【本編完結】腕白王子ちゃんの純真と甘い調教

ルコ

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ユイ カフェ マデリカ

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「あらためまして、俺は春日 蓮人。普段はここ、マデリカで働いていて、ジュンさんのライブがある時は専属でPAをしてます。
PAって分かる?簡単に言うと音の調節をする音響さん。出過ぎてる音を抑えてボーカルの声を聞きやすくしたりとかね。
ミキサーって摘みがいっぱいついた機材を、ライブハウスやクラブの後方でいじってる人だよ。」

「へー!そうか。自分で歌ったり楽器やったりしなくても、バンドに関わる事って出来るんですね。」

「ユイくんはジュンさんのファンなんだって?しかも、お母さんが昔ジュンさんと結婚してた事も知らずにMAGのファンになったって本当?」

「あ、はい。あの、レンさんは俺の母さんの話とか嫌じゃないんですか?俺、今日本当に来ても良かったのかなって・・」

「ユイくんはいい子だね。そうだなぁ。お母さん本人に会うのは流石に躊躇するけど、ユイくん自身には何も含むところはないよ。寧ろその歳で動画見てMAGのファンになって、当時のジュンさんの格好の真似してる子なんて会ってみたいじゃない。
しかも、実はキョウくんの弟で、何故か俺に似てるとかもう興味しかないよ?」
「実は俺もね、中学から高校時代はそんな頭してたの。もちろんジュンさんの真似。その頃はライブに行くだけで直接的な面識はなかったんだけどね。
だから本当に昔の俺みたいで親近感湧くんだよなぁ。」

「レンさんがそんなに興奮して喋るの珍しいね。」

冬崎先輩がメンチカツをハンバーガーにして食べながら言う。

「アスラちゃん、今日はユイくんを誘ってくれて本当にありがとう!」

「けど、ユイくんはお母さんとそっくりなんだろ?て、ことはレンさんとユイママさんも似てるってわけで・・ジュンさんの好みが丸わかり何だけどそれってどうなの?」

「うーん、ユイくんのお母さんの代わりって言われたらショックだけど、流石にそれはないって実感出来るほどには愛?って言うか執着されてるからね。
単に見た目が好みなのは嬉しい?かな?」

何と言うか大人の意見だ。けど、俺を本気で歓迎してくれているようなのでホッとする。

「親父は確かに見た目の好みは分かりやすいけど、好みだけじゃ付き合わないよ。普通一回やったら終わりだからねぇ。レンさんの事はよっぽど好きなんだと思うよ。」

うわっ!兄が喋った!何か本当に無表情だから人間っぽくないんだよな。シグが神とか言うのちょっとだけ分かる。ってずっとほったらかしだったけどシグは何してる?・・・あぁ、ひたすら兄を見て恍惚の表情を浮かべてるから大丈夫だな。

「いや、キョウくんに言われると何か恥ずかしいんだけど・・・
それでユイくん。何でまたMAGの動画に辿り着いたの?偶然?」

「へっ?あ、俺何かでパンクを知って攻撃的な音やファッションがカッコいいなって思って調べてみたら、D.I.Y精神ってのに感銘を受けたんです。
で、色んなパンクバンドの動画を見まくって、一番衝撃的で一番好みの音楽やってたのがMAGで・・・ぐえっ!!」

レンさんがこっちに来て俺にハグしてる??!

「ユイくん最高!!今時の若者の口からD.I.Y精神とか聞けるとは思わなかったよ?!俺も同じ感じでめちゃくちゃパンクが好きでさ。俺はパンクから発生したオルタナティブの方にハマったけど、MAGはパンクでもオルタナティブでもあるからね。あっ、他にもおすすめのバンドとか教えてあげるよ。連絡先交換しない?」

「うわぁ!嬉しい。いいんですか?よろしくお願いします。」

二人で連絡先の交換をしていたら、ランさんがランチを運んで来てくれた。

「はい、メンチカツでパン付きと、バターチキンカレーになります。それとレンのパスタね。」

「ありがとうございます。うっわ美味そう!!いただきま~す!」

メンチカツは二個あるので、まずはそのまま食べてみる。

「あつっ!うっまぁぁ!!」

揚げたてで、切ると肉汁が流れ出るメンチカツは文句なしに美味しかった。ソースがなくても中にしっかり味がついているので充分に旨い。中に入ってるキャベツと玉ねぎも良い仕事してるよ。

横を見るとバターチキンカレーも色とりどりの揚げ野菜が乗っていてめちゃくちゃ美味そうだ。

「一口食べますか?野菜は何がいいですか?」

「いいの?じゃあナス!」

「はい、熱いから気を付けてくださいね。」

スプーンにカレーとご飯、ナスを上手く乗せて俺の口の前に差し出すシグ。
こ、これはあ~んしろと?恥ずかしくて周囲を見るも、冬崎先輩は兄に口の周りを拭かれているし(もう今にも膝の上に乗せそうなくらいのいちゃつきっぷりだ)、レンさんも何も気にせずパスタを食べている。ふ、普通なのか?これ?

なので俺も口を開けて、カレーを味見する。これまたうっまぁ~!!

「美味しい!あっ、シグもメンチカツ食べる?」

「はい、一口よろしいですか?」

そう言って口を開けるので、俺も一口大に切ったメンチカツをフォークに刺してシグの口に入れた。

「あぁ、美味しいですね。最高です。ユイに食べさせていただいて、前にはキョウ様がいらっしゃる。このような至福のひと時を過ごせるなんて!!これもキョウ様が起こされた奇跡ですね!
まずキョウ様とユイが血縁関係にあるのも奇跡ですし、ユイがジュン様のファンになってウチの学校に進学したのも奇跡!
そしてユイが私の恋人になった事もキョウ様が無意識に起こされた奇跡に違いありません!!!」

「プハッ!親衛隊長、シグくんだっけ?相変わらずブレないね~ユイくん、シグくんと付き合いだしたんでしょう?
本当に大丈夫なの??」

・・レンさん、心配してくれてありがとうございます。俺もそう思います。

本当に大丈夫なの??!
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