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第四章
精霊とフロラン
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暫くするとフロランの意識が戻った。アルには自分の胸元かペンダントトップから薄い
光がフロランの額に繋がっているのが見えた。これが見えているのはアルと公爵だった。
前陛下はかすかになにかあるような気もする程度に感じられているらしい。
ドニがフロランに自分の魔力を流す。フロランはじっとしていた。
「ウジェ、この子の体質は知ってたか?」
「体質?」
ウージェーヌはぴんと来ていないようだ。
「霊媒の素質がたっぷりとあるな。危なっかしい」
ウージェーヌが答えるより先にフロランの口が開いた。
「だから精霊が守っている。領主の血に組み込まれた呪いの一つだ」
フロランが頭をかきかき言う。
「って事らしいです。本当はなにかいうべき事があると精霊が判断したら俺の体貸して父には告げてたんだけど。父以外は、クロードも含めて、俺がここまで簡単に精霊に体を貸せる事を教えてませんでした。悪用されても困りますからね。ただ、これは精霊たちや守護者がいるところの話になりますが今契約している精霊のものであると印があるらしく、
精霊が許さないと俺の体を他の何かが使う事は出来ない、らしいです」
「何故そこで守護者様が?」
フロランの言葉にアルが疑問を呈する。
「ああ、守護者様今は各大精霊と『契約』をした状態なんです。なので人としての形を失っても人としての命は失ってない」
グランサニュー公爵がフロランの言葉を引き取る。
「というより、国の守護をするために人の形を捨てたのだと俺は思ってる。守護者の樹と一体化し、精霊たちの力を借りれるように、な。多分そのあたりに契約の対価なんかの話があるのだろうけどな」
公爵の言葉は続く。
「多分、精霊の世界では大精霊に次ぐ位置なのではないかな?フロランの精霊とも難なく通じ合ってただろう?精霊と言うのは元来気難しいものだ。新参の、初めて顔を合わせた時から守護者様と通じていたと言う事はフロランの精霊より上位にいるのだろ。……フロランの精霊は中位以上の力はありそうだな」
フロランは首を傾げていたが精霊に何か言われたようだ。
「ああ、全ての辺境の精霊の加護を与えている、辺境の領主に力を与える精霊はその地域で一番力を持つ上位精霊が担当してるそうです。ただし地域というのは人間の言う領地、とは違うようですね」
公爵は深く頷いた。
「少しフロランに訊きたいことがある」
アルがフロランに訊ねる。
「なんですか?」
「俺やマドレーヌの様にフロランが飛ばされたら精霊を通じて聯絡ができる?」
「俺が飛ばされたら……どうなんでしょうね?多分、精霊がそれを実行させないと思う」
「今、思いついたんだけど」
エリクが口を出した。
「使った魔法陣に加護の剥ぎ取りとか組み込んでいたら無理じゃないかな。そのあたり調べたいな」
「この騒動が終わってからな。今は使ってた魔法陣は余人が触れぬ場所に置いてある」
「はーい」
エリクをあやすようにグランサニュー公爵が言う。
「ま、それつかって殿下の魔法教育しますけどね。マドレーヌ嬢とフロラン、ルカにもね」
「エリク、マドレーヌは抜いてくれ」
ウージェーヌが言う。
「あの子が転移覚えたらヤバイ。何するか、何思いつくかわからん」
光がフロランの額に繋がっているのが見えた。これが見えているのはアルと公爵だった。
前陛下はかすかになにかあるような気もする程度に感じられているらしい。
ドニがフロランに自分の魔力を流す。フロランはじっとしていた。
「ウジェ、この子の体質は知ってたか?」
「体質?」
ウージェーヌはぴんと来ていないようだ。
「霊媒の素質がたっぷりとあるな。危なっかしい」
ウージェーヌが答えるより先にフロランの口が開いた。
「だから精霊が守っている。領主の血に組み込まれた呪いの一つだ」
フロランが頭をかきかき言う。
「って事らしいです。本当はなにかいうべき事があると精霊が判断したら俺の体貸して父には告げてたんだけど。父以外は、クロードも含めて、俺がここまで簡単に精霊に体を貸せる事を教えてませんでした。悪用されても困りますからね。ただ、これは精霊たちや守護者がいるところの話になりますが今契約している精霊のものであると印があるらしく、
精霊が許さないと俺の体を他の何かが使う事は出来ない、らしいです」
「何故そこで守護者様が?」
フロランの言葉にアルが疑問を呈する。
「ああ、守護者様今は各大精霊と『契約』をした状態なんです。なので人としての形を失っても人としての命は失ってない」
グランサニュー公爵がフロランの言葉を引き取る。
「というより、国の守護をするために人の形を捨てたのだと俺は思ってる。守護者の樹と一体化し、精霊たちの力を借りれるように、な。多分そのあたりに契約の対価なんかの話があるのだろうけどな」
公爵の言葉は続く。
「多分、精霊の世界では大精霊に次ぐ位置なのではないかな?フロランの精霊とも難なく通じ合ってただろう?精霊と言うのは元来気難しいものだ。新参の、初めて顔を合わせた時から守護者様と通じていたと言う事はフロランの精霊より上位にいるのだろ。……フロランの精霊は中位以上の力はありそうだな」
フロランは首を傾げていたが精霊に何か言われたようだ。
「ああ、全ての辺境の精霊の加護を与えている、辺境の領主に力を与える精霊はその地域で一番力を持つ上位精霊が担当してるそうです。ただし地域というのは人間の言う領地、とは違うようですね」
公爵は深く頷いた。
「少しフロランに訊きたいことがある」
アルがフロランに訊ねる。
「なんですか?」
「俺やマドレーヌの様にフロランが飛ばされたら精霊を通じて聯絡ができる?」
「俺が飛ばされたら……どうなんでしょうね?多分、精霊がそれを実行させないと思う」
「今、思いついたんだけど」
エリクが口を出した。
「使った魔法陣に加護の剥ぎ取りとか組み込んでいたら無理じゃないかな。そのあたり調べたいな」
「この騒動が終わってからな。今は使ってた魔法陣は余人が触れぬ場所に置いてある」
「はーい」
エリクをあやすようにグランサニュー公爵が言う。
「ま、それつかって殿下の魔法教育しますけどね。マドレーヌ嬢とフロラン、ルカにもね」
「エリク、マドレーヌは抜いてくれ」
ウージェーヌが言う。
「あの子が転移覚えたらヤバイ。何するか、何思いつくかわからん」
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