私の中の日常が終わりを告げる

ライ

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選択の時偏

第5話・・当主は意外に・・

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私が言葉を出した時、椅子に座る老紳士は少し目を細め驚いたような顔をした。
私も釣られて驚いてしまった。
この老紳士はいったい何に驚いたのか。
私の心の驚きには気づいていないのか、
ベットに寝転んでいた祖父⦅多分⦆が、
「お前が、ディックの娘か?」
少々、威圧されているように、感じる声音で尋ねた。
私は、つい、正直な気持ちを吐露してしまった。
「確かに、私はあのへんじ・・コホン失礼、あの男の娘ではありますが、今の今まで、父は死んだものだと思っていたので、あまり実感が湧いてきません」
とこのように答えてしまった。
先ほどからの鬱憤がついに漏れてしまった。
まあしかし別に問題ないかな。
私がここに来た目的は、危篤の祖父を見舞いに来ただけだし。
そう考えているといきなり祖父⦅多分?⦆が、大笑いしだした。
なぜそうなる。
「ガッハッハ、ああ久しぶりにこんなに笑ったぞ、わしの前でこんなに正直な気持ちを言ってくる奴は、お前が初めてだ。わしはさっき威嚇するような言い方をしたのに、お前は恐くなかったのか?」
と笑いが収まっていない、笑い交じりの言葉遣いで、質問をしてきた。
あの時、感じた威圧されるような感じは、気のせいじゃなかったようだ。
私は先ほど同じように素直な言葉を返した。
「確かに、威圧される様な気がしましたが、いきなり取って食うような人には見えなかったし、私は、祖父に挨拶をしたら、すぐに日本に帰る予定なので、別にいいかなと思ったので」
と私の言葉に祖父は、まだ笑いが止まっていないようで、
「ははなるほどそういうことか、しかし、確か、お前は私の跡継ぎになる話が出ているはずだ。
それを忘れていないか?」
と言い、祖父の目が、獲物を見る獅子のような眼差しになった。
さっき言った、いきなり取って食うようには、見えないと言ったことを後悔しそになる眼差しだ。
私も負けずに、祖父をにらみ返しながら、
「確かにそのような話もありましたが、それは父が後を継げばいい話です。日本で暮らす私には、関係ありません。それにいきなりそんなことを言われても、はい分かりましたと言ってできるようなものでもないでしょう。それとも何ですか、あなたの跡継ぎはそんなに簡単になれるものなのですか?」
と私も、少し声が震えたが、挑発するように言ってやった。
どんなもんだい。
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