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第四章

守護者とのコンタクト

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 大きな広間にマジックボックスからテーブルやら保温の魔法のかかったシチューの鍋がおかれる。

「腹が減っては戦は出来ぬ、だな」

前陛下が楽しそうに宣う。

「アル、あれがお前のじーさんの本性だからな」

グランサニュー公爵がアルに教える。

「王宮にいた時の沈痛に眉を顰めて考え深げな時はな、……どうやって王宮を抜け出すか考えてたんだよ」

「えーと」

アルは返答に困っている。



 「んー、これは、……来た、かな?」

半数が寝入った頃にドニとエリクは聖句を唱えたあと魔法を使った。

「これでいけるはず。……やはり女性のの匂いには敏感、なのかな?」

エリクの言葉に寝ていたはずのフロランが起き上がって答える。

「違う。アルノー伯と契約した精霊がいる」

「フロランじゃないな?」

エリクが問う。

「ああ、フロランの体を借りた。蜜の玉のお陰だ。……アルマン、ちょっと失礼」

フロランがアルの胸の真ん中に手をあてているようにみえる。が、精霊がアルのペンダントを通じ守護者に逢いに行ったようだった。フロランがその場で崩れ落ちる。

「……寝てる?」

「寝てる、ね」

神殿の騎士が仕方ない、とフロランを寝床に戻そうとしたがドニが制止した。

「殿下、ペンダントをしっかり手に持ってフロランの額にそれをあててやってくれ」

「こうですか?」

床で伸びているフロランの横でアルは座り込みフロランの額に手を当てた。雪を凍らせて平らにした床の上に断熱用の木の板を組み合わせ、この地の魔獣たちの毛皮の端を利用して作った敷布を敷き詰めているのでフロランが床に寝ていても凍える事はない。



 「ちょっと大精霊の力を借りてる」

フロランが急に話始めた。

「守護者だ。フロランの体を借りるのに大精霊の力を借りた。……陛下が金の魔力の粒を5つほど献上させられてたが」

いつもの様子と違うフロランは床に胡坐をかいてる。

「大精霊曰く、アルノー伯に薬で操られてる精霊がマドレーヌの存在を知らせたようだ。相手も斥候に精霊をつかっている。その上で先行隊とアルノー拍は無関係だそうだ。先行隊は廃神殿の奥、地下の礼拝堂には入っていない模様でアルノー伯の気配はそこにあると。そこからモンスターが沸いてるんだけど、先行隊の気配で沸いたモンスターは迂回する経路を取って下に降りてるらしい。そっちの氷の精霊からこっちの氷の大精霊が得られた情報だ。そっちは使いにさせられている精霊が振りまいている空気のせいでそのあたりの精霊全体の調子がおかしいようだ。フロランの精霊は金の蜜の玉を貰えたおかげで正気を保ってられる、らしい。その廃神殿周りにいる精霊全体を浄化できる術と魔力をこっちにいる無属性の大精霊がフロランの精霊に与えてかえすので少し楽になるぞ」

そこまで言うと守護者がアルの手にあるペンダントのペンダントトップを握る。外からは
フロランがアルの右手を両手で包み込んでいるように見える。

「取り急ぎはそんなところか。エチエンヌ、銀の葉っぱは何枚持ってる」

「20枚程度ですな」

グランサニュー公爵が即答する。

「判った。日に一度、夕刻に情報共有をしよう」

「わかりました」

要は銀の葉の手紙を送ってこい、と言う事だとグランサニュー公爵は理解した。
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