私の中の日常が終わりを告げる

ライ

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選択の時偏

第5話・・当主との面会

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男の後についていきながら改めてこの屋敷の景観を眺めた。
素晴らしいの一言に尽きる景観は私の鬱屈とした気分を少しは和らげてくれる。
まさに城の名にふさわしく中に入った途端に目に映る赤色の絨毯染み一つも見当たらないその絨毯は国宝級と言っても過言ではないかもしれない。
芸術に疎い私ですらそう思ってしまうこの絨毯は総額一体いくらなのか精神の安定のために聞かないことにしよう。
私がこの城の素晴らしさに感動している間も男と私の足は進み階段を上って3階の角の部屋の前に着いたとき男はこちらを振り向き、「こちらです」と私に言い部屋のドアをノックした。
ノックの音に中の人間が気づき紳士のように優し気な声が「どうぞ」と答えた。
男は「失礼します」と言いながらドアを開けた。
私も開いたドアに向かい部屋の中に入る前に「失礼します」と言い入った。
部屋の中にはベットと机と椅子が置かれていた椅子に腰かけている50代と見受けられる初老の男性が先ほどの声の主だろう、ベットは影になっていてどういう人がいるのかは分からないが多分この人がこの家の御当主で私の祖父なのだろう。
男は部屋に入るなりその場に跪き、ベットに腰掛ける御当主にこう言い
「長のお孫様をお連れいたしました。わたくしは御前を失礼させていただきます」
言葉が終わると立ちあがりその場で一礼して部屋から出て行った。
あのやろう私のことを置いていきやがった。
この沈黙の中なにをどうやって話を切り出せと?。
椅子に座る老紳士はニコニコしながら私を見ているしベットに腰かける老人は一言も話さないし、私から話を切り出せと無言で言っているのか?
怖いな母とは違う意味で。
だが、何も言わずにいるほうが相手に失礼だ。
迷うな私根性をだすんだ。
ここで引いてはさっきの啖呵が意味をなくしてしまう。
私は一つ息をつきながらつとめて冷静に
「初めまして、お爺さま危篤と父から窺ったのでお見舞いにきました」と
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