしれない。」

「え~それならわたしも行きたい!番のアプスが見つかるかもしれないもの。」

サラちゃんもそう言い出す。ティアマトの配偶神はアプスだもんね。

「一年後に、魔族の国へと留学するのはオレとレニとマニだからな。お前らはその後だ。まぁ、オレたちが居る間に遊びに来るくらいはいいんじゃないか?ワープポイントを使えるのは魔族だけだから最初は飛んで来るしかないがな。」

「まっ、最初からそういう話だったからね。カグヤ様たちが来られた時に、俺たちは参加出来なかったから仕方ない。三年くらい待つよ。」

本気でジャックくんも魔族の国に留学する気なのかな?

そうこうしているうちにネルからドナへ連絡が来た。リン兄がワープポイントを設置し終わったみたい。試運転で魔族の国へと戻って父さんとコウ兄を連れて来るって!

僕はティムに父さんたちを迎えに行きたいと伝えると、一緒に行ってくれるとの事。良かった。迷いそうだったんだよね。

ボビー様に一声かけて行こうとしたら、何と全員で行く事になってしまった。

「ここにいる全員が交代でワープポイントに魔力を注ぐんだから、リン殿にその方法を教えてもらった方がいいだろ?
ついでにエナちゃんの家族のお出迎えだ。人型ならみんなであの部屋に入れるからちょうどいい。」

ま、まぁそうなんだけど・・絶対びっくりするよね。ごめん、父さん、コウ兄、リン兄。

 ワープポイントの前で待っていると、リン兄、コウ兄、父さんが現れた。三人ともポカンとした表情で固まっている。そりゃそうだよね。けど、流石リン兄!いち早く我にかえったみたいだ。

「・・えっ?!みなさまおそろいで・・・しかも人型?どうなさったんですか?」

「おぉ、リン殿よく戻られた。設置は成功のようだな。ご苦労だった。ここにいるの者全員で魔力の補充をするから、みんなでやり方を教わろうかと思ってな。それと・・ようこそ最南の島へ!エナちゃんの父君と兄君!おれは王のボビーだ。」

ボビー様の言葉を受け、リン兄が返事する。

「ありがたいお言葉です。こちらはエナの父のアキと契約精霊でアジアチーターのフィー、その横が兄のコウと、同じくウンピョウのジンです。」

「キャ~!フィーちゃんもジンちゃんも可愛い!!」

うん、レニちゃんはブレないね。けど、その美少女姿だと微笑ましいし、フィーもジンもまんざらでもなさそう。ネルはドラゴン姿のレニちゃんを知ってるから警戒してるけど。

「・・レニ、うるさい。」

ん?ベズくんはヤキモチかな?

「では魔力の補充方法を説明しますね?この場所に手を置いて魔力を流して下さい。ドラゴンの手でも大丈夫なように大きめにしてあります。
そうですね、瞬間移動出来るギリギリの場所まで飛べるくらいをお願いします。それを一日三回、つまりここから魔族の国に瞬間移動する魔力を貯めるわけです。
さっきは初めてなのでマニ様に三回分の魔力を流して頂きましたが・・みなさまが協力してくださるとの事なので、一体につき一回、一日三回に分けると楽かと思います。あっ、誰もワープポイントを使わなければ魔力は減らないので、ここの色が青なら注がなくて結構です。黄色か赤なら注いでください。」

「なるほど。瞬間移動一回なら最大距離分でも何の問題もない。基本順番に一日三体が魔力を流せばいいのだな?分かった。リン殿に感謝する。今もおれが流しておこう・・・青になったな。これでいいか?
では、歓迎会を再開する!!今度は父君と兄君、リン殿の歓迎会も同時に行うぞ。まずは元の場所に戻ろう。」

ボビー様に従いみんなで会場に戻ると・・そこにはエリン様が人型で肉を頬張ってる姿・・・?!
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