19 / 88
夕日が綺麗ですね。
19
しおりを挟む俺はどのくらいそこに立ち尽くしていたか分からないが、とにかくずっとそこにいた気がする。
ブーー、ブーー
「!…で、電話か……」
画面を見ると時雨からだった。
「俺だ。どうした?」
『どうした?じゃありませんよ。
どこにいるんですか?
かれこれ、1時間経ってますけど』
「そ、そうか。すまない。今すぐ、帰る。」
『そうして下さい。風紀委員室で、待ってますので』
「ああ、出来るだけ急ぐ」
そう言って、電話を切る。
風紀委員室に向かいながら考える。
自分は何故あの時蛇島を引き止めたのか
何故蛇島の嬉しそうな顔を見て、自分も嬉しくなったのか。
(分からない…)
あの時引き止めなかったら、こんな変な感情を持つこともなかったのに……
何故だろう………
さっきから疑問しか浮かばず、答えなんか見つからないどうどう巡り。
(ああ、それでも……)
(アイツを、蛇島のことを…)
「…………もっと…………知りたい。
蛇島の気持ちが……知りたい」
そして、何よりの疑問は………
蛇島神楽という男が、頭からこびり付いて離れないのは何故だろう
夕日が綺麗ですね。
=貴方の気持ちが知りたいです。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
128
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる