若頭と捨て犬。

「ねぇ、お兄さん。
ちょっとだけお金くれない?
その代わりなんでもするからさ」

それが間違えた選択だと知ったのは
その後だった。

大きな門に立派な家…。
お金持ちを捕まえたとウキウキしたのも
束の間…。

「お帰りなさいませ!若!」

何人もの男が頭を下げ
そこを王のように通る男…。
若と言うのはヤクザの事なのか…。
いや、それ以外ありえない。

「さて、どうする?」

選択肢を与えられた
俺は頷きついて行くことしか出来なかった。
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