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第二章

ダンジョン掃除 3

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 「おかしい」

フロアの真ん中くらいでDランク冒険者、ジャンが呟いた。

「なぁモンスターの数が少なくないか?」

「すでに入口にたかってるのでは?」

エドが考えていた事を述べる。

「つまり……外の職員の仕事次第か」

「そう言う事だろうなぁ」

ほかの冒険者も同意した。



 2層目の入口では先ほど1層目のスライムを一掃した魔導師が2層目の角ウサギを一掃した。

「私が一掃できるレベルはここまでよ。3層目以降は……」

ギルド職員は一層目の様子から鑑みてもモンスター津波が起こりかけているだろうとこの魔導師と話し合う。

「……全員入口まで連れて行って、入口で迎え撃ちましょう。3層目以下はA班次第になりますが」

ギルド職員の言葉に魔導師、この人もギルド職員である、も頷く。

「人員の追加をお願いしなければ」

「ええ。せめてここにいる子たちを外に出せば」

二人は急いでそのセーフエリアにいる新人や低級の冒険者達を立ち上がらせる。もう無理と半泣きの子たちを叱咤し1階層目に立つと、ぼつぼうっと色変わりが増えている。

「……これは私じゃ一撃は普通のスライムだけだわ」

「雷で一撃、あとは眠らせながらいける?」

「短くなら」

冒険者として上級になれなかった魔導師はそれでも精いっぱい努力していた。

「最悪入口に近づけば先に行った子達がいる」

「そうね」




 入口辺りに近づけばそこは折り重なるスライムで壁が出来ていた。

「ジャン、聞こえる」

「ばかっ大声だすな」

ギルド職員の声にジャンが反応した。

「これから、他の子を連れてその階段の向けて突破するから、道をつくって」

「仕方ないな。後ろからそろそろ追いついてくるだろう。そういうのはそっちで処理して
くれよ」

すでに息が上がっている魔導師はMP回復用のポーションを飲む。

「そっちの一部を凍らせます、長持ちはしませんが何とかしてください。そこを開けてください、わかりましたね」

魔導師の小さな言葉にギルド職員が頷いた。その手には鉈がもたれている。

「私もがんばります。皆、後ろの奴は任せたよ」

冒険者達も頷く。後ろからのスライムはまた彼らで対処できる数であった。



 「はやく、階段に」

幼げな少年少女を階段に送り込む。その場で崩れ落ちた魔導師をギルド職員は引きずって階段室にほりこんだ。

「初級者たちで余力がある人はジャン達を手伝って」

職員の言葉に数人の冒険者が応じる。

「私はダンジョンの入口の外にいる職員に増援を頼んでくる。これはモンスター津波がおこるかもしれない」

職員の言葉にみなぴりっと来たようだった。

「つまり低層のモンスターは俺たちが止めるしかないって事だな」

ジャンの言葉に皆頷いている。エドは職員の声をかける。

「増援ついでに、酸のボルトを持ってきてもらえますか?」

「わかった。弓矢とかも持ってきてもらう。銃のもだな。余分の武器も頼んでおく」

ギルド職員は請け負ってくれた。
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