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王子は目的を達成した
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引き寄せられ、そのまま流れるようにベッドに横たえたれたマーガレットは、唇を重ねたまま口内に入ってくる王子の舌を受け止めて己の舌を絡める。
「ん…ン……フゥチュ…」
長い時間をかけて、途切れる事なく重ね続ける唇に、隙間から漏れ出る吐息。
顔が火照っているのがわかる。
「…っそんな顔されると、手加減出来ないよ。マーガレット。」
そうやって情欲を宿した瞳で見下ろしてくる王子を、マーガレットは両手を広げて抱きしめた。
「手加減、しないでください。」
「ーーー…っっ。」
予想外の反応だったのか、王子は目を見開いて、その後動きがぴたりと止まった。
「??王子?」
片手で王子は顔を覆っている。それをマーガレットは不思議そうに覗き込んだ。
「……っまって、今理性と戦ってるから刺激しないで。」
「?そんな、私は…王子と…ンむっ
言葉の途中で口を手で塞がれた。
「あのね、マーガレット。君の身体には今赤ちゃんがいるから、乱暴には出来ないんだよ。だから、今、体重が君にかからないようにしていたろ?」
にこりとしながら、言われた事に、思考が停止する。
なにが出来た?
「え?」
「だからね、君が倒れたのは、お腹に赤ちゃんが出来てね。ホルモンバランスがー…」
王子が何か説明してくるけど、耳に入ってこない。
「え。何かの間違いですよ、だって私は今まで…」
「避妊薬を飲んでた?でも知ってる?避妊薬って絶対じゃないんだよ。」
その時、先日会った時のナーディアの言葉が思い出された。
『避妊薬は万能では無いのよ。その…聞いている限りだと、いずれ本当に孕んでしまうわよ。』
確かにそう言ってた。
(え、でも…さっき今なら離縁がどうとか…赤ちゃん出来てるならそもそもそれって……)
ちらりと王子の顔を仰ぎ見ると、天使みたいな笑顔が更に輪をかけて輝きをましている。
「いやぁ、長かったよね。まさか隣国の妙薬まで持ってくるなんてさ。
本当余計な横槍だったよ。」
「…クリス殿下?」
「それにしても良かった。何が良かったって、タイミングがね。マーガレットが真赤な顔をして…一生懸命気持ちを伝えてくれるから。ついね、調子に乗っちゃったよ。」
「さっきの…今なら、サイン…」
「サインなんて。する訳が無いよね。あれはね。違う男の香りをつけて帰ってきた君にお仕置きしようと思っただけだよ?」
「…お仕置き……」
「当たり前だろう?だって僕はー…」
ぐいっと身体を起こされて、ベッドに座っている王子の上に、マーガレットが乗っかり、その胸板に手をついた。
右手を頬に添えられて、上を向かされると、其処には妖艶な光を瞳に宿して笑う王子が口角を上げていた。
「君を愛しているからね。君が何処に行こうとしても、手放すなんて無理だよ。」
私はこの年下王子に、これからも捉われていく。
「愛しているよ マーガレット。」
fin
「ん…ン……フゥチュ…」
長い時間をかけて、途切れる事なく重ね続ける唇に、隙間から漏れ出る吐息。
顔が火照っているのがわかる。
「…っそんな顔されると、手加減出来ないよ。マーガレット。」
そうやって情欲を宿した瞳で見下ろしてくる王子を、マーガレットは両手を広げて抱きしめた。
「手加減、しないでください。」
「ーーー…っっ。」
予想外の反応だったのか、王子は目を見開いて、その後動きがぴたりと止まった。
「??王子?」
片手で王子は顔を覆っている。それをマーガレットは不思議そうに覗き込んだ。
「……っまって、今理性と戦ってるから刺激しないで。」
「?そんな、私は…王子と…ンむっ
言葉の途中で口を手で塞がれた。
「あのね、マーガレット。君の身体には今赤ちゃんがいるから、乱暴には出来ないんだよ。だから、今、体重が君にかからないようにしていたろ?」
にこりとしながら、言われた事に、思考が停止する。
なにが出来た?
「え?」
「だからね、君が倒れたのは、お腹に赤ちゃんが出来てね。ホルモンバランスがー…」
王子が何か説明してくるけど、耳に入ってこない。
「え。何かの間違いですよ、だって私は今まで…」
「避妊薬を飲んでた?でも知ってる?避妊薬って絶対じゃないんだよ。」
その時、先日会った時のナーディアの言葉が思い出された。
『避妊薬は万能では無いのよ。その…聞いている限りだと、いずれ本当に孕んでしまうわよ。』
確かにそう言ってた。
(え、でも…さっき今なら離縁がどうとか…赤ちゃん出来てるならそもそもそれって……)
ちらりと王子の顔を仰ぎ見ると、天使みたいな笑顔が更に輪をかけて輝きをましている。
「いやぁ、長かったよね。まさか隣国の妙薬まで持ってくるなんてさ。
本当余計な横槍だったよ。」
「…クリス殿下?」
「それにしても良かった。何が良かったって、タイミングがね。マーガレットが真赤な顔をして…一生懸命気持ちを伝えてくれるから。ついね、調子に乗っちゃったよ。」
「さっきの…今なら、サイン…」
「サインなんて。する訳が無いよね。あれはね。違う男の香りをつけて帰ってきた君にお仕置きしようと思っただけだよ?」
「…お仕置き……」
「当たり前だろう?だって僕はー…」
ぐいっと身体を起こされて、ベッドに座っている王子の上に、マーガレットが乗っかり、その胸板に手をついた。
右手を頬に添えられて、上を向かされると、其処には妖艶な光を瞳に宿して笑う王子が口角を上げていた。
「君を愛しているからね。君が何処に行こうとしても、手放すなんて無理だよ。」
私はこの年下王子に、これからも捉われていく。
「愛しているよ マーガレット。」
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