私の中の日常が終わりを告げる

ライ

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選択の時偏

第4話・・歓迎されない客人

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城の城壁の扉から出てきた茶髪の男は、父を見て頭を下げながら「お帰りなさいませディック様」と言い、私の方を見ながら「そちらが御息女ですか」と無遠慮に私を観察した。
私はあまりこの男に歓迎されていないようだ。別に歓迎される必要もないが「お爺さまの危篤と聞いて見舞いにきました、藤原 璃緒(りお)と申しますお爺さまの見舞いが終わればすぐ帰るのでおかまいなく」と一応、釘を刺しておこう。
その言葉に男はにっこりそれはそれは嬉しそうに
「さようですかそれはようございましたあなた様のお爺さまはこちらにおられます私が案内いたしますお早くお帰りになっていただきたいので」と
慇懃に案内を申し出た。
そういうことならば遠慮なく私も先ほどの男同様ににっこり笑いながら
「ありがとうございます私もさっさとこんなやっかいことは終わらせて帰りたいので」と
おほほと声を上げながらついていこうとしたが。
「こらこら俺を無視してお前らだけでいくなよパパ泣いちゃうぞ」
と背筋に寒気が走るようなことを吐くので私は
「うるさい、もとはといえばあんたが子供みたいに駄々をこねるからこんな面倒なことになっているんじゃないのというか気持ち悪い」
心底気持ち悪いと顔で表現してみた、とっても難しい。
「娘が反抗期だあパパ悲しい」
と先ほどよりも気色悪いことを言った。
私は反抗期云々を通り越してこの変態を父親と思っていないだけだが。
変態の行動に気持ちだけでなく身体も引きながら後退している私を見ながら男が
「ディック様、御息女のためにもお早く御当主のもとに参じなければいけませんここで時間をつぶすのは下策です、お立ちくださいさっさと行きましょう」
と主の一族に話しているように見えないことを言った。
私もこの馬鹿がどう言われようと知ったこっちゃないので放っとこう。
「騎士殿早く御当主のところに案内してくださいこの阿保は、放っときましょう」
「ふむそうですねでは行きましょうか、こちらにございます」
男は私の意見に賛同し私の前で腰を折りながら手を引こうとした。
私はその手には触れずに
「案内だけで結構ですのでその手はおしまいください」
と言った。
男は「さようですか」と言い自分の手を引いて
「改めましてこちらにございます」と言って先を歩いた。
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