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学園で過ごす日々
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ミネルヴァが卒業するまでの一年間、仲がいいのか悪いのか、と周りが悩む程度の仲の良さで過ごす。
ミネルヴァが卒業後にアルベールから話があった。アルベールと同学年にアルベール達の従兄がいる、と。成績が優秀なのだが以前は出席日数が少なくて卒業が危ぶまれていたらしい。その従兄とミネルヴァは縁談が出ていたそうなのだが、ミネルヴァは断られた、と。
「ジェロームは君との縁談を進めたがってるのだけどお父上と兄上から強烈な反対があるうえにプロスペール兄上が、君はもう王族と関わりたくはないだろう、って」
アルフォンスが引き取って話す。
「で、ミネルヴァは意地になったんだと思う。……一応、君の兄に報告はしてある」
「そうですか。兄からはなにも」
「そうか。で、だ。秋には今までは何もしてなかったけど、秋の試験休みに君の実家の領地で合宿をしたいんだ。次の春は君は忙しいだろうし」
ヴィクトリアは言われた意味が分からなくて小首を傾げた。
「……次の春はライザ姉上と君の兄上の式があるから女主人がいない君の家だと君が女主人役をするのだろう?」
「どうなんでしょうか……、それこそ兄にはなにも言われてません」
「……そうか。そういうものなのかな?」
アルチュールは少し考え込んだ。
「で、領地の件は私が問い合わせを?」
「いや、それはクラブから依頼をだして許可ももらった」
アルベールがヴィクトリアに伝えた。
「という事を聞いたんだけど、兄様、私がすることは?」
「どっちかというと……手を出されるのはライザが嫌がる。この屋敷の女主人だと既に思ってて……エリスさんをいびり倒したからこれを機にエリスさんは永遠にサラの所、デュカス子爵家で家政を取り仕切る事になった」
ヴィクトリアはそれを知らなかった
「せっかくトリアとライザが上手くいってるんだから余計な情報はいれたくなかった」
ポールはそう言った。
「ただライザは苛烈な性格なんで少しでもトリアの言動に気に入らないところがあれば面倒な事になるのは目に見えているから……。悪いが、トリアは学園の寮に入ってもらうことになる」
ヴィクトリアはあっさり頷いた。
「判りましたわ」
「一緒に行くのはアリーナとミリエル。二人が着く」
「寮ってメイドをつれていけるものなんですか?」
「……普通の令嬢はメイドがいないと何もできないからね」
ヴィクトリアは少し不満そうだった。
「公爵家なんで女子寮最上階の特別室が与えられるはずだし、部屋の掃除や朝夕の食事をアリーナが作れるから良いと思うよ」
「そうですね、アリーナの作るものは美味しいから」
ポールはぶっちゃける。
「正直ライザの性格じゃ早晩嫁と小姑の争いになるだろうし。トリアの性格と物言いじゃ火に油を注ぐしね」
「私、そう言うつもりはございませんわ」
ポールは頷く。
「俺は判ってる、けどね。父上に対してもそうだったろう?多分ライザは父上程度もトリアの性格はわかってないから何を言っても悪くとる。トリアに対しては好感情しかない内に引き離しておきたいので」
「兄様の仰せのままに」
ヴィクトリアは少しおどけてポールに同意した。
「そういえばサラはエリスさんがそちらに行くことに反論はなかったのですか?」
「デュカス子爵家からはなかったな。謝意は伺ったが」
ポールはさらりと流した。
ミネルヴァが卒業後にアルベールから話があった。アルベールと同学年にアルベール達の従兄がいる、と。成績が優秀なのだが以前は出席日数が少なくて卒業が危ぶまれていたらしい。その従兄とミネルヴァは縁談が出ていたそうなのだが、ミネルヴァは断られた、と。
「ジェロームは君との縁談を進めたがってるのだけどお父上と兄上から強烈な反対があるうえにプロスペール兄上が、君はもう王族と関わりたくはないだろう、って」
アルフォンスが引き取って話す。
「で、ミネルヴァは意地になったんだと思う。……一応、君の兄に報告はしてある」
「そうですか。兄からはなにも」
「そうか。で、だ。秋には今までは何もしてなかったけど、秋の試験休みに君の実家の領地で合宿をしたいんだ。次の春は君は忙しいだろうし」
ヴィクトリアは言われた意味が分からなくて小首を傾げた。
「……次の春はライザ姉上と君の兄上の式があるから女主人がいない君の家だと君が女主人役をするのだろう?」
「どうなんでしょうか……、それこそ兄にはなにも言われてません」
「……そうか。そういうものなのかな?」
アルチュールは少し考え込んだ。
「で、領地の件は私が問い合わせを?」
「いや、それはクラブから依頼をだして許可ももらった」
アルベールがヴィクトリアに伝えた。
「という事を聞いたんだけど、兄様、私がすることは?」
「どっちかというと……手を出されるのはライザが嫌がる。この屋敷の女主人だと既に思ってて……エリスさんをいびり倒したからこれを機にエリスさんは永遠にサラの所、デュカス子爵家で家政を取り仕切る事になった」
ヴィクトリアはそれを知らなかった
「せっかくトリアとライザが上手くいってるんだから余計な情報はいれたくなかった」
ポールはそう言った。
「ただライザは苛烈な性格なんで少しでもトリアの言動に気に入らないところがあれば面倒な事になるのは目に見えているから……。悪いが、トリアは学園の寮に入ってもらうことになる」
ヴィクトリアはあっさり頷いた。
「判りましたわ」
「一緒に行くのはアリーナとミリエル。二人が着く」
「寮ってメイドをつれていけるものなんですか?」
「……普通の令嬢はメイドがいないと何もできないからね」
ヴィクトリアは少し不満そうだった。
「公爵家なんで女子寮最上階の特別室が与えられるはずだし、部屋の掃除や朝夕の食事をアリーナが作れるから良いと思うよ」
「そうですね、アリーナの作るものは美味しいから」
ポールはぶっちゃける。
「正直ライザの性格じゃ早晩嫁と小姑の争いになるだろうし。トリアの性格と物言いじゃ火に油を注ぐしね」
「私、そう言うつもりはございませんわ」
ポールは頷く。
「俺は判ってる、けどね。父上に対してもそうだったろう?多分ライザは父上程度もトリアの性格はわかってないから何を言っても悪くとる。トリアに対しては好感情しかない内に引き離しておきたいので」
「兄様の仰せのままに」
ヴィクトリアは少しおどけてポールに同意した。
「そういえばサラはエリスさんがそちらに行くことに反論はなかったのですか?」
「デュカス子爵家からはなかったな。謝意は伺ったが」
ポールはさらりと流した。
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