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命を懸けて愛するわたしを守ってくださったのね
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シャイニーはいわゆる敵対派閥の令嬢たちから呼び出されたため、てっきり校舎の裏あたりに連れて行かれるのかと思った。巷で流行っている物語ではそれが定石だからだ。
しかし流石は貴族令嬢。連れて行かれた先は学園に併設されたカフェだった。
「ようこそ、シャイニー様」
シャイニーを迎えたのはリリーだった。周囲には一般生徒の目もあり、その中に教会派の令嬢の姿を見つけたシャイニーはホッと息をついた。
リリーはシャイニーに椅子を勧め、自身もテーブルについた。このテーブルにはリリーとシャイニーの二人だけで、その他の令嬢は周囲のテーブルに腰を下ろしていた。
他愛のない会話を続けた後、不意にリリーが本題に入った。
「先日、貴女が殿下に言われた言葉を人伝に聞きましたの」
給仕によってシャイニーの前に二杯目の紅茶が置かれた後、リリーは微笑み穏やかに話し出した。
「『公爵家の後ろ盾欲しさの政略結婚』、だったかしら。──確かに正妃様が認められたとはいえ側妃様のお子である殿下には公爵家の後ろ盾が必要なのかもしれません。しかし、それは無いよりはあった方がまし、という程度なのです」
そこでリリーは「良い香りね」と紅茶に口をつけた。
「じゃぁ何でクライム様はわたしを受け入れてくれないのですか!?そんなのおかしいじゃない」
クライムの心は自分にある。シャイニーはそう確信していた。寂し気な彼の視線がそう物語っていた。
公爵家の後ろ盾が必要ないのであれば“一介の公爵令嬢”と“光の精霊の加護を持つ大聖女”。比べるまでもない。色恋で伴侶が選べずとも十分政略としての価値もある。自分の力はクライムの治世で必要なはずだ。
「──まさか、自分が愛されているとでも?」
シャイニーはそう言ってリリーを見た。シャイニーの視線と何を考えているのか分からないリリーの漆黒の瞳がぶつかった。
「貴女は可笑しなことを仰るのね。殿下から言われたのでしょう?愛など無くとも私たちは将来この国を導く同士なのだと──」
「まるで、自分がこの国のために必要な存在だと言っているように聞こえますけど──」
違う。それは自分のはずだ──そうシャイニーは思った。
「それは少し傲慢な考えなのではないですか?そんな考えだから精霊からも好かれず、大した魔法も使えないのよ」
ガタッ!
横のテーブルで話を聞いていた令嬢が立ち上がる。片手を上げ、それを優雅な所作でそれを制すると、リリーは残念だと言わんばかりにため息をついた。
「そうね、こんな抽象的な説明では分からないですものね。でもこの婚約の本当の意味を今ここで話す訳にはいかないの。
ただ、この婚約は王命なのよ。あなたはどういった立場で異を唱えているの?・・・この言葉の意味が分からないのであれば、貴女に殿下の伴侶は勿論一介の貴族の伴侶だって無理よ」
その手からクライムを奪おうとしているシャイニーが目の前にいるというのに歯牙にもかけていないようなその落ち着きに、お前など敵ではないのだと言われているようでシャイニーは腹立だしかった。
しかし良いことを聞いた。クライムに公爵家の後ろ盾が不要なのであれば遠慮はいらない。
クライム自らシャイニーを選ばなければならないように仕向ければいいだけの話だ。
学園エントランスホールの大階段。人通りの多いその踊り場で、クライムは高位貴族の令息と立ち話をしていた。
今日、リリーは王妃に呼び出されたとかで学園を休んでいる。クライムと二人きりになるにはまたとないチャンスだ。
シャイニーは慎重にクライムの背後から近寄っていく。そしてクライムが相手の令息と握手を交わそうと手を上げた時──
「──えっ!!」
「きゃっ!」
丁度クライムの横を通り過ぎようとしたシャイニーの身体にその腕が当たり、シャイニーの身体が階下に投げ出されたのだ。
「「「き、きゃあぁぁぁぁぁぁ!!」」」
周囲にいた令嬢の悲鳴が上がる。
「っ!」
シャイニーは階下に身体を傾けながら上手くいったとほくそ笑んだ。
これは事故だが王太子との接触が原因なのは明らかだ。多少痛い思いはするが、シャイニーには光魔法があるため痛みも傷も残ることはない。ここまでお膳立てをすれば、クライムも表向きは“責任を取って”という理由で、誰に遠慮をすることなくシャイニーを伴侶に迎えると宣言することが出来るだろう。
シャイニーがそんなことを考えている時だった。誰かに腕を取られ、抱きしめられたのだ。
「え!?」
同時に階段を滑り落ちているのか全身にかなりの衝撃がきた。
しかし感じたのは衝撃だけで痛みはない。
シャイニーが恐る恐る目を開け身体を起こすと、そこには気を失ったクライムの姿があったのだ。
「く、クライム様っ!」
「頭を打っているかもしれない!動かすなっ」
人込みの中、ディジットがこちらに来るのが見えた。
(あぁ、あぁ。やはり・・・)
気を失っているクライムを見てシャイニーは歓喜した。
(命を懸けて愛するわたしを守ってくださったのね・・・)
「シャイニー嬢!殿下が何故っ!!」
シャイニーの元に辿り着いたディジットが彼女に問うた。
(そんなの、彼がわたしを愛しているからに決まってるわ)
シャイニーはディジットに対して心の中で返事をすると、何も答えずに治癒魔法の詠唱を行った。
「光を司る精霊よ──」
シャイニーは、予定とはちょっと違ったが、これはこれで有りだと思った。
シャイニーの目論見自体は失敗に終わったが、結果としてクライムの命を救った形となった聖女シャイニーの立場は、より盤石なものとなったのだ。
ある日のこと、予定より授業が早く終わったシャイニーは迎えの馬車を待たずに徒歩で学園を出た。
学園と教会は隣接している。メインストリートには面していないため人通りは少ないが、わざわざ馬車で通うような距離ではないのだ。
高位の貴族はどんなに近くとも自身の身を守るために馬車を使う。勿論教会もシャイニーの身を守るために毎回馬車の準備をしているのだが、元々男爵令嬢という裕福な平民とあまり変わらない生活をしていたシャイニーは、常々こんなに近いんだから歩きで良いのにと思っていた。
「聖女シャイニーだなっ」
その時だった。数人の男たちがシャイニーの前に立ちはだかり、その腕を取ると捻り上げたのだ。
(痛いっ!離して!!)
シャイニーは痛みと恐怖で声を出すことが出来なかった。
しかし流石は貴族令嬢。連れて行かれた先は学園に併設されたカフェだった。
「ようこそ、シャイニー様」
シャイニーを迎えたのはリリーだった。周囲には一般生徒の目もあり、その中に教会派の令嬢の姿を見つけたシャイニーはホッと息をついた。
リリーはシャイニーに椅子を勧め、自身もテーブルについた。このテーブルにはリリーとシャイニーの二人だけで、その他の令嬢は周囲のテーブルに腰を下ろしていた。
他愛のない会話を続けた後、不意にリリーが本題に入った。
「先日、貴女が殿下に言われた言葉を人伝に聞きましたの」
給仕によってシャイニーの前に二杯目の紅茶が置かれた後、リリーは微笑み穏やかに話し出した。
「『公爵家の後ろ盾欲しさの政略結婚』、だったかしら。──確かに正妃様が認められたとはいえ側妃様のお子である殿下には公爵家の後ろ盾が必要なのかもしれません。しかし、それは無いよりはあった方がまし、という程度なのです」
そこでリリーは「良い香りね」と紅茶に口をつけた。
「じゃぁ何でクライム様はわたしを受け入れてくれないのですか!?そんなのおかしいじゃない」
クライムの心は自分にある。シャイニーはそう確信していた。寂し気な彼の視線がそう物語っていた。
公爵家の後ろ盾が必要ないのであれば“一介の公爵令嬢”と“光の精霊の加護を持つ大聖女”。比べるまでもない。色恋で伴侶が選べずとも十分政略としての価値もある。自分の力はクライムの治世で必要なはずだ。
「──まさか、自分が愛されているとでも?」
シャイニーはそう言ってリリーを見た。シャイニーの視線と何を考えているのか分からないリリーの漆黒の瞳がぶつかった。
「貴女は可笑しなことを仰るのね。殿下から言われたのでしょう?愛など無くとも私たちは将来この国を導く同士なのだと──」
「まるで、自分がこの国のために必要な存在だと言っているように聞こえますけど──」
違う。それは自分のはずだ──そうシャイニーは思った。
「それは少し傲慢な考えなのではないですか?そんな考えだから精霊からも好かれず、大した魔法も使えないのよ」
ガタッ!
横のテーブルで話を聞いていた令嬢が立ち上がる。片手を上げ、それを優雅な所作でそれを制すると、リリーは残念だと言わんばかりにため息をついた。
「そうね、こんな抽象的な説明では分からないですものね。でもこの婚約の本当の意味を今ここで話す訳にはいかないの。
ただ、この婚約は王命なのよ。あなたはどういった立場で異を唱えているの?・・・この言葉の意味が分からないのであれば、貴女に殿下の伴侶は勿論一介の貴族の伴侶だって無理よ」
その手からクライムを奪おうとしているシャイニーが目の前にいるというのに歯牙にもかけていないようなその落ち着きに、お前など敵ではないのだと言われているようでシャイニーは腹立だしかった。
しかし良いことを聞いた。クライムに公爵家の後ろ盾が不要なのであれば遠慮はいらない。
クライム自らシャイニーを選ばなければならないように仕向ければいいだけの話だ。
学園エントランスホールの大階段。人通りの多いその踊り場で、クライムは高位貴族の令息と立ち話をしていた。
今日、リリーは王妃に呼び出されたとかで学園を休んでいる。クライムと二人きりになるにはまたとないチャンスだ。
シャイニーは慎重にクライムの背後から近寄っていく。そしてクライムが相手の令息と握手を交わそうと手を上げた時──
「──えっ!!」
「きゃっ!」
丁度クライムの横を通り過ぎようとしたシャイニーの身体にその腕が当たり、シャイニーの身体が階下に投げ出されたのだ。
「「「き、きゃあぁぁぁぁぁぁ!!」」」
周囲にいた令嬢の悲鳴が上がる。
「っ!」
シャイニーは階下に身体を傾けながら上手くいったとほくそ笑んだ。
これは事故だが王太子との接触が原因なのは明らかだ。多少痛い思いはするが、シャイニーには光魔法があるため痛みも傷も残ることはない。ここまでお膳立てをすれば、クライムも表向きは“責任を取って”という理由で、誰に遠慮をすることなくシャイニーを伴侶に迎えると宣言することが出来るだろう。
シャイニーがそんなことを考えている時だった。誰かに腕を取られ、抱きしめられたのだ。
「え!?」
同時に階段を滑り落ちているのか全身にかなりの衝撃がきた。
しかし感じたのは衝撃だけで痛みはない。
シャイニーが恐る恐る目を開け身体を起こすと、そこには気を失ったクライムの姿があったのだ。
「く、クライム様っ!」
「頭を打っているかもしれない!動かすなっ」
人込みの中、ディジットがこちらに来るのが見えた。
(あぁ、あぁ。やはり・・・)
気を失っているクライムを見てシャイニーは歓喜した。
(命を懸けて愛するわたしを守ってくださったのね・・・)
「シャイニー嬢!殿下が何故っ!!」
シャイニーの元に辿り着いたディジットが彼女に問うた。
(そんなの、彼がわたしを愛しているからに決まってるわ)
シャイニーはディジットに対して心の中で返事をすると、何も答えずに治癒魔法の詠唱を行った。
「光を司る精霊よ──」
シャイニーは、予定とはちょっと違ったが、これはこれで有りだと思った。
シャイニーの目論見自体は失敗に終わったが、結果としてクライムの命を救った形となった聖女シャイニーの立場は、より盤石なものとなったのだ。
ある日のこと、予定より授業が早く終わったシャイニーは迎えの馬車を待たずに徒歩で学園を出た。
学園と教会は隣接している。メインストリートには面していないため人通りは少ないが、わざわざ馬車で通うような距離ではないのだ。
高位の貴族はどんなに近くとも自身の身を守るために馬車を使う。勿論教会もシャイニーの身を守るために毎回馬車の準備をしているのだが、元々男爵令嬢という裕福な平民とあまり変わらない生活をしていたシャイニーは、常々こんなに近いんだから歩きで良いのにと思っていた。
「聖女シャイニーだなっ」
その時だった。数人の男たちがシャイニーの前に立ちはだかり、その腕を取ると捻り上げたのだ。
(痛いっ!離して!!)
シャイニーは痛みと恐怖で声を出すことが出来なかった。
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