身代わり皇妃は処刑を逃れたい

第1章

迎え1

　私の名前はテリア・ロナンテス
　セリーヌ子爵家の長女として生まれて平穏に生きてきたが、ある日突然、妹にしてこの国の皇妃である旧姓フェリミア・ロナンテスが異世界からきた聖女を害した罪により公開処刑された。
　私は処刑を止めようとして処刑執行の直前に殺されたらしいが。

　しかし私…いや、私達は処刑執行から7年の時を遡ってきたらしい。
　侍女のユラと、処刑された妹のフェリミアも7年後の記憶が間違いなくあるという。

　あの酷い出来事は、夢では無かったのだ。


「アレンがおかしいわね。何故アレンだけは7年後の記憶が無いのかしら…。」


「テリアお嬢様、まるでわたしがおかしいと言わんばかりですが、正常なのがわたしである事は忘れないでくださいね。」

　この4人の中で唯一7年後の記憶が無い執事のアレンは半信半疑の様子だ。