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第1章
第7話(出逢いの後)
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二人とも、この1週間はほかの予定をキャンセルしていた。色々な話をしたが、それぞれ相手のことを気遣ってか性的関係については一切話題にしなかった。1週間後、マッチング誓約書を提出するときには、二人の気持ちは恋心が芽生えたといったものではなく、完全に恋愛関係に陥っていた。誓約書を提出したあと、センターから出るとき二人は互いに手を固く握り合っていた。
マッチングセンターのことを多くのヒトは恋愛センターと言う。実際、多くのヒトがセンター内で恋に陥る。勿論、マッチングは、『子どもの養育を考える』場であり、性的パートナーを決めるものではない。このマッチングの成立で、希望すれば凍結してある配偶子を用いての生殖補助医療も可能になる。
センターを出た二人は、そのままラブホに直行した。ラブホは、清潔で、静寂性や安全性も確保されている。それぞれ別室に案内され、『自由意志であること』、『感染症検査結果が異常ないこと』を確認された。
同部屋に入るやいなや二人は抱き合い接吻した。服を脱ぎ捨てる途中も我慢できず二人は抱擁を繰り返す。佐紀のふくよかな胸の膨らみと准平の硬直したペニスはお互いをさらに燃え上がらせた。もう准平の硬直したペニスは爆発しそうだった。佐紀の膣からはスキナー腺とバルトリン腺の分泌液が溢れ出し、准平のペニスを迎え入れた。不規則に収縮し蠕動する膣壁がペニスを締め付ける。痺れるような絶頂感が幾度も訪れ、痙攣する佐紀の膣内に准平は射精した。愛しい。相手の心と身体を独占したい。幸福感に包まれながら二人は抱き合ったまま眠りに就いていた。
数ヶ月後、月経が2週間遅れていた佐紀は、自宅で妊娠診断薬検査 をした。いままでにも月経が1週間くらい遅れたことはよくあった。まさかと思いながらした検査結果は陽性であった。佐紀は直ぐに緑十字妊娠出産センターを受診した。超音波検査で、胎嚢が確認でき「妊娠5週」と診断された。
排卵から2週間経過した日を妊娠4週+0日と計算する。排卵日が分かっていない場合は月経から14日目に排卵があったと推定して診断されることが多いが、これは超音波検査で補正する必要がある。
超音波検査で妊娠5週くらいから胎嚢が観察され、胎嚢の中に丸い輪の卵黄嚢も観察される。妊娠6週くらいからは、胎児の心拍動も確認されるようになる。
妊娠は病気ではないが、流産、異所性妊娠 、胞状奇胎などの異常妊娠もあるので、早期に受診して確認しておく必要がある。
妊娠中の生活は、佐紀が思っていたほど楽なものではなかった。妊娠初期は妊娠嘔吐(つわり)に悩まされ、一日中ボーとして何もできなかった。その後も腰痛やお腹の張りに悩まされ仕事ができない日も多かった。
でも、妊娠中には多くの喜びや感動があった。初めて胎動を感じた日には準平に興奮して話した。一緒にお腹を擦り、子どもに話しかけた。自分が食べるもの、聞くもの、感じるもの、総てが子どもに伝わる気がした。準平は一緒には暮らしてはいなかったが、できるだけ一緒に過ごし、佐紀の体調を気遣っていた。佐紀は自分の体調のことより赤ちゃんが心配だった。そうして、妊娠38週になり、いよいよ出産の時期を向えていたのだった。
【脚注】
妊娠診断薬検査:絨毛性・性腺刺激ホルモンhCGによる着床診断。妊娠4週ころから陽性を示すようになる
胎嚢:羊水が溜まった袋で妊娠5週ころから超音波検査で確認されるようになる。この確認によって妊娠と診断される
卵黄嚢:ヒトでは退化した玉子の卵黄にあたる栄養が詰まった袋
胎児:受精卵が発育した赤ちゃん。妊娠8週までは胎芽と言う。受精卵からは胎盤も造られる
異所性妊娠:子宮内腔の子宮内膜以外(卵管が最も多い)に着床した妊娠。以前は子宮外妊娠と言われていた
胞状奇胎:絨毛が水様性変化を起こした病態で妊娠は継続できない。絨毛がんについて注意する必要がある
マッチングセンターのことを多くのヒトは恋愛センターと言う。実際、多くのヒトがセンター内で恋に陥る。勿論、マッチングは、『子どもの養育を考える』場であり、性的パートナーを決めるものではない。このマッチングの成立で、希望すれば凍結してある配偶子を用いての生殖補助医療も可能になる。
センターを出た二人は、そのままラブホに直行した。ラブホは、清潔で、静寂性や安全性も確保されている。それぞれ別室に案内され、『自由意志であること』、『感染症検査結果が異常ないこと』を確認された。
同部屋に入るやいなや二人は抱き合い接吻した。服を脱ぎ捨てる途中も我慢できず二人は抱擁を繰り返す。佐紀のふくよかな胸の膨らみと准平の硬直したペニスはお互いをさらに燃え上がらせた。もう准平の硬直したペニスは爆発しそうだった。佐紀の膣からはスキナー腺とバルトリン腺の分泌液が溢れ出し、准平のペニスを迎え入れた。不規則に収縮し蠕動する膣壁がペニスを締め付ける。痺れるような絶頂感が幾度も訪れ、痙攣する佐紀の膣内に准平は射精した。愛しい。相手の心と身体を独占したい。幸福感に包まれながら二人は抱き合ったまま眠りに就いていた。
数ヶ月後、月経が2週間遅れていた佐紀は、自宅で妊娠診断薬検査 をした。いままでにも月経が1週間くらい遅れたことはよくあった。まさかと思いながらした検査結果は陽性であった。佐紀は直ぐに緑十字妊娠出産センターを受診した。超音波検査で、胎嚢が確認でき「妊娠5週」と診断された。
排卵から2週間経過した日を妊娠4週+0日と計算する。排卵日が分かっていない場合は月経から14日目に排卵があったと推定して診断されることが多いが、これは超音波検査で補正する必要がある。
超音波検査で妊娠5週くらいから胎嚢が観察され、胎嚢の中に丸い輪の卵黄嚢も観察される。妊娠6週くらいからは、胎児の心拍動も確認されるようになる。
妊娠は病気ではないが、流産、異所性妊娠 、胞状奇胎などの異常妊娠もあるので、早期に受診して確認しておく必要がある。
妊娠中の生活は、佐紀が思っていたほど楽なものではなかった。妊娠初期は妊娠嘔吐(つわり)に悩まされ、一日中ボーとして何もできなかった。その後も腰痛やお腹の張りに悩まされ仕事ができない日も多かった。
でも、妊娠中には多くの喜びや感動があった。初めて胎動を感じた日には準平に興奮して話した。一緒にお腹を擦り、子どもに話しかけた。自分が食べるもの、聞くもの、感じるもの、総てが子どもに伝わる気がした。準平は一緒には暮らしてはいなかったが、できるだけ一緒に過ごし、佐紀の体調を気遣っていた。佐紀は自分の体調のことより赤ちゃんが心配だった。そうして、妊娠38週になり、いよいよ出産の時期を向えていたのだった。
【脚注】
妊娠診断薬検査:絨毛性・性腺刺激ホルモンhCGによる着床診断。妊娠4週ころから陽性を示すようになる
胎嚢:羊水が溜まった袋で妊娠5週ころから超音波検査で確認されるようになる。この確認によって妊娠と診断される
卵黄嚢:ヒトでは退化した玉子の卵黄にあたる栄養が詰まった袋
胎児:受精卵が発育した赤ちゃん。妊娠8週までは胎芽と言う。受精卵からは胎盤も造られる
異所性妊娠:子宮内腔の子宮内膜以外(卵管が最も多い)に着床した妊娠。以前は子宮外妊娠と言われていた
胞状奇胎:絨毛が水様性変化を起こした病態で妊娠は継続できない。絨毛がんについて注意する必要がある
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