私の中の日常が終わりを告げる

ライ

文字の大きさ
2 / 12
選択の時偏

第1話

しおりを挟む
入ってきた男の姿に私は驚いた。
男の顔がおとぎ話に登場する、王子様のようだったからだ。
髪は金色で、瞳の色は海を切り取ったように美しい蒼色だったのだ。
まさに金髪蒼眼といったところか。
男の格好はラフな感じで、特に着飾っているようには見えない。
しかし私の目は、男の顔よりも、身体のほうに向いた。
男の身体は、服の上からだとわかりにくいが、相当鍛えてあると伺える体躯だ。
ちなみに私の男の好みが、細身に見えても女性を簡単にお姫様抱っこできるくらいの腕力を持っている人だったりする。
しかしこの状況なのでそんなことは脇において置く。
幸い私が男を観察していたのはほんの数秒だったので、男は気づいてないようだ。
私の意識が男に向いていると気がついたのか、男は私が寝転がっているソファーに近づき、わけの分からないことをした。
なんと、私にいきなり抱きついてきたのだ。
意味が分からない。なぜそうなる。
男の行動に混乱している私をおいて、男は私の耳元で感極まったような声を出し、こう言った。
「会いたかった俺の愛しい娘!」
わけ分からん。私の家族構成は、母と姉がいて、父親は私が生まれてすぐに事故で亡くなったと母は言っていた。
それなのにこの男は、私を娘と言った。どういうことだ。
しかし私は気がついた。今私は黒づくめの男たちに無理やり誘拐されて、ここにいるのだと。
ということは今目の前にいるのは、誘拐犯の仲間あるいは、首謀者なのではないかと。
首謀者ならば私の文句を受け入れる必要があるはずだと。
そして私はこの男に文句を言うために男から離れる必要があると思い、放してもらおうと男の背中に回った手で、男の背中を叩いた。
しかし男は一向に私を放さない。
変だと思い男の顔を覗くと、ハアハア言いながら私の髪に顔をうずめていた。
私は生理的嫌悪感で、男を引き離そうとしたが男の力にはかなわず、思わずと言った体で叫んだ「この変態!!」と
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

6回目のさようなら

音爽(ネソウ)
恋愛
恋人ごっこのその先は……

6年前の私へ~その6年は無駄になる~

夏見颯一
恋愛
モルディス侯爵家に嫁いだウィニアは帰ってこない夫・フォレートを待っていた。6年も経ってからようやく帰ってきたフォレートは、妻と子供を連れていた。 テンプレものです。テンプレから脱却はしておりません。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

壊れていく音を聞きながら

夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。 妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪 何気ない日常のひと幕が、 思いもよらない“ひび”を生んでいく。 母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。 誰も気づきがないまま、 家族のかたちが静かに崩れていく――。 壊れていく音を聞きながら、 それでも誰かを思うことはできるのか。

奪った代償は大きい

みりぐらむ
恋愛
サーシャは、生まれつき魔力を吸収する能力が低かった。 そんなサーシャに王宮魔法使いの婚約者ができて……? 小説家になろうに投稿していたものです

幼馴染

ざっく
恋愛
私にはすごくよくできた幼馴染がいる。格好良くて優しくて。だけど、彼らはもう一人の幼馴染の女の子に夢中なのだ。私だって、もう彼らの世話をさせられるのはうんざりした。

(完)そんなに妹が大事なの?と彼に言おうとしたら・・・

青空一夏
恋愛
デートのたびに、病弱な妹を優先する彼に文句を言おうとしたけれど・・・

私を見下していた婚約者が破滅する未来が見えましたので、静かに離縁いたします

ほーみ
恋愛
 その日、私は十六歳の誕生日を迎えた。  そして目を覚ました瞬間――未来の記憶を手に入れていた。  冷たい床に倒れ込んでいる私の姿。  誰にも手を差し伸べられることなく、泥水をすするように生きる未来。  それだけなら、まだ耐えられたかもしれない。  だが、彼の言葉は、決定的だった。 「――君のような役立たずが、僕の婚約者だったことが恥ずかしい」

処理中です...