タンクなのに、パーティ追放されました。~パーティ追放からのレイド、ワールドファーストクリアへの道~

ぽいづん

文字の大きさ
26 / 27
2章 初めてのレイド編

運命の門 開錠編5層 みんなで声だし

しおりを挟む
「もう今日は止めようか」
 さっき6個目の扇が落ちてきて22回目のワイプとなる

 メンバー全員が暗い顔をしている。クリア経験者の6名のミスはなんだかんだで少なくなってきている。こうなってくると未クリアの2人ミスが目立つようになる。
 扇を気にするとDPSがでない、DPSを気にすると扇を見落とす。
 2層でもギミックをこなしながらDPSを出さなければ、ならないのだが…
 2層で求められる火力水準と5層で求められる火力水準では桁が違うのだ。
 しかも、まだ序盤、この5層は経験者でもミスをする、未経験者ならミスをして当たり前のなのだが、経験者が6人いることが逆に2人プレッシャーを与えているように感じられる。
「とりえあず、扇のミスも多くなってきたし、今日はもういい時間だから止めよう」
 もう一度止める提案をする。
「はい…」
 序盤の余裕がなく表情が暗くなっているニコ。
 クロスさんは一言も発していない。

 空気の重さを感じてか、みんな押し黙ったままだ
「それじゃ明日21時集合で」
 とりあえず明日の練習の日時を指定し、レイドエリアからテレポートする
 いつもならニコが、うちに来て反省会をするのだが、今日はこなかった。
 そのかわりガヤさんが付いてきた。
「大分、やばいなあの二人」
 ガヤさんが話しかけてくる
「そうだねぇ、ここまで順調にきたからな」
「2層でもっと詰まるかと思ったけど、割とすぐ突破できたからな」
「5層は桁が違うしね、未経験者がDPS2人っていうのもね」
「昔の俺達も5層突破に1ヶ月以上掛かったから、気長にやるしかないだろう」
「そうだね、当時のこと思えばね」
「んじゃ、おちるわ」
 ガヤさんがログアウトし視界から消える。

 あの当時も大変だったな

 ◇


 2年前5層攻略、前パーティ時代

「今の扇、タナカさんでしょ?なにしてんの?」
「すいせん…」
 7人の視線が痛い

 5層攻略を開始して1週間程が経ったが、未だに扇が安定しない。
 俺のミスは少ないと自負しているが、たまにミスると周り連中からの叱責がきつい
 未だに扇が安定しない…それのせいで俺とガヤさんを除く人たちがイライラしているように感じる。

 多分、次ミスったらとんでもないことになりそう…怖い

 扇が落ちてくる、ヒーラーのアズさんがミスる

「ああああもうなにやってんの!!!」
 ヨッシーが相当イライラしているようで、怒鳴り散らす
「ごめんなさい…」
「っちまあしょうがない、次は気をつけてよ」

 扇が落ちてくる、扇を真ん中に落ちてくる

「はぁ、誰の扇だよ!!!」
 ヨッシーがぶち切れている。

 みんな押し黙ったままだ。
「だから誰の扇だよ!!!」
 沈黙が支配する

「誰も言わねーなら、動画撮ってあるから確認してくる」
 ヨッシーはそういって動きをやめ、手を動かしコンソールで動画を確認している

「あの扇、ヨッシーだぜ」
 ガヤさんが俺に耳打ちをしてくる
 動画の確認を終えたヨッシーが
「よし、次だ、次やろう」
 動画でみた結果を公表はしなかった

「ほらな」
 ガヤさんが再度耳打ちをしてくる

 こんな事件が起こるほどに、当時の5層は混沌としていた。
 結局この次の日には扇を超えられようにはなった。

 ◇

 次の日21時

 時間ぴったりにみんな集合する。ニコとクロスさんは相変わらず暗い顔をしたままだ。
 5層に突入する。

 扇の5つめが落ちてきた時点で79%
 これは今までで一番いいペースだ。

 いけるか?

 しかしここで扇をミスってしまいワイプとなる

「あー今の惜しかったね」
 コハダさんが声を掛ける
「扇ミスったの私でした…」
 ニコの表情が硬い

 ここでなにかの言葉かけてリラックスさせてあげるのが、いいリーダーなんだろうけど、生憎、俺にはそんな気の利いたことはできな…

「あっいてっ」
 アリシャさんに思いっきり足を踏まれた。VRゲームなので痛みのと言う感覚はないのだが、ガンと踏まれたのでつい痛いと口走ってしまった。
「痛いわけないでしょ!!」
「痛いような感じがしたんだよ!」
「そんなことはどうでもいいの、暗い顔してる子がいるのに、無視してるパーティリーダーがいるっていうのが腹立つの!」
「私、そんなに暗い顔してました?」
「そうよ、私がミスってみたいな顔して」
「扇のミスはみんなのミスだよ、声だしてやるんでしょ忘れてるし」
 俺もハッとする、扇の時は対象者をみんなで知らせるということになっていた、初っぱなで忘れてたってのもあるけど、
「そうだった、みんなで声をだして扇を抜けよう!」
 その声をきいて、ニコとクロスさんの表情の幾分か柔らかくなった。

 5回目の挑戦

 5つめの扇が落ちてくる、ヨシツネのいHPは78%
 いいペースだ、このままなら普通にいける。

 扇が対象者を決める…クロスさんだ
 7人で「クロスさん」と叫ぶ
 クロスさんは上を向いて確認し、扇を正しい位置へ誘導する。

 ヒラヒラと扇が舞い落ちて、ヨシツネのHPは75%を切った

 ヨイチが真ん中に現れる。

 颯爽とヨイチのタゲをとり、全員で攻撃を開始する

 かろうじてヨイチを倒すことができ、ベンケイが真ん中に現れた。

 6人はとある位置に固まる、2人はどうしていいか分からずその場にとどまっている
 ベンケイが対象者を決め、武器を投げ始める、武器と武器の間が狭ければ、武器にこめられたベンケイの闘志が共鳴し大爆発を起こし、ワイプとなる。
 そのままワイプとなった。

「やりました!扇抜けました!」
 ニコが嬉しそうに話す、クロスさんの顔も喜んでいるようにみえ
「うん、よかった…3日は掛かるかと思ってたから、ほんと凄い」
「まだ、まだ先は長いですね…」

しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます

七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。 「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」 そう言われて、ミュゼは城を追い出された。 しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。 そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします。

樋口紗夕
恋愛
公爵令嬢ヘレーネは王立魔法学園の卒業パーティーで第三王子ジークベルトから婚約破棄を宣言される。 ジークベルトの真実の愛の相手、男爵令嬢ルーシアへの嫌がらせが原因だ。 国外追放を言い渡したジークベルトに、ヘレーネは眉一つ動かさずに答えた。 「国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします」

追放された【才能鑑定】スキル持ちの俺、Sランクの原石たちをプロデュースして最強へ

黒崎隼人
ファンタジー
人事コンサルタントの相馬司が転生した異世界で得たのは、人の才能を見抜く【才能鑑定】スキル。しかし自身の戦闘能力はゼロ! 「魔力もない無能」と貴族主義の宮廷魔術師団から追放されてしまう。 だが、それは新たな伝説の始まりだった! 「俺は、ダイヤの原石を磨き上げるプロデューサーになる!」 前世の知識を武器に、司は酒場で燻る剣士、森に引きこもるエルフなど、才能を秘めた「ワケあり」な逸材たちを発掘。彼らの才能を的確に見抜き、最高の育成プランで最強パーティーへと育て上げる! 「あいつは本物だ!」「司さんについていけば間違いない!」 仲間からの絶対的な信頼を背に、司がプロデュースしたパーティーは瞬く間に成り上がっていく。 一方、司を追放した宮廷魔術師たちは才能の壁にぶつかり、没落の一途を辿っていた。そして王国を揺るがす戦乱の時、彼らは思い知ることになる。自分たちが切り捨てた男が、歴史に名を刻む本物の英雄だったということを! 無能と蔑まれた男が、知略と育成術で世界を変える! 爽快・育成ファンタジー、堂々開幕!

魔力0の貴族次男に転生しましたが、気功スキルで補った魔力で強い魔法を使い無双します

burazu
ファンタジー
事故で命を落とした青年はジュン・ラオールという貴族の次男として生まれ変わるが魔力0という鑑定を受け次男であるにもかかわらず継承権最下位へと降格してしまう。事実上継承権を失ったジュンは騎士団長メイルより剣の指導を受け、剣に気を込める気功スキルを学ぶ。 その気功スキルの才能が開花し、自然界より魔力を吸収し強力な魔法のような力を次から次へと使用し父達を驚愕させる。

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

処理中です...