【完結】悪役令嬢娼館エンド、その後

あくの

文字の大きさ
11 / 26
本編

王弟エティエンヌとランバート公爵

しおりを挟む
 「アレンはエリカ様の事好きなの?」

レミが訊ねるのでアレンは首を横に振った。ここはランバート家の客室で本人たちの希望でツインベッドに部屋であった。レミは既に湯あみを終えている。

「殺したりするには普通過ぎて……気が抜ける」

「にいさんが出来ないなら私があるけど?お茶を飲んでる時に後ろから針でやったら証拠も残らないよ?」

アレンは首を横に振る。

「レミに汚れ仕事はさせないよ」

「そういうけど……アレン、女殺せる?殴れる?ソフィー様の時だって」

「……」

レミはアレンに言う。

「そろそろ潮時でしょ?王宮の仕事から外してもらったら?どうせ陛下は我々の事認知してないんだし」

「っ……」

レミな冷静にアレンに告げる。





「あの二人に元のクラスメイトを殺させるのは忍びないな」

「学園で同級生でしたっけ、エリカと陛下と現側近たちと」

エティエンヌは蒸留酒の香りを楽しんでいる。

「元クラスメイトを手にかけたり罠にかけたりは……あんまり後味は良くないからね」

ランバート公爵の言葉にエティエンヌはくくくっと笑った。

「甥を落そうとしてる私にそれをいいますか」

「まぁ。そうだな。……従弟殿、積もった埃は払わないとな」

ランバート公爵の父親、前ランバート公爵の妹を母に持つエティエンヌは美しい……、セシルと似た男だった。銀の髪に青い瞳の母親に似た顔立ちだったのでどことなくランバート公爵とも似ている。

 エティエンヌの母親は側妃であった。公爵令嬢を側妃にしたのは前の前の陛下だった。学園で平民の女子生徒に手をだし彼女を正妃にしないと王にならないと言い出したのだ。これが王太后、現在の後宮の主であった。前の前の陛下は幾人かの側妃を持ち、その側妃の取りまとめ役としてエティエンヌの母が呼ばれた。元婚約者であり、陛下の事は嫌いではなかったし、幼馴染の情でそのまま輿入れし、亡くなるまでは後宮のトップであった。割合と若くして亡くなったのでその後は正妃が後宮の主として振舞いだしたのだ。
 エティエンヌは幼いころは公爵の家で公爵を兄と慕って育ち、成人後は海の離宮、本来はランバート家の持ち物だがエティエンヌの為に王家に献上した建物だ。離宮に『蟄居』という名目で王太后の勢力範囲から逃げていた。

 今回の騒動に乗じて離宮から離れ、ローランの味方のような顔をしてランバート公爵と王弟エティエンヌは王宮の文官と文書を掌握したのだ。騎士達は前騎士団長に心酔しており、これは今回取りつぶしになった伯爵家出身の前騎士団長が掌握している。

 新しい側近たちやローランはそう言うことに頭が回っていない。以前のソフィーのいた位置にランバート公爵はまんまと収まろうとしているところであった。

 エティエンヌはローランに

「私は裏でこの国を支えましょう。仕事は振ってください。民の前に出るのも陛下の仕事の一つですから」

とこちらもローランを丸め込んだ。ローランは自分より大人の公爵やエティエンヌが自分に従うのがとても嬉しく誇らしかった。自分が王であると実感させてくれた。それに二人に仕事を任せればジリオーラの店に通う時間が出来るので喜ばしい事だと思っていた。
 ランバート公爵もエティエンヌも何も言わなかった。エティエンヌに至っては

「そうですね、偶には気分転換もよろしいかと思いますよ」

とまで言った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが

ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。 定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──

冷遇された没落姫は、風に乗せて真実を詠う ─残り香の檻─

あとりえむ
恋愛
「お前の練る香など、埃と同じだ」 没落した名家の姫・瑠璃は、冷酷な夫・道隆に蔑まれ、極寒の離れに追いやられていた。夫の隣には、贅を尽くした香料を纏う愛人の明子。 しかし道隆は知らなかった。瑠璃が魂を削って練り上げた香は、焚く者の心根を映し出す「真実の鏡」であることを。 瑠璃が最後に残した香の種を、明子が盗み出し、手柄を偽って帝の前で焚き上げた瞬間。美しき夢は、獣の死臭が漂う地獄へと変貌する。 「この香りの主を探せ。これほど澄み切った魂が、この都に在るはずだ」 絶望の淵で放たれた一筋の香りに導かれ、孤独な東宮が泥の中に咲く白蓮を見つけ出す。 嘘と虚飾にまみれた貴族社会を、ひとりの調香師が浄化する、雅やかな逆転劇。

遺産は一円も渡さない 〜強欲な夫と義実家に捨てられた私、真の相続人と手を組み全てを奪い返す~ (全10話)

スカッと文庫
恋愛
「お前の価値なんて、その遺産くらいしかないんだよ」 唯一の肉親だった祖父を亡くした夜、夫の健一と義母から放たれたのは、あまりにも無慈悲な言葉だった。 四十九日も待たず、祖父が遺した1億2000万円の遺産をアテに贅沢三昧を目論む夫。だが、彼には隠し通している「裏切り」があった――。 絶望の淵に立たされた由美の前に現れたのは、亡き祖父が差し向けた若き凄腕弁護士・蓮。 「おじい様は、すべてお見通しでしたよ」 明かされる衝撃の遺言内容。そして、強欲な夫たちを地獄へ叩き落とすための「相続条件」とは? 虐げられてきた妻による、一発逆転の遺産争奪&復讐劇がいま幕を開ける!

サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします

二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位! ※この物語はフィクションです 流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。 当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。

真実の愛は水晶の中に

立木
恋愛
学園の卒業を祝うパーティーの最中、レイシア・マレーニ侯爵令嬢は第三王子とピンク髪の女、その取り巻きたちによって断罪されようとしていた。 しかし断罪劇は思わぬ方向へ進んでいく。 ※「なろう」にも重複投稿しています。

捨てられた令嬢と、選ばれなかった未来

鍛高譚
恋愛
「君とは釣り合わない。だから、僕は王女殿下を選ぶ」 婚約者アルバート・ロンズデールに冷たく告げられた瞬間、エミリア・ウィンスレットの人生は暗転した。 王都一の名門公爵令嬢として慎ましくも誠実に彼を支えてきたというのに、待っていたのは無慈悲な婚約破棄――しかも相手は王女クラリッサ。 アルバートと王女の華やかな婚約発表の裏で、エミリアは社交界から冷遇され、"捨てられた哀れな令嬢"と嘲笑される日々が始まる。 だが、彼女は決して屈しない。 「ならば、貴方たちが後悔するような未来を作るわ」 そう決意したエミリアは、ある人物から手を差し伸べられる。 ――それは、冷静沈着にして王国の正統な後継者、皇太子アレクシス・フォルベルト。 彼は告げる。「私と共に来い。……君の聡明さと誇りが、この国には必要だ」

「君は有能すぎて可愛げがない」と婚約破棄されたので、一晩で全ての魔法結界を撤去して隣国へ行きます。あ、維持マニュアルは燃やしました。

しょくぱん
恋愛
「君の完璧主義には反吐が出る」――婚約者の第一王子にそう告げられ、国外追放を命じられた聖女エルゼ。彼女は微笑み、一晩で国中の魔法結界を撤去。さらに「素人でも直せる」と嘘を吐かれた維持マニュアルを全て焼却処分した。守護を失いパニックに陥る母国を背に、彼女は隣国の軍事帝国へ。そこでは、彼女の「可愛くない」技術を渇望する皇帝が待っていた。

夫に君も愛人を作ればいいと言われましたので

麻麻(あさあさ)
恋愛
「君も愛人を作ればいい」と夫に言われたので売り言葉に買い言葉で出会った愛人候補は自分が魔法使い伯爵と言いました。 全15話。プロローグから4話まで一挙公開。 翌日からは20時に2話ずつ公開。11日は最終話まで3話一挙公開。 登場人物 マーリン・ダグラス 結婚2年目にして夫の不倫を問い詰めたら黒だった令嬢。母に聞かされた結婚は夫となる人を大事にという言葉を守ってるが夫のギルバートにブチギレてこの度愛人を探すと決める。 デミトリアス・ドラモンドまたはアロン マーリンが仮面舞踏会で知り合った自称魔法使い伯爵。次の日にマーリン好みの執事アロンに姿を変えて彼女の屋敷に来る。 ギルバート・ダグラス マーリンの夫で伯爵。ギルと呼ばれている。愛人を作れば発言をした。 シェリー・モーヴ ギルバートの愛人 エミリー マーリンの親友で既婚者。 ララとリリー マーリンの屋敷のメイド達。

処理中です...