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第四章
溢れる雪角ウサギ
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ドーム内に戻った冒険者の面々はエリクがストレージから出したポトフや焼きたての荒い生地のパンにかぶりついている。
「熱い珈琲がなによりの馳走だな」
ドニはかなり冷えたらしく冷たい手を珈琲の入ったカップで温めながら呟いている。
「体温保持の魔法つかわなかったんですか?」
「全体展開しとった」
グランサニュー公爵が呆れてエリクに言う。
「……雪玉を作っとったんだが手袋外して雪確認しとったし」
「あの、雪玉って?」
「今、裏口当たりがかなり雪角ウサギが多くてな。そもそもこの辺りに雪角はいないはずなんだが……。が、人が入らないせいで繁殖し放題だったあようで、時々来る雪狼とかを退治しながら足場の確保で雪角に雪玉投げて散らしとったんだ」
エリクの言葉に北の公爵が答える。
「まず雪角の処理だな」
裏に行った冒険者達は一様に頷く。
「そうですね……、今日の夜の観察次第で中を責める人員とモンスターに対処する人員に分ける事もかんがえましょう」
「観察?」
「ええ」
ウージェーヌの言葉にエリクは頷く。そして小窓の横に行くとウージェーヌを手招きした。北の侯爵や公爵、ドニも身に来る。フロランとマドレーヌとアルは大人しくテーブルでポトフをすすっている。が、フロランの精霊がエリクたちのしてる事をを教えてくれてフロランが実況してくれる。
「なんか小窓の向こうに先行隊をおいてるんだって結界はって。結界は透明で温度は寒くないくらいにコントロールしてるっぽい。んで捕虜たちは手首を前で縛られて並べられてる。あ、眠りの術かけてるって」
「何をするつもりなんだろ?」
「……あいつら餌に前庭にどんなモンスターとか出てくるのかなって事みたい」
アルの言葉にエリクが応える。
「つまり罠猟ですね」
マドレーヌが言い、フロランが頷く。
「それ、私が罠になった方がいいのでは?」
マドレーヌの言葉にフロランはマドレーヌのおでこをこつんと叩く。
「エリク神官長にそれ言ったらだめだよ。あの人はそれをしたくてたまらないんだから」
「え、別にいいよ」
マドレーヌの返事にフロランは怖い顔になる、その横でアルも眉間に皺を寄せている。
「ダメだよ」
二人の声が揃った。マドレーヌは少しひるんだ。
「俺は妹二人ともを淫魔に襲われるのはいやだ」
「魔の者の力を侮らない方がいい」
「マドレーヌだって判ってるだろう、マリアンヌが何故ああなったのかなんて」
フロランとアルが交互にマドレーヌに言う。
「でも」
「でもはないし、エリクは俺が止めるし」
小窓から戻ってきたウージェーヌがマドレーヌの頭を撫でる。
「マドレーヌがマリアンヌのかたき討ちって思ってるのもわかるけど……、淫魔がどんな手を使ったか判らないからね。さすがに娘を差し出す気はこれっぽっちもない。様相が読めなさすぎるし」
ウージェーヌは続ける。
「それにマドレーヌは雪角たくさんとっとかないと。マリアンヌのコートとマフと帽子も作りたいだろ?ここの様子みてたら、ジョアンの分もとれそなら取って欲しいし」
マドレーヌは少し考えて頷いた。
「そうね、お母様の分も狩れたら喜ぶと思う」
「熱い珈琲がなによりの馳走だな」
ドニはかなり冷えたらしく冷たい手を珈琲の入ったカップで温めながら呟いている。
「体温保持の魔法つかわなかったんですか?」
「全体展開しとった」
グランサニュー公爵が呆れてエリクに言う。
「……雪玉を作っとったんだが手袋外して雪確認しとったし」
「あの、雪玉って?」
「今、裏口当たりがかなり雪角ウサギが多くてな。そもそもこの辺りに雪角はいないはずなんだが……。が、人が入らないせいで繁殖し放題だったあようで、時々来る雪狼とかを退治しながら足場の確保で雪角に雪玉投げて散らしとったんだ」
エリクの言葉に北の公爵が答える。
「まず雪角の処理だな」
裏に行った冒険者達は一様に頷く。
「そうですね……、今日の夜の観察次第で中を責める人員とモンスターに対処する人員に分ける事もかんがえましょう」
「観察?」
「ええ」
ウージェーヌの言葉にエリクは頷く。そして小窓の横に行くとウージェーヌを手招きした。北の侯爵や公爵、ドニも身に来る。フロランとマドレーヌとアルは大人しくテーブルでポトフをすすっている。が、フロランの精霊がエリクたちのしてる事をを教えてくれてフロランが実況してくれる。
「なんか小窓の向こうに先行隊をおいてるんだって結界はって。結界は透明で温度は寒くないくらいにコントロールしてるっぽい。んで捕虜たちは手首を前で縛られて並べられてる。あ、眠りの術かけてるって」
「何をするつもりなんだろ?」
「……あいつら餌に前庭にどんなモンスターとか出てくるのかなって事みたい」
アルの言葉にエリクが応える。
「つまり罠猟ですね」
マドレーヌが言い、フロランが頷く。
「それ、私が罠になった方がいいのでは?」
マドレーヌの言葉にフロランはマドレーヌのおでこをこつんと叩く。
「エリク神官長にそれ言ったらだめだよ。あの人はそれをしたくてたまらないんだから」
「え、別にいいよ」
マドレーヌの返事にフロランは怖い顔になる、その横でアルも眉間に皺を寄せている。
「ダメだよ」
二人の声が揃った。マドレーヌは少しひるんだ。
「俺は妹二人ともを淫魔に襲われるのはいやだ」
「魔の者の力を侮らない方がいい」
「マドレーヌだって判ってるだろう、マリアンヌが何故ああなったのかなんて」
フロランとアルが交互にマドレーヌに言う。
「でも」
「でもはないし、エリクは俺が止めるし」
小窓から戻ってきたウージェーヌがマドレーヌの頭を撫でる。
「マドレーヌがマリアンヌのかたき討ちって思ってるのもわかるけど……、淫魔がどんな手を使ったか判らないからね。さすがに娘を差し出す気はこれっぽっちもない。様相が読めなさすぎるし」
ウージェーヌは続ける。
「それにマドレーヌは雪角たくさんとっとかないと。マリアンヌのコートとマフと帽子も作りたいだろ?ここの様子みてたら、ジョアンの分もとれそなら取って欲しいし」
マドレーヌは少し考えて頷いた。
「そうね、お母様の分も狩れたら喜ぶと思う」
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