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第1章
もう結婚するらしい1
しおりを挟む良い話と悪い話があるのです。
まずは良い話をしましょう。ユラの審査がやっとおりて、この間から私の侍女になりました。これで一先ずは信頼出来るものが王宮に1人いる事になります。
それじゃあ悪い話に行こうと思います。
この間婚約したばかりの私ですが、もう結婚するらしいです。
「え、私…皇妃にまだならないけど?」
「いや…お嬢様何を今更、その覚悟で来たのでは?もうお城に住んでるじゃないですか。
フェリミア様もお城に行ってすぐ式をされていたでしょう?」
「私あの時熱出して…てっきり一家で呼び出されたのは皇妃候補になったお祝いとかなんかだと…」
そしてフェリミアが皇妃になった時のあれが、結婚込みのお祝いなのだと…。
何かあの時結婚式さながらの誓いの言葉をカルロと2人で述べてたよね。あんまりそういう社会のルールに関心持たなかった私が悪いんだろうけど。
「ま、まぁ。大丈夫ですわ。」
「何が?」
愛のない結婚。しかも、前世私の可愛い妹に辛い王宮生活を余儀なくさせていた1人。私はそんな人ともうすぐ結婚するそうだ。
毎日詰め込み教育されている間にそんな話が進んでいたなんて…。
私の皇妃候補失格計画は失敗したと言えるだろう。いやまだ、皇妃になるまでに何とかすれば良いのよね。今度こそちゃんと情報集めて計画をたてないと。
それにしても、ここの人達、正気なの?ほんの少し前に不出来だと噂されまくったばかりの娘だと言うのに。それが皇太子の嫁で良いというの!?
「…初夜は同室で寝る決まりなんだとか。
きっと、カルロ皇太子が優しくリードしてくださいますよ。」
(カルロ皇太子が?)
お茶会での出来事や、先日散策時に話した時のことを思い返す。
頭の上で思い浮かべると、取り敢えず怒ってる顔しか思い浮かばない。
一緒の布団に並べられるだけも想像つかないと言うか、あの短気王子、部屋一緒にされたら怒り狂ってしまうのではないだろうか。
「ユラ、貴方7年後の記憶ありながらそんな悠長な事を…」
「…。ですが、テリア様、そうでも思わなければ…ちょっと…グスン…かなり……。グスッ、お気の毒になってしまい、私の涙が…っ」
どうやら皇妃候補失格計画とか立てている暇はなかったようだ。
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